浙江省杭州市の景勝地、呉山にある。地下を含めて7層の古代建築物を模した楼閣で、高さは41.6メートル。その姿は輝くほど秀麗だ。元代と明代の殿宇の建築様式を融合し、主要な部分に着眼して、細部に工夫が凝らされている。杭州の江、山や湖、街の麗しい光景を望むことができる。
城隍閣の主頂の先端はひさご状の瓶の形、4つある副頂の先端は鳳凰の形をしており、楼閣そのものが羽を広げて飛翔する鳳凰を彷彿させる。幻の楼閣が天を突いているようでもあり、心引きつけられて止まない。
第2層の東の大柱に、明代の徐謂が記した著名な対れん「八百里湖山知是何年図画;十万家煙火尽帰此処楼台」(広々した湖と山、これ何年の図絵かを知る;多くの家の煙と火、尽きてここ閣台に帰る)が掛けられている。地下の大広間の南、西、北の3面の壁には照明付きのケースが置かれ、堅木を使った大型の彩色彫塑「南宋杭城風情図」を展示。対面の壁に嵌め込まれた青色の線刻画には、杭州歴代の名人や賢人の画像と、民間の神話や故事10話が描かれている。呉山に登り、城隍閣に上がって四周に目をやれば、天空はどこまでも果てしなく、大地はどこまでも平坦で広く、湖や山々はどこまでも美しい。まさに、その名に恥じることのないこの世の楽園。
「チャイナネット」2005年8月