1941年6月22日、ドイツは突然ソ連への進攻を発動、ソ独戦争が勃発した。1941年12月8日、日本ファシストは太平洋上におけるアメリカの海軍基地真珠湾を奇襲して公然とアメリカに宣戦を布告し、ここに太平洋戦争が勃発した。ソ独条約が締結されてから、ソ連は一貫して戦争圏外に身を置く努力をしており、ヨーロッパ戦争勃発後、アメリカも日本との衝突を避けようと企図していた。この時に至って、独日両国は自ら墓穴を掘り、世界で最も強大なソ連とアメリカの二大国家をも反ファシズム戦争に引きずりこんだのであった。こうして全世界は最終的に米、英、ソ、中をはじめとする反ファシズム連盟と独、伊、 日を主軸とするファシズム集団との全面的対決の局面が形成されたのである。ファシズムに抵抗する世界的戦争はすみやかにヨーロッパ、太平洋の各島国、アジア、北アフリカなどの各地域で全面に展開された。

太平洋戦争勃発後、中、米、英、ソの4カ国が筆頭になって「連合国家宣言」を発表し、相前後して宣言に署名した国は40カ国以上に達した。宣言は連合一致して、あらゆる手段をつかって徹底的に独、伊、日ファシズムに勝利しようと誓っている。これ以降、中国は連合国創始国の一つとなったのである。1年後、中、米、英3カ国の首脳がカイロで会議を開き、正式に日本に対する極東作戦の各項目の問題を討議した。ソ連の指導者スターリンの同意を経て「カイロ宣言」は次のように公表された。「3大同盟国の目的は日本国から1914年の第一次世界大戦開始以後、日本国が奪取し、または、占領した太平洋における

一切の島を剥奪すること、ならびに満州、台湾、および澎湖諸島のように、日本国が中国人から盗み取った一切の地域を中国に返還することである」と。このようにして、中国人民が抗日戦争で実現させようとしている目標は、反ファシズム連盟が受け入れることができる要求となり、これは侵略に対して非常に苦しい抵抗戦を戦い抜いている中国軍民にとって疑いもなく巨大な鼓舞激励であった。

太平洋戦争勃発後、中、米、英、ソ各国は実際にはすでに共同作戦をはじめていた。4カ国の軍事要員はまず重慶で一連の軍事会議をひらいて軍事協力問題を討論した。この頃、ソ連は全力をあげてドイツに立ち向かう必要があり、ただちに日本に宣戦することは不可能であったので、この後、アジアにおける軍事協力は主に中、米、英の3カ国となった。3カ国の軍隊は連合軍事会議を開き、中国戦区（タイ、ベトナムを含む）を組織し、戦区内には、中、米、英3カ国の軍事要員から構成されている連合計画作戦参謀部が設立された。

太平洋戦争の展開は、一層中国戦線の重要性を明確にした。アメリカの大統領ルーズベルトは次のように明確に述べている、「もし中国がなければ、もし中国が敵に占領されたら、どれほど多くの日本師団が自由に派兵されてオーストラリア、インドに進撃し、それからまっすぐに中東へ迫り、ドイツ、イタリアと合流して、アメリカ、イギリス、ソ連の3カ国を各個撃破していたであろう」と。しかし実際には中国の存在により、中国人民が頑強な持久戦を行なっていたので、日本陸軍主力の相当部分は中国戦争の泥沼におちこみ、抜け出すことができなくなっていた。独日両国はかつて日本軍をオーストラリアとインド洋地区に派兵し、両国軍が中東で合流することを目指したが、日本の兵力不足のため、ついに実現し得なかった。

戦争の初期、日本侵略軍は順調に展開し、英米の太平洋にあった海軍、空軍勢力を相前後して打ち破り、香港、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシアと西南太平洋における一連の重要な島を占領した。たった20％の陸上兵力を投入し、死傷者2万余人の代償だけで、約300万平方キロの土地を占領し、同盟国軍側に戦死、負傷、捕虜合わせて30万余人という打撃を与え、1.5億に近い人口を制圧したのである。同じ頃、1942年1月、中国軍は日本軍の3個師団の中国湖南省都長沙に対する攻撃を打ち砕き、日本軍の死傷者は6000人近くに達したが、しかし、そのすぐ後で行われた雲南・ビルマ公路作戦と浙江・江西作戦では重大な損失をこうむった。この前後、日本軍は華北の敵後方戦線で狂気じみた「三光」（即ち焼きつくし、殺しつくし、奪いつくす）作戦を実施し、大挙して八路軍に対する「掃討」を行ない、敵後方の抗日軍民に極わめて大きな困難をもたらした。

さらに効果的に独、伊、日ファシズムのたえず増大する気炎を抑制する意味で、アメリカ政府は十分明確に中国戦線の重要な戦略地位を理解していた。アメリカの軍関係者は、どんな代価を支払っても中国に抗戦を継続させる必要があると強調し、中国政府の作戦続行の自信を強化し、中国軍の作戦能力を引き上げるために必要な物資と装備を提供せよと主張していた。アメリカの志願航空隊は、太平洋戦争勃発のその日から中国とビルマで激しい航空戦に参加し、当代に及ぶ者なしとされていた日本空軍に対して効果的に攻撃したので「飛虎隊（フライング・タイガー）」とたたえられた。

1942年3月、アメリカ政府は中国に対して5億ドルもの貸付金を提供することを正式に决定し、これによって中国政府の作戦遂行の自信を増強させることを図った。1943年3月中国において以前のアメリカ志願航空隊隊長シェンノート将軍が指揮するアメリカ空軍直属の第14航空隊を組織編成し、正式にアメリカ軍の身分で中国陸軍と共同作戦をとることを特に決定し、1943年11月、両国はまた先進的なアメリカ戦闘機と爆撃機を擁する「中米空軍混合大隊」を編成し、これにより、中国とアメリカの空軍が中国戦線の制空権を奪い取ることが可能となった。この年、アメリカ政府はさらに中国に協力し、ビルマからインドに撤退していた3万のインド駐屯軍と共にビルマ進出作戦の任務を実施準備中の16個師団遠征軍を訓練・装備し、インドのインパールからヒマラヤ山脈を飛び越えて直接雲南に連絡する「 The Hump」（ヒマラヤ山脈の屋根を飛び越える）航空運輸コースを切り開き、中国に月数千トンのアメリカ物資を輸送したのである。

「チャイナネット」2005/04/26