青海・チベット高原に設置されている71ヵ所の地上観測スポットが収集した1961年から2003年までのデータから見ると、気温と降水量の月間平均値がともに上昇傾向にあることがわかり、専門家は、青海・チベット高原の平均気温の上昇は地球温暖化の一つの現れではないかと見ている。
研究者の調べによると、前世紀80年代以来、青海・チベット高原の各地には、気温が見に見えて上昇している。また、雲、積雪の反射効果が原因で、海抜が高ければ高いほど気温の上昇が顕著である。
研究者たちは、気温の上昇にともない、高原では牧草の成長期間も延長していることに気づいている。20世紀後半、高原の寒帯、亜寒帯の日間平均気温が0度以上に達する日数、つまり牧草の成長する日数は10年ごとに2-3.5日増え、高原の温帯では、さらに3-10日に増えた。
降水量の面から見ると、ここ40年来、青海・チベット高原のほとんどの地域では降水量の減少の傾向が見られるようになったが、近年、増大傾向に転じている。1998年から2002年までのところ、チベット北部のナチュ地区、ヒマラヤ山脈の北側、ヤルツアンポ川及びその支流のネンツ川、ラサ川流域では、降水量が増大の傾向にある。ところが、降水量の増大にもかかわらず、氷河面積の縮小は依然として続いている。
氷河の融けた水が川の流量の増大につながっているが、降水量にどんな影響があるのか。高原の降水はエルニーニョ現象とどんな関係があるのか。大西洋、太平洋の温度の変化は、青海・チベット高原にどんな影響を及ぼすのか。専門家は、青海・チベット高原の気象観測期間が相対的に言って短いことから、さまざまな問題についてはなお回答が待たれるとしている。
「チャイナネット」2005年5月10日