切手の中のチベット――チベット自治区成立40周年に際して

チベット自治区は中国の南西部、青海・チベット高原の南西部に位置し、北は新疆ウイグル自治区と青海省、東は四川省、南東は雲南省と隣接し、南部と西部はそれぞれミャンマー、インド、ブータン、ネパールなどの国に接している。面積は国土総面積の12.8%の122万平方キロで、国境線が約4000キロと長い。新中国(1949年成立)の切手のなかには数多くのチベットの美しい景観をテーマとしたものがある。

ポタラ宮はチベット自治区ラサ市の瑪布日(マブル)山の上にあり、サンスクリットではポタラは「仏教の聖地」の意味である。伝えられるところによると、紀元7世紀に吐蕃王朝のソンチェン・カンポが唐代(618~907年)の文成姫を迎えるためにここに宮殿を築造させ、その後何度か拡充と修築の工事を行い、今日の規模となった。ポタラ宮には1300年の歴史があり、チベットに現存するもっとも完璧な古代宮殿式建築群であり、宮殿の主体建築物は13階建てで、高さ115㍍、東西の長さは360㍍で、南北の長さは約140㍍。石と木材からなる建築構造である。建築物群は紅宮と白宮からなり、紅宮は歴代ダライラマの霊塔殿、仏堂などが主要な建物で、白宮は歴代ダライラマの居住の地と政務をつかさどる場所で、昔のチベット農奴主の政教合一支配の中心でもあった。中には宮殿、仏堂、習経堂、寝宮、霊塔殿、庭などがある。宮殿の中には大量の貴重な文物が保存されており、約1万点のタンカや大量の経典の巻物、多羅樹に書かれた経典、甘珠爾(カンチュル)経、明代(1368~1644年)以来ダライラマに封じた金冊、玉冊、金印などが含まれ、歴史上のチベット地方政府と中央政府の所属関係を物語るものである。ポタラ宮は山の形に沿って建てられ、楼閣が重なりあっている。宮殿は高く聳える雄大なスケールの存在である。チベット式建築物の特色と漢民族の文化と融合した風格をそなえ、中国建築史上で独自の一派をなすもので、歴史、文化、科学の面で研究価値があり、「世界の屋根の光り輝く真珠」と称されている。ポタラ宮はまたユネスコによって世界文化遺産リストに組み入れられている。元の郵(便)電(信)部は1952年3月15日に『チベットの平和解放』というテーマの記念切手を発行した。4枚1セットで、そのうちの面額価値旧貨幣400元(4-1)のものと800元(4-3)のものはいずれもポタラ宮の全景をプリントしたもの。(4-2)800元と(4-4)1000元はチベットの農民がヤクを駆って農作業をしているところ。

郵(便)電(信)部は1961年11月25日に『チベット人民の新しい生活』というテーマのスペシャル版の切手を発行した。5枚1セットで、それぞれ(5-1)4分 翻身曲(立ち上がった人々)、(5-2)8分 幸せの種を蒔く(播種)、(5-3)10分 豊作を祝う、(5-4)20分 かつての奴隷が今日の人民代表に(民主生活)、(5-5)30分 幸せな新世代である。

チベット自治区成立20周年を記念するため、郵(便)電(信)部は1985年9月1日に『チベット自治区成立20周年』というテーマの記念切手を発行した。3枚1セットで、それぞれ(3-1)8分 興旺(繁栄)、(3-2)10分 歓慶(喜び祝う)、(3-3)20分 豊作というサブ・テーマがついている。

 

チベット自治区成立40周年を記念するため、郵(便)電(信)部は1991年5月23日に『チベットの平和解放40周年』というテーマの記念切手を発行した。2枚1セットで、それぞれ(2-1)25分 歌舞(歌と踊り)、(2-2)50分 金橋(金の橋)である。同じ日さらに同じテーマ、額面2元の小型シート 歓慶(喜び祝う)を発行した。

 

チベットには悠久な歴史と輝かしい文化、大量の珍しい文物や名勝旧跡がある。その中の多くはポタラ宮とチベット博物館に収蔵されており、国のA 級文物だけでも22点ある。これらの文物はチベットの宗教文化と雪に覆われた高原で暮らしている人々の生活を反映する側面を有する。国家郵政局は1995年9月1日に『チベットの文物』というテーマのスペシャル版の切手を発行した。4枚1セットで、(4-1)20分 陶缶、(4-2)30分 宝冑、(4-3)50分 天体運行図、(4-4)100分 真珠曼荼羅からなる。

 

青蔵鉄道は青海省の西寧からチベット自治区のラサに至る鉄道で、総延長は1956キロ。世界で最も海抜の高い、最も延長距離の長い高原の鉄道である。唐古拉(タングラ)山を超える最高地帯の海抜は5072メートルに達し、全線には海抜4000メートル以上の地帯が960キロもあり、永久凍土地帯も550キロ以上に及び、世界で最も劣悪な気候条件の地帯を走る鉄道といわれている。この鉄道は西部大開発のメルクマークとしてのプロジェクトで、青海省とチベット自治区の経済と社会の発展、民族間の団結の促進、各民族に富をもたらすうえで重要な意義を持つものである。現在、第一期工事(西寧=コルムド区間)はすでに貨物と旅客の輸送を始めている。この鉄道の着工を記念するために、国家郵政局は2001年12月29日に『青蔵鉄道着工記念』というテーマの記念切手を発行した。額面8元の小型シートである。

チベット自治区成立40周年を記念するため、国家郵政局は今年8月26日に『チベット自治区成立40周年』というテーマの記念切手を発行することになっている。1枚セットで、80分ある。

「チャイナネット」2005/08/22

 

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