上海協力機構(SCO)の第5回首脳会議が5日、カザフスタンの首都アスタナで開催された。会議では加盟国(カザフスタン、中国、キルギス、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタン)首脳による「首脳宣言」が採択された。主な内容は次の通り。
<上海協力機構加盟国首脳宣言>
テロ対策機関による「テロリズム・分裂主義・過激主義取締条約」の実施を促進するため、各国首脳は既存の常駐事務処代表体制の原則に基づき、加盟国による常駐のテロ対策機関代表体制を構築することで合意した。
国家調停員理事会は近日中に、秘書処・テロ対策機関とともに共同の立場を定め、本機構(SCO)が最も効果的に国連事務局・各委員会との交流を展開し、他の国際機関と締結した協力文書を実行に移し、対等と相互尊重の基礎の上に地域の機関・フォーラム・関係国との連係を構築できるようにすべきである。
各国首脳は、国連の合理的で必要な改革、効率化、権威保護を支持する。国連改革は最大限広範な合意の原則に従うべきであり、改革に期限を設けたり、重大な相違点の残る改革案を強引に採決に持ち込むべきではないことを、重ねて言明する。
各国首脳は、21世紀にアジア太平洋地域が平和と発展の促進において重要な役割を発揮するものと考え、次のように主張する。全アジア太平洋地域あるいは準地域に境界線を引くべきではない。国家間のいかなる誤解や紛争も協議を通して平和的に解決するべきである。活力に満ちたこの地域に恒久的な友好、相互理解、協力、建設的な雰囲気を醸成するべきである。この目標の実現を促すことは、本機構の1つの主要任務である。
各国首脳は、加盟国が共に努力し、世界および地域の安全と安定が直面する新たな試練と脅威に、効果的に対処すべきと考える。
この共同の努力は総合的な性質を持つべきであり、加盟国の領土・住民・生活保障・インフラ担当機関が新たな試練・脅威によってダメージを受けないために、加盟国がしっかりした保護を提供し、持続的発展と貧困撲滅への必要条件を構築するよう、加盟国に促す能力を持つべきである。この共同の努力には次の内容を含む。
加盟国の外交、対外経済、エンフォースメント(法執行)、特殊分野、国防などの機関の間で緊密な協力を展開する。
加盟国安全会議事務会議体制の十分な役割発揮を図る。
地域の平和・安全・安定を脅かす事態に対する、本機構による共同対処のための効果的な措置やシステムを策定する。
テロ対策措置を共同で策定、実施する。
加盟国間の安全保障関連の法律を調整する。
新たな試練と脅威に対処する現代的な技術装備の開発、応用をめぐる協力を推進する。
マスメディア分野で新たな試練・脅威へ対処するための、効果的なシステムを構築する。
本機構加盟国は自国領土におけるテロ活動の計画と実施を阻止する。これには、他国に対するテロ活動を計画しているケースや、テロ・分裂・過激活動で告発された者、または容疑者を庇護しないことを含む。本機構の他の加盟国がこうした要求を出した場合、加盟国の現行法に厳密に従って、こうした人物を引き渡すものとする。
各国首脳は、本機構が安全保障と自己能力強化のために行う共同努力について、他国の利益を少しも損わないものであり、ある種の同盟の結成を意味するものでもないと考える。これは本機構の開放の原則に完全に合致し、新たな試練と脅威への対処のために広範な国際協力を進めるという精神に合致するものである。
「人民網日本語版」2005年7月6日