中国の性別平等と婦女発展の状況


六、女性と健康



中国政府は婦女の健康を性別平等と婦女発展を促進する優先的領域としている。10年来、国は「中華人民共和国母子保健法」、「中華人民共和国人口と計画出産法」などの法律を公布、実施し、婦女発展綱要の中で婦女の健康目標をかかげている。国は婦女子保健への資金投入をたえず増加し、婦女保健サービスネットワークをちくじ整備している。2004年末現在、都市と農村をカバーする婦女子保健機構は2997あり、全国の産婦人科のベッドは24万3000床ある。

生命周期各段階の婦女健康サービスの必要を満たし、女性の寿命を延ばすことを重視する。長年来、各クラス衛生部門は婦人科疾患の検査と治療を婦女保健の日常活動とし、全国では毎年三分の一以上の65歳未満の既婚女性は婦人科検査を受けることができ、2004年の検査率は37.3%であった。政府は青少年の健康と高齢女性の健康を重視し、各種の学校とコミュニティーで性知識とエイズ予防知識について宣伝と教育を大いに行い、若い女性の性健康知識レベルを高め、彼女たちの自己保護能力を増強し、多種の方法で科学的な保健方式を宣伝し、外来診察を通じて高齢女性に保健相談とサービスをより多く提供し、高齢女性の生活の質をわりに大きく高めている。2003年の女性の平均寿命は74歳であった。

妊産婦の死亡率を下げ、母親の安全を確保する。2000年から2001年にかけて、国は2億元を支出して378の国家クラス貧困県で「妊産婦の死亡率を下げ、新生児の破傷風をなくす」プロジェクトを実施した。2002年から2005年にかけて、中央財政とプロジェクト実施地区は4億元を支出して引き続き同プロジェクトを実施するとともに3億余の人口を抱える1000の県に拡大した。数年来、数十万の貧しい妊産婦はプロジェクトの支持の下で安全な助産サービスを受けた。そのほか、中国政府はまた郷(鎮)保健所の助産条件を積極的に改善し、妊産婦救急のグリーン通路を切り開くとか貧しい妊産婦を救助するなどの措置をとって、農村妊産婦の入院分娩率を高め、母親の安全状況を改善している。10年来、中国の妊産婦の死亡率は1995年の十万分の六十一・九から2004年の十万分の四十八・三へとちくじ低下した。

人を本とする計画出産優良サービスを積極的に展開し、女性が計画出産権を享有するのを保障する。1995年、中国政府は女性の生殖健康権を重視する立場から出発し、人を本とする計画出産優良サービス・プロジェクトを始動させ、出産適齢期の女性の必要を中心に、状況に応じて避妊方法を選択し、男性の生殖健康活動への参与を奨励するなどの活動を行い、また思春期の少女に生殖健康の相談サービスを提供した。10年来、同プロジェクトの経験は全国の800余りの県(市、区)で推し広められて、広範な女性の計画出産サービスの必要がいちだんと満たされ、女性の計画出産権が保護された。

流動女性に衛生保健サービスを提供し、彼女たちの健康福祉を保護する。都市と農村の流動人口のたえまない増加に伴い、国は公平に対処し、合理的に導き、管理を完全にし、優良なサービスを提供する原則にのっとって、戸籍のある人と同等の計画出産優遇政策と技術サービスを流動女性に提供するように努めている。婦女発展綱要は、流動妊産婦の保健を流入地の妊産婦保健範囲に組み入れることを強調している。各クラス政府の関係部門はコミュニティーが流動女性に衛生保健サービスを提供する形式を積極的に模索し、多種のルートを通じて性と生殖健康教育と相談サービスを提供し、流動女性に対し健康検査を行い、無料で避妊具を配り、貧しい流動妊産婦に無料サービスを提供し、流動女性の健康レベルを高めている。

エイズの予防と治療を強化し、女性のエイズ感染者に関心を寄せる。ここ数年来、国はエイズの予防と治療を非常に重視し、国務院にエイズ予防治療工作委員会を設立し、資金の投入を増やして、エイズの予防と治療の面で確実に成果をあげている。女性のHIV/AIDS感染がちくじ増加する状況を前にして、国はエイズの母子間伝染予防を婦女子保健の重要な内容とし、エイズの母子間伝染を遮断する専門家グループを設立して、エイズを予防し、無料で母子間の伝染を遮断し、陽性の妊婦とその生んだ嬰児に関心を寄せ、検査する活動を試行し、中国の国情にかなった関与の方式と経験を模索している。政府の関係部門はエイズ予防知識の宣伝とサービス活動を真剣に行い、コンドームの使用を普及させ、男性の参与度を高め、女性のエイズ感染率を下げるようにしている。2004年の世界エイズの日に、全国で「女性に関心を寄せ、エイズと闘おう」をテーマとする宣伝活動を行った。

NGOが各種の婦女保健プロジェクトを実施し、国際協力を幅広く展開するのを支持する。全国婦女連合会は「母親健康保護カー」などのプロジェクトを実施し、51のエイズ総合予防・治療モデル区で「エイズを予防し、一家の者の健康を守る」をテーマとする女性向けの「面と向って」の宣伝教育活動を行っている。中国計画出産協会は全国の大学と中学校・高校および流動青少年の中で同伴教育を主とする性病・エイズ予防プロジェクトを広く展開し、農村では女性の収入増加と婦女子保健・計画出産を結び付けて、女性の健康レベルの向上を効果的に促進している。ここ数年来、中国政府は国連人口基金(UNFPA)、国連児童基金(ユニセフ)、国連婦女発展基金、世界銀行、世界保健機関(WHO)、国連エイズ企画署などの国際機構と、婦女子保健、生殖健康と計画出産、エイズの予防・治療などの分野で幅広く協力を行い、著しい効果をあげている。商務部が管理、協調する外国の対中国援助資金のうち、三分の一以上が婦女子保健事業に用いられている。