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「侵略の美化」は必ず「隣国の信頼」を失うことになる

日本文部科学省は4月5日に検定に合格した「新しい歴史教科書」を公表した。この右翼団体が編さんした歴史教科書はこれによって日本の中・高校での使用が可能となった。このように侵略を美化して、日本の青少年をミスリードすることは非常に危険な行為である。

日本では、歴史をわい曲した教科書で青少年を害するやり方は今に始まったことではない。1960、1970年代に、日本の家永三郎教授はそのために日本政府を訴えたことがある。1982年8月に、旧日本文部省は歴史教科書を検定した際、日本の中国に対する「侵略」を「進出」と美化したため、中国および多くのアジア諸国の強い反対を引き起こした。内外の世論に迫られて、宮沢喜一官房長官は同じ年の8月26日に余儀なく「政府の責任で教科書の記述を是正し、検定基準を近隣諸国へ配慮して改める」という旨の談話を発表した。文部省はまた教科書を検定するためのいわゆる「近隣諸国条項」をとくに制定した。しかし、20余年の事実が立証しているように、日本政府が行ったこれらの公約は全く人をだますウソ八百であった。日本政府は歴史をわい曲した教科書を検定合格させた際、以前の誤ったやり方を是正しなかっただけでなく、かえってますます度を増やすことになった。

今回、検定「合格」した教科書では、日本の対外侵略については一言も触れていないのに、侵略を懸命に美化している。検定関係者は、日本が引き起こした「九・一八」(1931年9月18日)事変は日本関東軍が念入りに画策したものではなく、「国民党による中国統一が差し迫っていること」によって招来されたもので、日本が引き起こした「盧溝橋事変」(1937年7月7日)は「日本軍に発砲した人がいたから」引き起こされたものであり、ひいてはこの戦争は共産党員が「国民党の内部に潜り込んで」、「日本を戦争に引き込んだ」のであると述べている。中国を侵略した日本軍が引き起こした「南京大虐殺」事件についてはさらに頑固にそれを認めようとせず、事件の真相について「資料にも疑問点が多く、今も論争はつづいている」とでっち上げている。この教科書はまた極東国際軍事裁判の日本A級戦犯に対する判決を公然とくつがえそうとしている。

周知のように、第2次世界大戦後、中国、アメリカ、イギリス及び旧ソ連など11カ国からなる極東国際軍事法廷は日本の戦犯を厳しく審理し、最後に東条英機ら7人のA級戦犯に絞首刑を言い渡し、1948年12月23日にそれを執行した。今回検定に合格した歴史教科書は法廷が「戦争犯罪で国の首脳に判決を下したのはこれまでの歴史に例がない」と公然とわめきたて、「東京裁判にはいまなお定説がない」という妄言を言い放った。これらの戦犯に対する判決をくつがえそうとする彼らの企みは歴然としたものである。

上記の状況から、人々に近年、日本国内で相次いで発生したいくつかのおかしな現象を連想させるものがある。小泉首相が中国およびアジア諸国の強い反対を無視してA級戦犯の位牌をまつっている靖国神社に参拝することを頑として固持し、日本各地には相次いで戦犯記念碑が打ち立てられ、侵略戦争の定説を覆そうとする『大東亜戦争の総括』の出現などに人々は憂慮し、警戒せざるを得ない。

今年は日本降伏60周年に当たる。日本政府はこの良い機会に歴史の真相を国民に伝え、国民に対し歴史を忘れることなく、平和を守るという教育を行うべきである。それと同時に日本軍の侵略で大きな被害を受けた隣国の人々に心から謝罪し、アジア人民に許されるよう努めるべきである。ところが、日本政府はかえってそれに逆行し、隣国人民が日本軍に殺された親族を偲ぼうとしている際に、歴史をゆがめ、侵略を美化する教科書を検定合格させ、公表した。これはアジア人民に対するなにはばかることのない挑発である。

(作者 中国社会科学院日本研究所研究員 駱為竜 

『光明日報』2005年4月12日付)

「チャイナネット」2005/04/20

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