中国の性別平等と婦女発展の状況


九、婦女権益の法的保障



国が婦女の合法的権益を保障する法体系はたえず健全になっている。10年来、中国は相次いで婚姻法、人口と計画出産法、農村土地請負法、婦女権益保障法などの法律を制定、改正し、母子保健法実施規則など婦女の権益保障と関係ある法規と規則を100余件公布、実施した。

婦女の権益を保障する社会化権利保護メカニズムをちくじ構築する。国は19の部門からなる全国婦女児童権益保護協調グループを設立した。一部の裁判所は、もっぱら婦女権益保護にかかわる民事案件を審理する婦女権益保護法廷を設置した。婦女権益案件を審理する時、裁判所は婦女連合会など部門の人民陪審員を招いて関係案件の審理に直接参与させる。国は執法要員と司法要員に対し性別意識訓練を積極的に行い、司法要員に婦女の権利を保障する役割を発揮させている。国はまた女性司法要員の人数を増やし、比率を高めるのを重視している。2004年、中国の女性裁判官と女性検察官はそれぞれ裁判官総数と検察官総数の22.7%と21.7%を占め、それぞれ1995年より5.9%と5%増えた。

婦女の合法的権益を保障する法律援助と法制宣伝活動を繰り広げる。婦女の合法的権益を確実に保障するため、中国政府の関係部門は特別通達を出して、婦女の権益が侵害された事件の告発、上訴、摘発に対し、法律援助機構、弁護士事務所、公証機構、末端の法律サービス機構は互いに押し付け合ったりわけもなく遅らせたりしてはならず、貧しい女性当事者に対し法律サービス費用を適当に減免すると強調した。2003年から実施を始めた「法律援助条例」は、法律援助は政府の責任であり、貧しい公民は無料で法律援助を獲得することができると明確に規定しており、そのため、貧しい女性の権益が確実に保障されている。2004年末現在、中国各地に3023の政府所属法律援助機構が設置されている。そのほか、中国政府はまたNGOが婦女権利保護ホットラインを設け、法律相談センターを設立し、女性に法律援助と法律サービスを積極的に提供するのを支持している。中国で行われている第4回法律普及宣伝5カ年活動では、婦女権益保障法、労働法、婚姻法、人口と計画出産法、農村土地請負法など女性の権益と密接な関係のある法律は宣伝の重点的内容になっている。

女性に対する暴力に反対するとともに、確実な措置をとってそれを解決する。中国の刑法、刑事訴訟法、民法通則、婚姻法、婦女権益保障法などの法律は、いかなる人がいかなる方式で女性に対し暴力を振るうことをも禁止している。家庭内で暴力を振るう者に対しては、法律と司法の実施の中で、暴力による侵害の程度に基づいて、相応な民事、刑事責任を追及し、被害者に司法救助を積極的に与えることを強調している。ここ数年来、一部の地方は家庭内暴力反対の地方的法規を制定した。2004年末現在、全国で22の省(自治区、直轄市)は関係条例、意見または規則を制定した。そのほか、中国政府はまたNGOと積極的に協力して、関与プロジェクトを実施し、宣伝、教育、訓練を大いに行い、警察通報センター、負傷鑑定センター、女性救助ステーションを設立し、家庭内暴力反対ホットラインを開通して、被害女性に相談、保護、医療、心理援助など多種のサービスを提供している。

女性を誘拐して売り飛ばす犯罪行為を厳しく取り締まる。1997年に中国刑法を改正した時、女性を誘拐して売り飛ばし、その女性を買い取る罪名を特に改正、増設し、犯罪の量刑基準を高めた。最高人民法院は司法解釈を制定し、関係法律条項をいっそう執行しやすいようにした。ここ数年来、全国の公安機関は女性と子供を誘拐して売り飛ばす犯罪を取り締まる特別行動を連続して行い、救出された女性と子供のために護送・育成訓練・リハビリセンターを設立し、著しい効果をあげている。同時に、公安機関と司法機関は女性と子供を誘拐して売り飛ばす犯罪の取締りを国際協力の重要な領域に確定し、関係国と二国間警察協力取り決めと刑事司法協力条約を締結し、「女性と子供を誘拐し売り飛ばす犯罪を防止し、取り締まる」プロジェクトを共同で実施している。

法によって女性の犯人と犯罪容疑者の権利を保護する。国は男性と女性の犯人を別々に拘禁、管理し、女性犯人を女性人民警察が直接管理する制度を厳格に実行し、女性犯人が病気になった時は女性医者が診療し、女性犯人が未成年子女とともに祝日を過ごすのを許し、女性犯人に対し、その生理と心理の特徴に適する法制教育、教養教育、職業技術教育を行い、豊富多彩な文化スポーツ活動を展開している。