中国の性別平等と婦女発展の状況


一、性別平等と婦女の発展を促進する国家メカニズム



中国はたえず婦女の権益を守る法体系を整備し、婦女発展綱要を制定、実施し、活動機構をいちだんと健全にし、資金の投入を増やし、社会動員を強化して、性別平等と婦女発展を促進するように努めている。

国はたえず婦女の権益を守る法律・法規の制定・改正・実施を強化し、婦女の合法的権益を確実に擁護する。全国人民代表大会とその常務委員会は中国の最高国家権力機関と立法機関として、婦女権益擁護と性別平等促進を重要な任務とし、婦女と関係ある法律の制定を重視し、婦女の合法的権益を守る議案を真剣に処理し、関係法律の執行と実施を積極的に督促、検査する。中国政府とその関係職能部門は、法律を実施し、関係行政法規と規則を制定、実施することによって、婦女の権益を保障し、性別平等を促進する。現在、中国では「中華人民共和国憲法」を基礎とし、「中華人民共和国婦女権益保障法」を主体とし、各種の単行法律・法規、地方的法規、政府各部門の行政規則を含む婦女の権益を保障し、性別平等を促進するまとまった法体系がすでに形成されている。国家司法機関はたえず法律執行を強化し、法によって婦女の権益を侵犯する各種の犯罪行為を制裁する。

国は婦女発展綱要を制定、実施し、婦女の発展を経済社会発展総体企画に組み入れている。中国婦女発展綱要は北京「行動綱領」を実施し、性別平等と婦女発展を全面的に推し進める国家行動計画である。「中国婦女発展綱要(1995―2000年)」の目標の基本的実現を踏まえて、国の経済と社会の協調的発展の必要および国連の「千年発展目標」の要求に適応するため、中国はまた2001年に「中国婦女発展綱要(200l―2010年)」を公布した。この綱要には、女性と経済、女性の政策決定と管理への参与、女性と教育、女性と健康、女性と法律、女性と環境の六大分野の34項目の主要目標と100項目の策略・措置が含まれている。国務院の関係部門と地方の各クラス政府は自部門の綱要実施案と自地区の婦女発展企画を制定した。

全国の婦女・児童工作を担当する中国政府の協調議事機構──国務院婦女児童工作委員会は、政府の関係部門が婦女と児童の権益を擁護する活動をりっぱに行うよう協調、推進し、婦女・児童発展綱要を制定、実施し、婦女・児童工作の展開と婦女・児童事業の発展に必要な人力、資金、物資を提供し、各省(自治区、直轄市)政府の婦女・児童工作委員会の活動を指導、督促、検査するなどの面で重要な役割を果たしている。今期の国務院婦女児童工作委員会の主任は国務院副総理の一人が担任し、委員会は国の33の部門によって構成され、委員は各参加部門の副部長クラス指導者の一人が担任する。現在、全国のすべての省(自治区、直轄市)、地区(市、州、盟)、県(市、区、旗)の人民政府に婦女児童活動機構が設置され、同クラス政府の責任者が指導している。各クラスの婦女児童工作委員会は効率的な活動制度をちくじ確立し、各職能部門が確実に職責を履行するよう督促、協調し、活動経費を同クラス政府の財政予算に組み入れている。

中国政府は婦女の発展と関係ある非政府組織(NGO)の役割の発揮を重視する。中華全国婦女連合会、中華全国総工会、中国共産主義青年団中央委員会、中国身体障害者連合会、中国科学技術協会などはいずれもその宗旨に基づいて効果的に性別平等活動を展開している。中華全国婦女連合会は中国最大の性別平等と婦女発展を促進するNGOであり、その組織システムは各クラスの地方婦女連合会と団体会員を含み、広範な代表性、大衆性、社会性をもっている。中華全国婦女連合会と地方の各クラス婦女連合会は、広範な女性と団結し、彼女たちが経済建設と社会発展に参与するように動員し、女性を代表して国家と社会の事務の民主的管理、民主的監督に参与し、婦女の権益を代表、擁護するなどの面で重要な役割を果たしている。ここ数年来、政府部門および婦女連合会などのNGOは協力して多種の活動を展開して、社会の資源を効果的に利用するようにし、これらの活動を通じて性別平等と婦女発展を力強く促進している。

中央と地方の財政は年ごとに婦女発展綱要実施への経費投入を増やし、婦女発展の資源的配置を最適化させている。2000年以来、中央と地方の財政は婦女発展綱要の重点的指標と難点のある指標の実現にかなりの資金を投じるとともに、西部と貧困地区への傾斜に気を配っている。1990年、国の婦女子保健と伝染病予防治療への投入はそれぞれ3億500万元と12億300万元であったが、1999年は10億4600万元と33億8800万元に増え、2003年は一歩進んで15億7900万元と90億5400万元に増えた。国は婦女状況に関するデータ収集と分析研究を重視し、綱要実施監督評価機構を設立し、綱要監督統計指標システムと評価案を制定し、各省(自治区、直轄市)は婦女状況監督統計ネットワークと活動制度をつくった。国の関係部門はたえず統計制度を改善し、性別に分けて統計する指標を増やし、性別統計制度を日増しに完全なものにしている。ここ10年来、国家統計部門は多種の性別統計資料を編集、出版した。

中国政府は国連および関係国際機構との協力を重視し、各国政府および女性組織との交流と協力を積極的に強化している。中国は国際条約を真剣に履行し、2000年5月は「中華人民共和国の1995年第4回世界女性大会の〈北京宣言〉、〈行動綱領〉実行の成果に関する報告」を、2004年2月は「〈女性に対するあらゆる形式の差別を取り除く条約〉の実施状況に関する第5回、第6回定期報告」を、2005年3月は「中華人民共和国の〈北京行動綱領〉(1995年)および第23回国連総会特別会議の成果文書(2000年)の実施状況に関する報告」をそれぞれ国連に提出した。