トン族 

トン族は主に中国の貴州、広西と湖南などの省・自治区に分布している。 

 

『蘆笙踊り』

蘆笙は竹の管で作った吹奏楽器であり、蘆笙で伴奏する多くの歌と踊りを一括にして『蘆笙踊り』と称している。これらの踊りには、祭日に踊る自分で楽しむ踊り、若い男女の間の交際のための踊り、上手な吹奏者が蘆笙を吹奏しながら難度の高い技巧的な演技を提示し、競い合う踊りである。

 祭日になると、成人となったトン族の未婚の若い男女がいずれもグループになって『蘆笙踊り』を踊る機会を逃さず、これらの若い男女の多くはともに踊りを踊る機会を利用して自分の意中の人を選ぼうとするのである。グループになって『蘆笙踊り』を踊る時、あちこちの村から来た人たちが一緒になって、村を単位として一つの輪を作り、輪の真中に一本の蘆笙の柱を立て、柱の先端にそれぞれの踊りのチームの小旗が掲げられる。4-6人からなる楽隊が蘆笙の柱の下で柱を囲んで坐り、グループになっての『蘆笙踊り』のために低音の伴奏を行う。始めは、蘆笙を手にする若い男たちときれいなハンカチまたは花模様入りの傘を手にし、銀の装身具をつけ、晴れ着姿の少女たちがそれぞれ内側と外側の二重の輪を作って、時計の針の逆方向に回るように踊る。踊りの動作とリズムは蘆笙のリード役が吹奏する節回しに従って変わる。女性たちは同じところでの回りと両腕の上下、前後への揺れ動きを主な動作とする。男性は蘆笙を吹奏しながら動作の幅がかなり大きいしゃがんだままの足取り、跳ね、足蹴りなどの動作をする。踊り全体は叙情的ではつらつとしている。

グループでの『蘆笙踊り』では、条件があれば、テクニックのずば抜けた男性によってシングル、ダブルと4人の競技的『蘆笙踊り』を交差させて踊る。これも未婚の若い男が自分の蘆笙を吹奏するレベルを見せて、踊りの動作の力強さ、テクニックを提示し、いいところを見せて、娘さんたちから賞賛され、注目されることに努める。トン族の人々の間では、立派な青年男子であるためにはりっぱな野良仕事の働き手であるばかりか、同時に蘆笙も上手に吹奏することができなければならない。

伝統的な民族の祭日以外に、豊作の年の新年になると、あちこちの村ではさらに優れた蘆笙の吹き手によって「蘆笙チーム」を作って他のトン族の村に赴いて蘆笙の技(わざ)を披露する。トン族は非常に親切な民族で、「蘆笙チーム」が村に来て演技を披露する際には、たいへん手厚いもてなしを受けることになる。

 

「チャイナネット」2005年6月10日




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