温家宝総理は政府活動報告で初めて、不動産価格の過度な急上昇を重点的に抑制する方針を打ち出した。全人代と政治協商会議の審議、議論の場では、多くの代表・委員から一部都市で見られる異常に高い住宅価格、不動産市場の混乱に対して厳しい批判の声が相次ぎ、住宅価格を安定的に抑制することが強くアピールされた。
高過ぎる不動産価格、価格の過度な急上昇により、一般市民の大多数が住宅を購入できない、というのが現在、深刻な社会問題であり、一般市民の悩みの種となっている。価格対収入比を見ると、外国では一般に、1:3から1:6、一方、わが国の一部都市ではすでに1:12を上回っており、極めて異常。住宅価格が急速な上昇を続けているため、金融リスクは増大しており、さらに重要なのは、市民生活の質的内容に重大な影響がもたらされていることだ。一般市民から言えば、収入が低いことから、住宅価格が過度に上昇すれば、悪条件の住宅に引き続き甘んぜざるを得ず、高層アパートを眺めて嘆息するしか策はない。こうした状況は公平さを失うことになり、そこには極めて大きな社会問題が潜んでいる。
住宅問題は各家庭の福祉にかかわるものであり、また富の流れ、社会の公平にも影響をおよぼすことになる。建設部が打ち出した「いくらかゆとりのある住宅」目標は、都市部住民1人平均居住面積を35平方メートルにする、としている。この目標達成のため、各クラスの政府には、財政や税収、金融、法律、行政などの手段を全面的に運用して、不動産市場の調整を強化するとともに、実効性ある措置を講じ、早急に住宅価格の過度な上昇を抑制することが求められている。
低中所得者層に住宅保障が与えられていない要因1つは、住宅保障システムの不備にある。各地方政府は引き続き廉価な賃貸制度を完備させ、土地の信用貸借への優遇政策を着実に実施するとともに、低中所得者向け住宅の供給を強化することで、この層の住宅需要を満たしていく必要がある。同時に不動産業界の暴利を抑止するためには、業界の利益率に対し合理的な線引きを行うことが肝要だ。
現在、一部地方では、違法な市場操作、投機的行為などが深刻さを増している。こうした地方は、不動産バブルの一層の拡大に警戒心を強め、それを防止していくことが必要だ。地方政府は市場を管理・監督するという職責を着実に履行し、投資の適正化を図るとともに、投機的売買についてはあくまでも抑制し、法に基づいて様々な市場秩序を乱す行為を摘発していかなければならない。同時に土地管理を強化して、土地関連の競売制度を完備させることで、買い占めなどの行為を取り締まることが必要である。
「チャイナネット」2005年3月13日
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