国連の提唱により、95カ国・1300人余りの科学者が4年かけて実施した研究プロジェクト「ミレニアム・エコシステム・アセスメント(MA)」の報告書が30日、北京、ロンド、ワシントンなど8都市で発表された。報告書は、人類の生存を支える生態系の60%が悪化を続けており、負担に耐える力が衰えつつあることを指摘。今後50年間でさらに悪化が進むと警告している。生態系機能を4分類24項目に分けて研究した結果、15項目で機能の低下が進行していたという。
北京での発表には、MAプロジェクト理事、科学技術部の徐冠華部長、国家環境保護総局の張力軍副局長が出席し、「生態は地球規模の問題。世界各国の共同の努力が必要」と訴えた。また、中国の方針として、節水型社会の建設、砂漠化防止プロジェクトの実施、西部の生態系維持に対する東部からのサポート体制の推進など、生態系の回復・整備事業を適切に実施し、西部の生態系の良好な発展を図ることを表明した。
MAは、生態系とその人類の福利への影響に対する、初の全世界規模の多尺度総合アセスメントで、2001年6月5日に開始。地球生態系の変化について、信頼性の高い情報を政策決定者に提供する狙いがある。
「人民網日本語版」2005年3月31日