チベット仏教文化における赫々たる存在であるポタラ宮は、敬虔な信徒の聖地であり、現地以外の人々が秘蔵されている文化を探る殿堂となっている。宮殿の前に広がる広場は厳粛、荘厳で、現地の人々の生活、心中の安息の地となっている。

7月の美しい季節は、チベット高原の旅行シーズンである。集団を成した参拝者、皮膚の色の異なる外国人旅行者が宮殿を参観している時に、ポタラ宮広場はひそやかに拡張工事が行なわれていた。従来の広場の西側の建築物は既に存在せず、樹林と造営中の人工湖がそれにとって代わることになる。自治区成立40周年も間近に迫り、祝賀の重点であるポタラ宮広場拡張工事は注目の的となっている。

ポタラ宮広場拡張工事弁公室の陳顕順副主任は、「ポタラ宮広場拡張工事は40年祝賀重点工事で、全工事竣工は7月中旬になる」ことを明らかにした。

ポタラ宮広場拡張工事の総投資額は1.5億元で、中心広場、東側湖区整備、西側水系回復、緑化工事の3部分に区分されている。陳氏は、「ポタラ宮広場にある不合理な建築物を一掃するため、一連の事業所、部門、個人事業者に対する移転措置を実施した結果、広場は従来面積より3万余㎡も面積が広くなった」と説明している。

現在、ポタラ宮広場拡張工事の全地下パイプライン、音響、通信、放送などの施設据付は総工事量の95％が完了している。全広場の石板舗装面積６万余㎡のうち、中心広場と両側の歩道、合わせて約２万余㎡の工事が完了している。このほか、東側湖区整備は、湖底清掃、欄干補強などの作業が最終段階に入っている。

陳氏によると、「自治区政府はポタラ宮広場現場特別弁公室を設け、品質監督、管理など各段階における措置を強化しており、工事の進捗を早めるために、労働者の一日あたり作業時間は12時間以上に達し、個別の工事現場では３交代制を実施しているところもある。工事の質を確保するため、広場現場特別弁公室は国内監督管理会社を特に招聘し、全広場拡張工事に対する監督管理を行なっている。品質の監督を重視し、工事進捗の加速を図ったので、ポタラ宮広場拡張工事の各項目業務は順調に進展しており、現在は工事総量の60％が完成しており、７月中旬には竣工する見込みである。

ポタラ宮広場にはダザルゴン顕彰碑から国旗掲揚台、記念碑から３座の白塔、ツァラルプ寺など数多くの史跡、名勝が集中している。今回の拡張工事では、それぞれの文物、名勝の従来の姿をとどめるために、旧来の姿に修復することを原則とし、ダザルゴン顕彰碑は移動せずに周囲の花崗岩舗装を整備し、外壁の亀裂などは局部的に修理を施した。このほか、国旗掲揚台は改めて建造し、白塔周辺には特に白塔広場を造営しており、工事竣工後はさらに美しい白塔が出現することになる。

また新広場には多くの新たな見所が増えることになる。新広場は竜王潭から東側の湖区まで引水し、さらに清浄水パイプラインにより西側の水系にまで引き込み、その後、パンチェン小楼の人工湖に注ぎこむ設計になっている。

また、新広場の南側にある党政大院北壁は浮彫壁に変身する。浮彫は西安美術学院のデザインによるもので、計13幅が浮き彫りされる。中心にデザインされる主浮彫の長さは90m、テーマは「チベットの過去と現在」である。

「チャイナネット」2005/07/12