天山の雪蓮花
新疆ウイグル自治区(以下、新疆と略)の雪蓮花は雪荷花ともいわれている。主に天山の南側と北側の斜面、アルタイ山と昆侖山の積雪線近くの旱ばつのひどい凍結した河原一帯の断崖絶壁に生長している。 100余年らい、雪蓮花が医薬の原料として使われてきた。漢族の人たちの多くはそれをリューマチ性関節炎治療の貴重な薬草に見なしてきた。ウイグル族、カザフ族の人たちの間ではそれを婦人科の病気の良薬と見なしてきた。
雪蓮花は種類も非常に多く、新疆の雪蓮花は『本草綱目拾遺(遺漏補足)』の中でも規格品と見なされている。天池一帯のボグダ峰で採取されているものの品質が最高。
バシクルモン
バシクルモンは主にタリム盆地のタリム川、クジャク川の沿岸に分布し、面積は約53万3300ヘクタール。バシクルモンは全体が宝物と言え、茎は製紙の原料となり、葉の汁は飲み物となり、根、茎、枝、葉に含まれる乳液状のものはゴムの原料でもある。バシクルモンの薬用価値も高く、漢方医学では冷の性質で、苦い味があるがいくらか甘味もあり、熱を下げ、炎症に効き、肝臓を丈夫にして邪気を取り除くことができ、主に頭痛、目まい、不眠症などの治療のために使われる。葉にはバシクルモン・グリコが含まれており、心臓を丈夫にする効能があり、バシクルモン茶、バシクルモン錠剤の原料、バシクルモン・タバコなどの材料となり、高血圧症などの治療に使われている。
バイモ
新疆バイモは四川バイモ、浙江バイモとともによく知られた貴重な漢方薬材である。清代(1616-1911)の頃から、新疆バイモはすでに開発、利用されていた。当時、新疆北部地域のチャンジ、チータイ県に集荷市場があり、古いシルクロードの北ルートを経由して、ラクダとウマを運搬手段としてはるばる天津などの開港場に運ばれ、一般に「古貝」と呼ばれていた。採取量がきわめて少なかったため、値段も非常に高かった。
イチジク
イチジクはクワ科の植物で、小さな花が花托の中に隠れるようになっているため、「隠花果」ともいわれている。原産地は西アジアである。イチジクにはかなり多くの果糖、酒石酸、蛋白質、ビタミンなどが含まれ、果肉はきめ細かくて柔らかく、栄養が豊富で、果実の味はハチミツのように甘い。体を丈夫にし、便通をよくし、食欲を増進させ、乳汁の分泌を促すなどの役割がある。タリム盆地でたくさん栽培されており、アトゥシュでの栽培面積が最も大きい。
ハミウリ
中国ではハミウリを産出するのは新疆と甘粛省の敦煌一帯だけで、西暦1228年に書き上げられた『長春真人の西遊記』が最初に新疆にこのようなウリがあることに触れており、「甘いウリの形は枕の如し、その香りは全中国に冠するものとなり」とたたえている。17世紀の初め頃、ハミウリは新疆から宮中への貢ぎ物と指定された。
ブドウ
西域(古代において、玉門関以外の新疆の地域と中央アジア各地をこう称した)のブドウ栽培は2000年余りの歴史がある。トルファンのブドウは品種が豊富で、600種余りに達する。最もよく知られているものとして、干しブドウを作るタネなし白ブドウ、取れたてのものの食用を主とする馬奶子ブドウ(粒がやや長めで、成熟した後黄緑色を呈し、形が馬の乳頭のようなので、こう名付けられた)、赤いブドウ、および薬用のソソブドウなどがある。
新疆じゅうたん
新疆じゅうたんはいくらか太めの羊毛と著名なホータンヒツジの羊毛を材料として織り上げられたものである。このような羊毛の特徴は太くて粘着せず、強靱で弾力性に富み、引っ張りと圧力に耐え、光沢もよい。
新疆じゅうたんの図案はあっさりしたものが多く、色彩はさらに鮮明な民族の特色と濃厚な地方色があり、その特徴は主に縁枠が多くの層からなり、幾何学の図形の中にさまざまな模様が埋め込まれ、整然とした構造で、リズミカルなのを感じ、変化に富むとともに日常生活に欠かせない。新疆じゅうたんは同類の色彩あるいは対比色を並列し、対比の中でさまざまな色の個性を十分に表現することを非常に重視している。新疆じゅうたんはもとは毛糸を染める染料で着色し、その多くは植物と鉱物を原料とする天然の染料であった。現在は化学製品の活性染料を使い、色彩がいっそうあでやかであると同時に、着色の定着性がよく、火で焼かれても退色しない。
新疆ナイフ
イェンジサ・ナイフはウイグル族の伝統手工芸品であり、ユニークな造型で、精巧なつくりで、ナイフとして使うこともできれば、また芸術鑑賞の価値もあり、特色のあるシルクロード観光のおみやげである。イェンジサ・ナイフの多くは曲がった形のものであり、刀の柄は木製のもの、角を使ったもの、銅を材料としたもの、銀を材料としたものがあり、非常に凝っている。刀の柄は材料がなにかを問わず、イェンジサの職人たちは必ずその上に色彩の鮮明な図案を象眼しており、宝石の飾りをつけたものもあり、精巧でデラックスで、手から放せない。イェンジサ・ナイフのほか、クチェの「クジャク刀」もよく知られている。
「チャイナネット」2005年8月