張壁

山西省介休市竜鳳鎮にある張壁という古いとりでは、隋の末年、劉武周が李世民(のちの唐の太宗皇帝)の軍に抵抗するため築造したもので、軍事、居住、生産、宗教行事などの機能を一体化した珍しいとりでである。

張壁は、三方を山に囲まれ、敵の攻撃から砦を守るうえで有利な立地環境に恵まれている。東から西へは374メートル、南から北へは244メートルの長方形状になっており、城壁の高さは5ないし7メートル。地上の守備工事のほか、長さ3000メートルの三層からなる地下道もあり、その攻撃を仕掛ける面でも安全性の面でもともにすぐれた細密的な設計からも、往時の人々の軍事面における知恵をうかがい知ることができる。

張壁では、多様な宗教信仰が並存しており、0.1平方キロにも達しないこの小さな城では、関帝廟(三国時代の関雲長を祭った廟)、道教の「真武殿」、「二朗廟」、仏教の「空王仏行宮」、「興隆寺」など、7箇所の宗教建築物があり、ほとんどは明代以前のものである。昔は、多民族の人々がここで暮らし、民家や民俗習慣から多民族が融合しあっていたことをうかがい知ることができる。

 

写真は張壁の最もユニークな通り。竜の頭の石の彫刻が施された砦の南城門は「竜の頭」と見なされ、門から南へと延びている道には、赤色のレンガが9列に敷詰められ、これは「竜の髭」とみなされている。また、城門から北へと延びる道は、「竜の胴体」と見なされ、清のころ、この道を「竜の胴体」にさらにふさわしいものにするため、その道の中央部に「竜の背中」を想像させる3列の赤色のレンガが敷詰められた。

 

写真は隋の頃に築造された地下道の入り口。

 

写真は張壁の城門。

 

写真は明の頃から保存されてきた瑠璃碑。

 

 

写真は関帝廟。

「チャイナネット」2006年1月


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