温家宝総理の政府活動報告(三)

五、積極的に社会事業を発展させるとともに調和のとれた社会を建設する

科学的発展観を徹底するには、科学・教育による祖国振興の戦略、人材による富国戦略及び持続可能な発展戦略の実施に力をいれ、社会事業の発展を加速させなければならない。人民大衆の切実な利益にかかわる際立った問題の解決に力を入れ、社会の安定を保ち、調和のとれた社会主義社会を構築するよう努める。

 

(一)科学技術、教育、文化、医療・衛生及びスポーツの発展に力を入れ、精神文明の建設を強化する。科学技術の改革と発展を急ぐ。今年は国家科学技術中長期発展計画要綱が公布されることになる。引き続き国の創造・革新システムの充実化を推し進める。基礎研究、戦略的ハイテク研究及び重要な公益型技術研究を強化する。引き続き一群の重要な科学技術特定プロジェクトを実施し、カギとなる技術の難関突破への取り組みにさらに力を入れる。重要な科学技術基盤施設と国の重点科学技術研究基地の建設を強化する。科学技術体制の改革を深め、社会主義市場経済体制に相応しい科学技術管理体制、創造・革新メカニズム及び現代的研究院・研究所制度の構築を急ぐ。イノベーションにおける企業の主体的役割を十分発揮させる。産業、大学と研究の結合を強化し、科学技術の産業化を促進する。社会科学と自然科学をともに重んじることを堅持し、一歩進んで哲学・社会科学の繁栄と発展をはかる。

確実に教育を優先的に発展させる戦略的地位に置く。農村の義務教育を強化することに重点を置き、政府の資金投入を主とする経費保障メカニズムを完全なものにする。ひきつづき西部地区の「二つの基本」のブレークスルー・プランを実施する。今年から、国家貧困扶助開発重点県では農村の義務教育段階における学齢期に達した貧困家庭の生徒の教科書代、雑費の徴収を免除するとともに、寄宿生に生活費を補助する。二〇〇七年までに全国の農村においてこの政策を普及し、貧困家庭の生徒が皆就学でき、義務教育を終了できるようにする。都市で就労している農民の子女の就学問題に真剣に取り組む。高等教育の質的向上に意を注ぐ。さまざまな職業教育の発展に大きな力を入れる。党の教育方針を真剣に貫き、モラル教育を強化し、資質教育を大いに促し、生徒の全面的な発展を促進する。授業内容と授業法の改革と革新を速め、生徒の負担を確実に軽減させる。現代遠隔教育プロジェクトの建設を加速させる。引き続き社会の力による教育運営が健全に発展するよう促進する。各種学校の学生募集と費用徴収の制度を厳格に規範化させ、学校の財務に対する管理と監督を強化する。

医療・衛生事業の改革と発展を速める面で、今年は、疾病予防・対策システムを全面的に確立し、突発公衆衛生事件医療救急・治療システムの整備を基本的に完遂しなければならない。医療・衛生の仕事の重点を確実に農村に置き、農村医療・衛生のインフラ整備と医療・衛生陣の充実を強める。新しいタイプの農村合作医療制度のテストを推し進め、医療・救助制度の確立を模索する。重大な伝染病及び地方病、職業病に対する予防・対策を強化する。エイズの予防、治療やケアなどの措置を真剣に講じて、断固としてその感染拡大を食い止める。都市部医療サービス体制改革のテストを繰り広げる。コミュニティーにおける医療・衛生サービスの発展にさらに力を入れる。中国伝統医薬事業を積極的に発展させる。医療・衛生サービスや費用徴収及び医薬品流通秩序を突っ込んで整頓し、規範化させ、大衆の医療難、医療費が高すぎる問題を着実に解決する。

引き続き人口発展戦略の研究の仕事に力を入れる。計画出産政策と低出産レベルを定着させ、人口の質を高め、農村において一部の計画出産世帯に向け奨励・扶助制度及び「子供を少なく生むことによって早く豊になる」という貧困扶助プロジェクトのテストを拡大する。老齢人口向けの仕事にさらに力を入れ、身障者事業に関心を寄せ、サポートする。

社会主義の先進文化の発展に大いに力を入れる。思想・モラルの建設を強化し、愛国主義を核とする民族精神と改革・創造・革新を中核とする時代精神を発揚し、集団主義、社会主義思想を発揚する。未成年者の思想・モラル確立と大学生の思想・政治教育を強化し、改善する。文化体制の改革と新しいメカニズムの創出を促し、文化事業と文化産業の発展を速める。一方の手では繁栄を、もう一方の手では管理に力を入れることを堅持する。文学・芸術、報道・出版及びラジオ・映画・テレビ事業を発展させる。インターネットの整備と管理を強化する。農村の末端における文化面の建設を速め、ラジオ・テレビを「すべての村まで普及する」事業のレベルを引き上げる。大衆的精神文明建設の活動を突っ込んで展開する。「ポルノ一掃」、「不法出版物取り締まり」のキャンペーンをゆるむことなく続けていく。全国人民の健康増進のキャンペーンを広く繰り広げる。引き続き二〇〇八年の北京オリンピック大会と二〇一〇年の上海万国博に向けた準備作業に取り組む。

さまざまな層と種類の人材陣の構築を強化し、特にハイレベル人材と高技能人材を育成し、その誘致と活用をはかり、人材の合理的な移動を促進し、人材交流市場の法秩序の整備を強化する。

 

(二)就業と社会保障の仕事にさらに力を入れ、人民の生活レベルを引き上げる。引き続き積極的な就業政策を実施する。再就業支援の諸政策・措置の徹底に真剣に取り組むとともに、その実施対象の範囲を集団所有制の一時帰休者まで広げていく。今年度中央財政は再就業支援のための資金を一〇九億元計上し、前年度より二六億元増とする。地方財政も投入額を増やさなければならない。就業のための指導、訓練・育成とサービスを強化する。都市部で新規増加する労働力、大卒者、再配置を必要とする退役・除隊軍人及び農村余剰労働力の就業を統一的に計画し、立派におしすすめる。労働保障に対する監督・検査を強化する。

社会保障システムの整備を速める。企業従業員基本養老保険制度を充実させ、社会における統一的調達と個人口座制を結び付けることを堅持し、個人口座制の試行テストを着実におしすすめ、それをさらにくり広げる。国有企業の一時帰休者の基本生活保障の失業保険への一本化転換作業を推し進め、今年度は全国の多くの地域で長年来懸案となった国有企業一時帰休者の問題を基本的に解決する。今後企業にリストラされた者は逐次法に則って直接失業保険または都市部の「最低生活保障」対象者枠に組み込まれる。法に則って養老、失業、医療、労災などの社会保険上のカバー枠を広げ、自営業、私営業、外資系企業の保険加入率を引き上げ、非正規就業者の保険加入方法を完備させる。社会保険料徴収に大いに力を入れ、統一調達のレベルを逐次引き上げる。政府機関と事業体の養老保障制度の改革案を検討し、制定する。都市部の「最低生活保障」制度を一段と充実させ、条件の整った地方においては農村部住民最低生活保障制度の整備を模索してもよい。軍人などに対する優遇・救済作業を着実に進める。慈善事業の発展をサポートする。       

引き続き都市・農村住民、とりわけ中低所得層の収入増を図る。さまざまな措置を講じて、農民収入の持続的増大を促す。都市にきた農民就労者の賃金の正常な支給を確保するメカニズムの確立を急ぎ、遅配金の償還作業を引き続き着実におしすすめる。各種企業はいずれも最低賃金制を厳格に実施して、期日通りに従業員の賃金を全額支給し、さらに収益の向上を踏まえて従業員の収入を増やすべきである。公務員給与制度を改革し、充実させる。

所得分配制度の改革を推し進める。分配秩序を整頓し、規範化させ、個人所得税制度の完備化を急ぐ。所得分配調節への取り組みの度合いを大きくして、分配関係をすっきりしたものにし、一部の社会構成員の間における所得格差が開きすぎる問題の解決に努め、社会の公平の実現を促す。

都市・農村における困窮者の基本生活問題の解決を高度に重視する。各地方は都市・農村の特別困窮層向けの社会救助システムの構築を急ぎ、その医療、住居、子女の就学などの現実的な困難の解決に手を貸さなければならない。農村における労働力を喪失し、身寄りのない者に、衣、食、住、医療、葬儀など五つの保障を与える扶養制度を充実させる。貧困扶助のための投入を増やし、貧困地区における民衆が貧困から脱却し、豊かになるよう積極的に援助する。被災地域での税収減免や被災した人びとの生産・生活面の救済などの仕事に力を入れる。

 

(三) 民主法制の整備を強化し、社会の安定を着実に保つ。政治体制の改革を積極的かつ穏当に推し進め、社会主義民主政治の建設を強化する。末端部における民主をさらに拡大し、その民主管理制度を充実させる。政府の立法作業に力を入れ、マクロ規制メカニズムの完備、さまざまな突発事件への対処、勤労者の合法的権益の保障などの立法を重点的に強化する。司法体制の改革を推進し、司法の公正を維持する。各クラス政府とも裁判機関及び検察機関の法による裁判権と検察権の独立した行使をサポートしなければならない。法律知識の普及のための広報教育を強める。法的サービスと法律援助事業を着実におしすすめる。法に則って女性、未成年者及び身障者の合法的権益を保障する。

党の民族政策を全面的に貫き、民族区域自治制度を堅持し、充実させ、平等、団結、互助の社会主義の民族関係を打ち固め、発展させ、各民族がともに繁栄し、進歩することを促進する。党の宗教事務にかかわる基本方針を全面的に貫徹し、『宗教事務条例』を真剣に実施し、新たな情勢下における宗教事務の仕事を立派におしすすめ、華僑事務の仕事に一段と力を入れる。

社会の安定をはかる仕事を高度に重視する。人民内部の矛盾を正しく処理し、人民大衆の間で苦情のある問題を適時かつ合理的に解決するとともに、大衆の利益を損なうさまざまな行為を法に依拠して断固是正する。『民衆の投書・陳情条例』を真剣に実行に移し、民衆からの投書・陳情受理の仕事を強化、改善する。社会の矛盾・紛争に対する調停・処理メカニズムを確立し、健全化させ、社会の安定をめざす早期警報システムと緊急対処メカニズムを充実させ、集団的事件の発生を積極的に予防し、善処する。社会治安に対する総合対策をいっそう強化し、社会治安・防犯・抑制システムの整備を鋭意推進する。法に依拠してさまざまな刑事犯罪、わけても国の安全を脅かす犯罪、ゆゆしい暴力犯罪、マフィア的性格をもつ悪勢力による犯罪、麻薬がらみの犯罪や多発的財産侵害犯罪を厳しく取り締まり、人民大衆の安全感を高める。公共安全保障と突発事件対処の能力を高め、自然災害や事故による災禍などの突発事件によってもたらされた損失を軽減する。国家安全意識を強め、国の安全を守るメカニズムを構築する。

昨年以来、一部の地方と業種において安全にかかわる重大、特大事故が多発し、人民の生命や財産にゆゆしい損害をもたらした。われわれはこうした痛ましい教訓を真剣に汲み取り、より強力な措置を講じて安全生産への取組みを強めなければならない。厳格な安全責任制を実行し、安全管理を強めるとともに、安全への検査、法律執行に力を入れ、さまざまな潜在的な危険要素を取り除き、重大、特大事故の発生を防ぎ、減少させなければならない。当面、炭鉱の安全運営を緊急課題として、炭鉱の安全監督管理の体制とメカニズムを充実する。多くの職員・労働者の安全に対する監督する役割を発揮させ、炭鉱の安全施設への資金投下を増大し、安全にかかわる技術水準を引き上げる。このため、国務院は今年に三〇億元を捻出し、それをもって国有炭鉱の安全施設・技術の改良を助け、それと同時に地方と企業も安全生産への投入を増やさなければならない。われわれは人民に対する高度の責任感をもつ精神で、採炭作業の安全状況を確実に改善しなければならない。

 

 

六、行政能力の向上と政府部門の作風づくりを強化する

この一年、われわれは行政許可法を貫徹し、それを実行に移し、科学的かつ民主的な政策決定を堅持し、法による行政を推進し、社会管理を強化するなどの面で、いくつかの取組みに力を入れてきた。われわれは、政府自身の建設にまだ不十分な点が存在していることをよく認識している。われわれは党の十六期四中全会の精神を真剣に貫き、政府みずからの改革や建設のテンポを急がなければならない。

 

(一)、政府機構の改革を深める。簡素化、統一、効率を重んじる原則と、政策決定及びその執行、監督を相互に調和させるという要請に従い、機構の設置を充実させ、部門別の職能と職責をはっきりさせ、機構の編制を厳しく抑制し、政府部門の職責、機構と編制の科学化、規範化、法定化を図る。政府機関の改革の成果を着実に打ち固め、新たに生じた問題はいち早く解決しなければならない。郷・鎮の機構改革をより早く推し進め、その重点として郷・鎮機構の職能を合理的に定め、機構の簡素化と財政で給与をまかなう職員の削減に取り組む。積極的かつ穏当に部門別の事業体の改革を推し進める。法に依拠して、事業体への授権行為を規範化させる。

 

(二)、政府機能の転換を速める。政府と企業の分離、政府と国有資産の分離、政府と事業体の分離をさらに推し進める。政府がやるべきでないことは断じて市場や企業及び社会組織に任せ、社会団体や業種協会、商会、仲介機構の役割を十分発揮させる。しかしながら、政府がやるべきことは立派にやり遂げなければならない。引き続き経済の調整、市場の監督管理に力を入れるとともに、社会管理と公共サービスをさらに重視し、財力、物力などの公共資源をより多く社会管理と公共サービスに傾斜させ、社会事業の発展や調和のとれた社会の構築の促進にさらに力を集中する。行政許可法を真剣に貫き、引き続き行政審査・許認可制度の改革を深化させ、行政審査・許認可項目を一段と整理、圧縮し、規範化させる。

 

(三)、経済管理の形態と方法を改善する。計画経済下の旧い意識ややり方を徹底的に改めなければならない。各クラス政府の経済発展への取り組みは、主として市場主体にサービスを提供し、望ましい発展環境を築き上げることであるが、企業投資の意思決定を一手に引き受けたり、企業の代わりに外商誘致・資金導入を行ったり、企業の生産運営活動に直接介入したりしてはならない。各クラスの指導幹部は市場経済の法則に従って経済活動を指導する意識と能力を増強し、国際慣行に則って事務を行う意識と能力を高め、主として経済、法律の手段を運用して経済運営を調節する意識と能力を強化しなければならない。

 

(四)、サービス型政府をつくることに努める。政府の管理形態を革新し、管理をサービスの中に組み入れ、末端組織、企業と公衆のためによりよく奉仕する。行政的資源を統合させ、行政コストを引き下げ、行政の効率とサービスレベルを向上させる。政府の各部門はそれぞれの職務をつかさどり、協調を強めなければならない。社会への公示制度、公聴制度などを健全化させ、人民大衆が公共事務の管理により広く参加するようにする。政務公開を大いに推し進め、政務電子化の建設を強める。政府活動の透明度を向上させ、政府への信頼感を高める。

 

(五)、法に基づいた行政能力を高める。法に則って国を治めるという基本的方略を真剣に貫き、国務院の公布した、法に基づいた行政推進要綱を全面的に実施し、法治政府の建設を急ぐ。各クラス政府及び所属部門はいずれも憲法と法律を厳格に順守し、法に定められた権限や手続に従って権限を行使し、職責を履行し、監督を受けなければならない。行政法規執行責任制を実行し、複数の部門による重複した、不公正な法規執行といった現象をあくまでも克服する。行政に対する問責制度を強化し、行政上犯した過ちについては法に依拠してそれを追及しなければならない。各部門とも内部管理を強化し、積極的に会計監査機関や監察機関と協力しあって、彼らが法に則って職責を履行するようサポートし、そこで発見された問題について真剣に整理、是正しなければならない。政府及び所属部門に対する公民、社会とマスコミ世論の監督をさらに強化する。

 

(六)、政府部門の作風づくりをさらに強化する。あくまで人間本位を旨とし、人民のために執政することを堅持する。科学的発展観と正しい治績観をしっかり打ち立て、真実を追求し、実務を重んじる気風を大いに盛り上げる。統計法を厳格に実行する。科学的な行政評価システムと経済・社会発展総合評価システムの検討、確立を急ぐ。断じて形式主義や水増し報告、ホラ吹きに反対し、民衆を疲弊させ財力をムダにするような「イメージづくりのためのプロジェクト」や「治績プロジェクト」をしてはならない。会議や文書を減らし、その気風を改善する。様様な検査、評定、目標達成キャんぺーンを厳格に規範化し、抑制する。国務院第三回廉潔政治活動会議の精神を真剣に貫き、改革と制度整備を重点として、廉潔政治建設と反腐敗闘争を強化する。共産党員の先進性保持教育の展開と結び付けて、公務員への教育、管理及び監督を強め、人民の意に適う公務員陣づくりに努める。

 

 

代表のみなさん

国防と軍隊の建設を強化することは、わが国の現代化建設の戦略的任務であり、国の安全・統一を守る上で重要な保障となるものである。毛沢東の軍事思想、鄧小平の新しい時期における軍隊建設思想、江沢民の国防・軍隊建設思想を導きとし、戦争で勝利すること、変質しないことという二つの歴史的課題をしっかり把握して、軍隊の全面的な建設を強化し、新しい世紀の新しい段階における軍隊の歴史的使命を確実に全うする。終始思想・政治の建設を第一位に置き、軍隊の建設における正しい方向を堅持する。新しい時期の軍事戦略方針を柱として、中国の特色のある軍事変革を鋭意推進し、情報化の条件下における部隊のトータルな防衛戦闘能力を強化する。科学技術による軍事訓練を踏み込んで実施し、高資質の新しいタイプの軍事人材を育成する。国防分野の科学技術研究及び武器装備の現代化建設をさらに強化する。引き続き国防分野の科学技術工業の改革と発展を推進する。兵力二〇万人削減の任務を首尾よく遂行する。軍隊の後方支援の建設を推し進め、保障能力を高める。厳格に軍隊を治めること及び法に則って軍隊を治めることを堅持し、軍隊の正規化の水準を向上させる。人民武装警察部隊の整備を強化し、その執務能力及び突発事件対処能力を増強させる。全人民の国防意識の強化をはかり、国防動員体制を充実させ、予備力の建設を強める。各クラス政府は国防と軍隊の建設を積極的にバックアップし、軍隊と政府、軍隊と人民の団結を促進しなければならない。

 

 

代表のみなさん

われわれは「一国二制度」、「香港人による香港統治」、「澳門人による澳門統治」、高度の自治という方針を揺るぐことなく貫徹、実行して、香港特別行政区基本法と澳門特別行政区基本法に厳格に則って事を運ぶ。香港、澳門の両特別行政区の行政長官と政府が基本法に基づいて行政に取り組むことを全力を上げてバックアップし、その施政能力をいっそう向上させる。経済貿易や教育、科学技術、文化、医療・衛生等の分野における大陸部と香港、澳門との交流と提携を強め、香港、澳門の長期にわたる繁栄、安定と発展を促進する。

われわれは「平和的統一、一国二制度」の基本方針および現段階における海峡両岸関係を発展させ、祖国の平和的統一を推し進める八項目の主張を堅持し、台湾海峡の平和及び両岸関係の安定した発展を擁護する。われわれは両岸の人的往来や経済、文化等の分野の交流と提携を奨励し、推進するとともに、両岸間の直接の「三通」(通信・通航・通商)を奨励し、推進する。引き続き一つの中国の原則を踏まえて、両岸の平等な話し合いと交渉を回復させるよう努める。両岸関係の発展と平和的統一に寄与する事でさえあれば、われわれは必ず最大の努力を払ってそれを行う。今大会で審議することとなる『反国家分裂法』(草案)は、最大の誠意と最大の努力を尽くして、祖国の平和的統一を勝ち取ろうとするわれわれの一貫した立場を十分に反映したものであり、国家主権と領土保全を擁護し、「台湾独立」を企てる分裂勢力が台湾を中国から切り離そうとするいかなる名目、いかなる方式も絶対に許すことはない、という全中国人民の共通の意志と断固とした決意を明らかに示したものである。われわれは広範な台湾同胞とともに、祖国統一の大業の実現に向かって奮闘するであろう。

 

 

七、平和的発展の道を歩みつづけ、独立自主の平和外交政策を堅持する

国際情勢は複雑かつ深刻な変化を逐げつつある。平和と発展は依然としてこの時代のテーマである。中国の社会主義現代化建設の道は平和的発展の道を歩むことである。この道は、次のようなものである。世界平和という有利なチャンスをつかんで自国の発展を達成し、また自国の発展に依拠して世界平和をよりよく擁護、促進する。積極的に経済のグローバル化及び地域的提携に参与すると同時に、主として自らの力と改革・革新をよりどころとして発展を実現する。対外開放を堅持し、平等互恵を踏まえて、積極的に世界各国との協力を発展させる。力を集中して建設に取り組み、一意専心発展を目指し、平和的国際環境や良好な周辺環境を長期にわたり維持する。永遠に覇権を唱えず、永遠に世界平和の擁護および共同発展の促進を図る確固とした力となることである。

われわれは平和的発展の道を堅持するために、ゆるぐことなく平和、発展、協力の旗印を高く掲げ、これまで通り独立自主の平和外交政策を実行し、平和共存五原則を踏まえて世界各国と友好的に共存することを堅持しなければならない。

ここ一年、われわれは積極的に全方位外交を展開し、平和で安定した国際環境、善隣友好の周辺環境、平等互恵の協力環境及び客観的で友好的な世論環境を勝ち取るよう努め、世界と地域の安全と発展にかかわる一連の重要問題において建設的な役割を果たし、中国と世界諸国の友好交流と互恵協力を強化してきた。中国人民と世界各国人民の友情はよりいっそう深まった。われわれは世界平和の擁護および共同発展の促進のために新たな貢献をしたのである。

この新しい年に、われわれは引き続き世界の多極化、国際関係の民主化と発展方式の多様化を推進し、経済のグローバル化が各国の共同繁栄に寄与する方向へと発展するよう促すとともに、積極的に多国間主義と新たな安全理念を提唱し、覇権主義と強権政治に反対し、いかなる形のテロリズムにも反対し、平和、安定、公正かつ合理的な国際新秩序の構築を推し進める。われわれは発展途上諸国との互恵協力を深化し、発展途上諸国の共通の利益を擁護する。「善意をもって隣国に接し、隣国を仲間と見なす」方針を堅持し、周辺諸国との友好協力関係をいっそう強化し、地域的な提携を深める。先進諸国との関係をさらに発展させ、共通利益の合致するところを広げるよう努め、相互間の食い違いを適切に処理する。われわれは多国間の外交活動に積極的に参与し、国連及び安保理の権威と主導的な役割を擁護、強化し、国際及び地域機構において建設的な努力をする。われわれは経済外交と対外文化交流に全面的に力を入れ、わが国の公民の海外における生命安全と合法的権益を積極的に守る。

中国政府と中国人民は世界各国人民とともに、人類の平和、発展と進歩の事業の擁護と促進のためたゆまず努力することを願っている。

 

 

代表のみなさん

わが国の各民族人民は意気軒昂として中国の特色のある社会主義の道を堂々と前進している。われわれは偉大な祖国のすばらしい前途に自信をみなぎらせている。われわれは胡錦涛同志を総書記とする党中央の指導の下に、鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想の偉大な旗印を高く掲げ、心を一つにして、努力に努力を重ね、発奮して強きを求め、改革開放と現代化建設事業において断えず新たな勝利を収めるよう頑張ろうではないか。

 

「人民網日本語版」2005年3月15日


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