中国は世界で海水淡水化の先進技術を保有する少数の国の一つである。海水の直接利用の面で中国の海水循環冷却技術は世界をリードする地位にあり、しかも自主的知的所有権を持っている。中国の海水利用技術は世界の前列にあり、基本的に産業化発展の条件が整っていると言えるが、工学化、産業化の進展が緩慢で、成果の転化も不十分で、市場での競争力は強くない。
中国は海洋大国であるが、水資源が不足しており、水質の汚濁が深刻で、水関連の産業が発達していない国でもある。海水利用技術の発展にさらに力を入れ、その産業化を促すことは、中国の経済社会の発展における水資源のボトル・ネック問題を解決し、小康社会を全面的に築き上げる雄大な目標を実現するうえで、非常に重要な意義を持つことである。
民主党派の提案は次の通り。
一、海水を沿海の水不足地域の重要な水源、島にとっての第一の水源とする戦略を確立する。
二、海水利用を国民経済と社会発展の第11次5ヵ年計画に組み入れる。できるだけ早く国の海水利用特別プランを作成する。関連政府部門は海水利用を促す指導的意見を検討し、提出する。沿海地域は経済と社会発展のプランを作成する際、海水の利用をプランの基礎とし、措置を講じて電力、冶金、石油化学、紡績などの水利用の多い企業と家屋・土地不動産プロジェクトが積極的に海水を利用することを促す。
三、基礎があり、需要もある企業と地域を大いに助成してさまざまなパターン(海水の淡水化、海水による冷却、海水による水洗トイレ、地下水汚染対策、工業廃水処理など)のモデル・プロジェクト、モデル都市またはモデル地域を構築する。
四、海水利用技術の研究・開発、モデルケースづくりと完全化を加速し、海水利用技術の産業化を大いにサポートする。
五、中国財政部、国家税務総局が国家発展改革委員会と合同で海水利用を奨励する財政・徴税政策を検討、制定し、大きな海水利用プロジェクトを重点的にサポートする。水道水の価格改革を加速し、合理的な水道水の価格メカニズムで企業が海水利用量を増やすよう導く。当面、水道水の価格が合理化していない状況の下で、海水淡水化の企業に対して浄水施設と同じレベルの公益的手当を与えるべきである。
六、海水利用の基準体系を研究、確立する。海水利用ついての立法の歩みを加速し、法規体系を確立し、それを完全なものにする。海水利用の立法は政府と企業・部門の海水利用の責任と義務を明確に規定し、海水利用の条件があるのに、それを利用しない部門に対しては、相応の法的責任を定めなければならない。
「チャイナネット」2005年3月11日
|