上海市の韓正市長は15日に開催された上海フォーラムの開幕パーティーに出席し、スピーチの中で上海市が将来直面すると考えられる5つの問題点とその対策を分析した。上海市の将来について韓市長が挙げた5つの問題点と対策は次の通り。

（１）独自開発能力の向上

上海市は独自開発能力を向上させ、科学技術の成長を加速させるという問題に直面している。政府が方向性を与え、市場によって進められ、企業が主体となった独自開発システムの構築は一朝一夕にできることではない。科学技術の進歩によってこそ、上海市の今後5～10年間、あるいはさらに長期にわたる発展を支えることができる。

（２）産業構造の改善、競争力の向上

上海市は産業構造の調整・改善のさらなる推進と、産業競争力の向上という問題に直面している。上海市の現在と未来を支えるのは製造業だが、世界一流の製造業に比べると相当な隔たりがある。上海市は絶対に産業空洞化に向かってはならない。世界の大都市の中でも産業競争力を最も備えた都市の一つにならなくてはいけない。

（３）上海万博に向けたインフラ整備加速

2010年の上海世界博覧会に向けて、上海市はごく短期間のうちに、機能性に富み、ネットワーク化された中心型都市を目指し、インフラの整備を加速させなければならず、これは複雑な作業である。上海市の関連方面がともに努力し、港や空港などのインフラ整備を加速させていく。上海市は2010年には、博覧会の予測来場者7千万人の受け入れ能力を備えていると確信する。

（４）環境保護

上海市は多方面で「人民本位」の方針を体現し、循環型経済を発展させ、環境保護を強化していく。上海市にはほとんど資源がなく、これは発展を制約するボトルネックであり、政府各部門は「エネルギー節約型の発展の道」を模索している。環境保護は上海市の都市発展にとって永遠の課題・テーマであり、世界の大都市に匹敵する環境保護システムの構築は最重要課題だ。

（５）改革モデルの転換、「四位一体」型へ

改革の推進、開放の拡大、政府機能の転換について。過去10年間、上海市の改革は企業が主体となり、企業改革を通じて社会改革、市場改革、政府改革を推進してきた。今後は企業・社会・市場・政府の改革が一体になった「四位一体」型の改革になっていく。改革の重点は政府機能の転換にあり、サービス型政府を的確にうち立てることだ。

「人民網日本語版」2005年5月16日