安徽省涇県で古い歴史のある鎮、琴渓橋。この一帯で作られているのが、「琴魚茶」だ。地名の「琴」がその名の由来。琴魚は2つ唇と4つの顎をもち、広い嘴と曲がった鰭が特徴の魚。清明節(二十四節気の1つで、新暦の4月5日前後)になると、琴渓鎮は養殖した琴魚の収穫期を迎える。庭に日干しにするため山と積まれた琴魚、琴魚……。この時期に琴渓橋を訪れると、こんな豊漁の光景が目に飛び込んでくる。
琴魚茶の作り方は? まず琴魚を塩水につけておく。塩づけした琴魚にウイキョウ、茶の葉、砂糖などを加えて煮込んだ後、さらに炭火でゆっくりといぶしていく。いぶし干された琴魚を透明のコップに入れて、お湯を注げば、まるで活きた魚が浮遊する琴魚茶の出来上がり。
琴魚茶を飲むと、爽やかさが口いっぱいに広がる。飲み干したら、柔らくなった干し琴魚をゆっくりと味わう。これも格別。
琴魚はその昔、朝廷の献上品として知られていた。その清冽な味わいには解毒作用もあるという。「琴魚茶を普段飲んでいるから、健康でいられるし、病気にかかったこともない」と、地元の人は胸を張る。
「チャイナネット」2005年7月11日