山東省済寧市を流れる古運河の北岸に位置する。もとは唐代の賀蘭氏が営む酒楼(現在の飲食店)だった。唐代開元二十四年(736)、大詩人の李白が夫人の許氏、娘の平陽を伴って湖北省安陸からこの地に移り、「酒楼の前に居住し」、毎日のように店に来て酒を飲んでは、自由自在に筆を振るい、多くの詩を書き残した。賀蘭氏酒楼も李白が訪れたことで店の名が広まり、繁盛を極めたという。唐代咸通二年(861)から、呉興人の沈光敬が李白を慕って訪れるようになる。賀蘭氏酒楼に登っては景色を眺め、「太白酒楼」の扁額を篆書するとともに、『李翰林酒楼記』を著した。これを機に、賀蘭氏酒楼は「太白酒楼」に改名し、世に知られていく。
「チャイナネット」2005年8月