中国広東省海洋漁業局はこのほど、2004年海洋環境に関する記者会見を行い、河口と近海の水質には好転が見られず、とくに珠江河口伶仃洋一帯は相変わらず重度汚染地域と見られ、地元の大掛かりな海岸埋め立ては海岸付近海域の湿地の生態系をひどく破壊したと想定されていることが明らかになった。
海洋観測センターの広東省海域に対する昨年の観測結果によると、近海域の水質は全般的は良好であるが、珠江河口、せん頭港、湛江港など、陸地の汚染に大きく影響されている近海の水質は悪く、無機窒素、りん酸塩、石油類と鉛の含有量が大幅に基準をオーバーしている。珠江河口の汚染が最もひどく、水質の富栄養化及び栄養塩のバランスが崩れるなどから、生物の群落の構成に異常が見られ、河口の産卵場が退化したり、消え去ったりしている。生物の多様性もきびしい状況に直面している。かつて大量にこの一帯で繁殖していたコウライエビ、良質魚類がすでに姿を消し、紅樹林もだんだんとなくなっている。
近海の埋立地は珠江河口の湿地の環境破壊の重要な要因であると見なされている。海の埋め立ては海岸の地質・地形と湿地の機能を直接破壊し、珠江河口の潮の干満の境界地帯の生態系に壊滅的な破壊をもたらしている。
「チャイナネット」2005年5月16日