国家クラス木論自然保護区の生態系保全のため、保護区内の住民の保護区外への移住作業が、このほど正式にスタートし、第一陣の保護区中心部の19戸、合計89人の住民が林地から移住することとなった。
木論保護区は、広西チワン族自治州環江モオナン族自治県域内に位置し、総面積は10667ヘクタール、森林カバー率は96.58%である。この一帯は保存状態の良好な石灰岩植物――常緑落葉広葉樹林の混交林森林生態系があり、茂蘭自然保護区とともに、現在世界のカルスト地域ですでに知られている規模の大きなものとしては、面積が最大で、保存状態が最も良好な常緑落葉広葉樹林の混交林生態系となっており、世界で極めて顕著な代表性と典型性を有し、保護区内では半世紀以来「姿が見られなくなっていた」、「植物の中のパンダ」といわれる単性モクレンを目にすることができる。
木論自然保護区内には709戸、3000人余りの住民が住んでいる。保護区内は、山が高く、木が至るところに生えているため、道路がなく、電気も引かれておらず、一人当たりの耕地は0.67ヘクタール以下で、生活は極めて困難で、保護区全体の保護作業にマイナスの影響を及ぼしてきた。木論国家クラス自然保護区管理局は今年1月から、保護区中心部に住んでいた19戸、合計89人の住民をすべて林地から移住させる作業に着手した。
新しい居住地では、保護区管理局がすべての世帯の住民のためにレンガ造りの住宅を建て、道路を敷設し、水道・電気整備し、水田までも用意したため、移住者たちに喜ばれている。移住地の整備は4月中旬に完工の予定で、第一陣の移住者はまもなく新居に引越すことになっている。
「チャイナネット」2005年3月22日