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農村で起業する名門大卒者 成功の秘訣は発想の転換

上海復旦大学でコンピューターを専攻した顧澄勇さんは、2002年の卒業時、企業等への就職というクラスメートと同じ道を選ばず、故郷の農村に戻り、家業を継ぐ形で鶏卵販売業を始めた。その後3年間、自分ならではの事業を展開し、独自ブランドの鶏卵「阿強」の販売で業績を伸ばしている。顧さんはこのほど、上海市南匯区農業委員会から「中国農民10大傑出青年」に選出された。

コンピューター専攻のエリート卒業生が故郷の農村で卵を売る――。顧さんの選択は人々の意表をつくものだった。しかし、顧さんは当初から、家業を継ぐといっても、全くの独自路線を進むつもりだった。鶏卵生産を支えるのはニワトリだけではなく、自らの知識と技術、見識、理念も重要であることを、顧さんは知っていたからだ。そこで、大学で4年間学んだコンピューターの専門知識、ニワトリに関する基本知識を頼りに、鶏卵の独自ブランド「阿強」を立ち上げ、鶏卵のオンライン・トレサビリティ(生産履歴)検索システムを開発した。上海市で農製品にトレサビリティシステムを導入したのは顧さんのケースが初めてという。

「阿強」ブランドの鶏卵パッケージ内には、検索番号と生産日を記したカードが入っている。消費者はこれをもとに、ウェブサイト「上海農業ネット」を利用して製品情報を検索できる。主な情報は鶏舎の所在地、産卵したニワトリの年齢、品種、使用飼料、使用飲料水など。これにより、安全な鶏卵を求める消費者のニーズを満たし、直接的な経済効果も生んでいる。

国は大学生の起業を奨励しており、同時に、学生の多くに起業する能力がある。カギは起業意識の有無だ。実際、学生が大学で養うのは、書物から得られる知識力だけではない。より重要なことは、社会のニーズに合う、自分に適した事業を持つために必要な能力を養うことだ。職業に貴賎はなく、今や頭脳労働者と肉体労働者という絶対的な区別はなくなり、都市・農村間、東部・西部間の格差も縮小している。どんな業種、どんな職種であっても知識・智慧が必要であり、働くためには優れた総合的資質が求められる。それとも、オフィスで定時出勤・退勤する「ホワイトカラー」が、本当に「卵売り」の顧さんより価値があると言えるのだろうか。

顧さんの自主的な選択が人々に認められたのは、事業が成功したのも当然原因の一つだ。しかし、より大きく反映されている背景として、職業選択における現実的な見方、価値観の変化が挙げられる。本来、職業の種類と「世間体」とは無関係であり、仕事の中で自分の価値や能力を発揮してはじめて、尊敬に値するのだ。大学生が顧さんを手本に、自分の事業の道を進むことを願う。

「人民網日本語版」2005年5月10日

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