「人民日報」にこのほど、愛知万博に参加した在日中国人留学生、王静さんからの手紙が届いた。王さんが留学する日本の南山大学では、中国人留学生たちが愛知万博への参加を目指し、準備のため1年間にわたり中日両国を奔走し、「中国の子供たちの小さな夢」というシリーズ活動を開催してきた。両国の小学生が絵を通して交流し、友好関係を築く主旨の活動だ。王さんらの活動はすでに選考を通過し、万博で発表される予定という。
▽王さんの手紙(抜粋)
愛知万博の市民パビリオンは「市民の参加」を中心としています。これまでに235の市民パビリオンが選考を通過し、約半年の開催期間中、来場者に向けて展示・発表されます。「中国の子供たちの小さな夢」は、多数の市民パビリオンの中で唯一、留学生が独自に運営するパビリオンで、私たちはとても光栄に、そして誇りに感じています。
パビリオンを思いついた最初のきっかけは、中国の張芸謀監督の映画作品「あの子を探して」でした。経済が急成長を続ける中国では、農村部の子供の学習・生活状況に注目する人は少ないかもしれません。私たちは農村の子供たちに目を向け、彼らを主人公として、北京市農村部の小学生の生活を撮影したドキュメンタリーフィルムを制作しました。これは愛知万博で上映される予定です。これを機会に、より多くの日本人や全世界の人々が、あくなき夢を追う中国農村部の子供たちに関心を寄せ、彼らへの理解を深めてほしいと思います。また、中日両国の小学生が絵を通して交流し、相互理解を深めることで、両国の若者の間に友好関係が築かれることを願っています。
2003年11月、愛知万博からの認定を受け、私たちは中国人留学生7人と日本人大学生5人からなる「南山瀬戸ネットワーク」を立ち上げました。中日両国の青少年の交流を深めるという私たちの「夢のプロジェクト」を実現するため、2004年4月から「中国の子供たちの小さな夢」という一連の活動を展開してきました。
2004年7月、小学生による交流活動の第1歩として、愛知県瀬戸市の長根小学校で「未来の夢」、「中国のイメージ」、「中国の小学生への祝福」をテーマとする絵画募集活動を開催しました。絵で自分の夢を表現し、中国の小学生への祝福のメッセージを伝えるものです。同年9月、私たちはこれらメッセージをを届けるために北京市密雲県を訪れ、現地の小学校で同様の活動を行いました。さらに、小学生の授業風景や放課後の生活を描くドキュメンタリーフィルムも制作しました。タイトルは「同じ青空の下に」。中日両国の小学生から募集した絵画500枚と一緒に8月23日、万博市民パビリオンで上映・展示を行う予定です。
自分の夢をテーマとする絵の中で、中国のある小学生は医師を描きました。彼の夢は医師になること。バスケットボールを描いた日本の小学生の夢は、スポーツ選手になることだそうです。両国の子供たちは生活や勉強の環境は違いますが、同じようなすばらしい夢を持っています。そして、彼らの夢こそが、私たちのプロジェクトを実現させてくれたのです。
「人民網日本語版」2005年4月4日