ジンプォ族は主に雲南省徳宏ダイ族ジンプォ族自治州に暮らしている。
『木脳縦歌』
ジンプォ族は毎年の旧暦1月15日には、必ず盛大な『木脳縦歌』を催すことになっている。『木脳縦歌』は「集まって歌い踊る」という意味であり、祭祀の行事、歌と踊り、さまざまな民俗のパフォーマンスを一体に化した民俗行事である。行事の場所は一般に山村の平らかな広場に設けられている。
旧暦1月15日の朝、四方八方からやって来た人たちは晴れ着をまとって次々と広場に集まる。何千人もジンプォ族の人々が二人の人格者で、名声のある長者に率いられて、二列縦隊で、象脚鼓(象の足状の太鼓)、釯羅(雲南の少数民族がよく使う、三つのどらからなるもの)、小蛇皮線と葫蘆絲(小さなひょうたんの尖った先端に一本の竹の管を差し込んで作った吹奏楽器)によって伴奏される楽曲に合わせて、輪になって歌いながら踊り、たえず秩序正しく隊列の進む方向とコースを転換する。若い男たちはきまり文句を叫びながら手にしている長い刀を振り、少女たちはステップに伴ってしきりにきれいなハンカチを振る。踊り全体は動作が簡単で、ステップは力強く、リズムは軽快である。
『木脳縦歌』にはまた、さまざまな内容を表わす伝統儀式、例えば豊作の祝い、出征する前の仕度、神様を祭ること、兄弟の分家または人々の引っ越しなどの時に踊る踊りがたくさんある。これらの踊りの動作は大体同じようなものであるが、使う道具と踊りの方向にいくつかの違いがある。このほか、祭日の楽しさをさらに盛り上げるため、人々が自発的に披露する自分で楽しむ踊りと武術なども含まれている。そのうち、武芸の水準と熟練した技(わざ)を披露するための男性の「刀踊り」には、「一本刀」または「二本刀」を手にする一人踊りまたは二人が刀で切り合いをするなどの異なった演技の形態があり、定着した動作のパターンと筋書があるばかりか、それぞれ異なった流派をも形成している。歌の中で、日常の生活と野良仕事の動作を真似る女性グループの自分たちで楽しむ歌と踊り「米を搗く踊り」の動作の多くは回ったり、互いに足を引っかけ合ったりする下肢の動作を主とし、楽しくて熱気に満ちた雰囲気があるものである。
「チャイナネット」2005年6月10日