今年8月15日は中国人民抗日戦争の勝利から60周年の記念日にあたる。中国の若者は今、60年前の歴史をどのように見ているのだろうか。日本に対する姿勢に、あの戦争はどれほど影響しているのだろうか――。
中国青年報・社会調査センターは6月27日~7月25日、読者調査とオンライン自主参加の両形式で、アンケートを実施した。回答した2312人のうち、男性が78.1%、女性が21.9%で、回答者平均年齢は30.4歳。回答者の98.9%が、8年間の抗日戦争の歴史を「永遠に心に銘記すべき」と答えている。
60年が経ち、戦争経験者の高齢化が進んでいる。今回の調査回答者のうち、日本の侵略者が中国の民間人を虐げ、殺害するのを目撃した直系家族を持つ人は、51.2%に過ぎなかった。1996年12月の調査では60.9%だった。しかし歴史の記憶は死を超越する。「一休さん」や「東京ラブストーリー」を見て育ったいまどきの若者の間でも、あの戦争で日本の軍国主義が中国の人民にもたらした重大な災厄に「憤慨を覚える」とする人の割合は99.6%に達する。9年前の調査では96.3%だった。
一連の評論が指摘する通り、あの歴史を単なる災厄や憤怒と捉えるだけで、内在する論理や複雑さ理解しないのであれば、やはり戦争被害者の期待に背くことになる。現在の若者は「憤慨」を表しているが、心に刻まれているのは憎しみではない。7割近くの若者が、自らの過ちを懺悔(ざんげ)した旧日本兵について、彼らは軍国主義の被害者であり、その行為は斟酌できるとしている。また、人々が再三にわたり歴史を銘記しなければならない大きな理由は、歴史問題を含む一連の問題をめぐる日本の言行が一致しないからだとしている。
近年、日本の首相や政府要人がアジアの人々の感情を無視し、戦犯の合祀されている靖国神社への参拝を繰り返していることについて、回答者の97.9%が「受け入れがたい」と答えている。9年前は96.8%だった。中国の抗日戦争記念については、90.2%が「まだ不十分」としている。
歴史を直視し、尊重してはじめて、隣国の信用を得ることができる。日本が国際社会の舞台で政治大国になりたいのなら、まず自分自身が責任感と尊厳のある国にならなければならない。回答者の93.7%が日本の国連常任理事国入りに「不賛成」を示した背景にも、こうした責任ある思考があったのかも知れない。
「人民網日本語版」2005年8月16日