山東省蓬莱市にある。蓬莱は、空中楼閣の名所であったことから、歴史上、秦や漢代の君主などが巡幸した。その後、八仙(神話中の8人の仙人)が海を渡ったとの伝説がこの地に長く根づき、やがて歴代の文人墨客から仙境とみられるようになった。北宋嘉佑六年(1061)、登州郡守(行政官)の朱処約は唐代の漁民が建てた竜王廟を丹崖山の西側に移して、そのもとの場所に蓬莱閣を立て、「州人の遊覧する所とし」、『蓬莱閣記』を記した。元豊八年(1085)、一代文豪の蘇東坡が登州軍州事(軍事長官)を司ることになり、在任したのは5日間だったが、揮毫して立ち去って行った。その詩文は名声を残し、蓬莱閣は次第に知れわたるようになり、天下の絶景となった。
「チャイナネット」2005年8月