中国ではここ数年、漢方によるエイズウイルス予防・治療の研究が急速に進展している。知的財産権を取得した世界初の抗エイズウイルス漢方製剤「復方SH」がこのほど、タイでの販売許可を取得。さらに数種類の漢方薬が臨床試験段階に入っている。
中国中医研究院エイズ漢方予防治療センターの危剣安常務副主任は、エイズ対策に関するシンポジウムで「中国は1980年代から、タンザニアとの協力で漢方によるエイズ対策研究を進めており、(現地の)漢方エイズ対策基地では、患者の5年死亡率が36%から20%まで低下した。国内では2004年、漢方によるエイズ無償治療プロジェクトを5省で開始し、今年は対象地を11省に拡大した」と述べた。
「復方SH」は中国科学院(科学アカデミー)昆明植物研究所が開発したもので、100%天然成分で作られた製剤だ。厳しい臨床テストの結果、服用したヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者やエイズ患者の体内で、エイズウイルスの増殖が抑えられることが実証された。数種類の薬を併用する「カクテル療法」のようなマルチターゲット効果があり、「中国式カクテル療法」とも呼ばれる。現在、第3期臨床テストがすでに終了し、タイでの販売許可を取得した。
「人民網日本語版」2005年9月28日