「マスコット」という語彙はもともとフランスのプロバンス語の「Mascotto」を語源としたもので、19世紀末頃にようやく「Mascotte」のつづり方でフランス語の辞書に取り入れられたものである。英語の「Mascot」はフランス語の「Mascotte」から変遷してきたものである。マスコットというのは、吉祥やしあわせ、幸運をもたらす人や動物、品物などの意。
冬季オリンピック大会のためにデザインされた最初のマスコットは、1968年にフランスのグルノーブルで開催された第10回冬季オリンピック大会の「シュス」(Schuss)。スキー選手のアニメーションのイメージであるが、誇張された表現で頭や繊細であっても硬い体、強い意志をもつ精霊を象徴するものと見なされた。「Schuss」というのは、もともと「ハイスピードスキー」の意味であった。
夏季オリンピック大会のためにデザインされた最初のマスコットは1972年にドイツ連邦共和国のミュンヘンで開催された第20回オリンピック大会の「ウォルディ」(Waldi)。これはドイツのダックスフンド犬のイメージで、ドイツのバイエルン地方でよく見つけるものである。ダックスフンド犬の敏捷さ、辛抱強さ、強靭さという性格はスポーツ選手の品性を具現するものでもある。
「チャイナネット」 2005年11月