江蘇省地質調査研究院の郭坤一研究員が先般明らかにしたところによると、長江デルタ地域の地面は徐々に沈下しており、しかもますます深刻化している。蘇州、無錫、常州などの地区では不均衡な地盤沈下によって、すでに地面に22カ所の割れ目が生じている。
郭坤一研究員の話しでは、地盤沈下は広い範囲で起こっているため、発見しにくく、主に大・中等都市で多発している。地下水資源の過剰な開発・利用により、長江デルタ地域で地盤沈下が起こりやすいところでは、すでに累計で200ミリメートルの地盤沈下が発生し、面積は1万平方キロメートルに及んでいる。蘇州、無錫、常州などでは不均衡な地盤沈下によって、すでに地面に22カ所の亀裂が発生している。
地盤沈下は、スローテンポの変化を伴う地質災害であり、「静かに進む地盤危機」でもある。伝えられるところによると、長江デルタ地域の持続的な地盤沈下によって、域内の地形と地表水の自然の流れが変わり、洪水や冠水などの災害が頻発するようになった。それ以外に、局部的には耕地が陥没し、年中水が地面にたまり、農業にとっての潜在的リスクとなっている。
この深刻な現状に対して郭坤一研究員は、「静かに進む地盤危機」がいつ起こってもおかしくない状態にあり、地下水採取の最適化を図るとともに、積極的に地下水採取地域で水を戻す作業を広めるべきである、と呼びかけている。
水を戻す作業は、つまり水源をポンプ設備を通じて熱エネルギを交換した後に、もう一度地下の含水層の中に注ぎ込むことである。こうすることで、地下水の水源を補充し、水位を調節し、地下水の貯蔵量のバランスを保つことが可能となる、と郭坤一研究員が説明している。
「チャイナネット」2005年3月24日