第6次五カ年計画(1981~1985年)

第6次五カ年計画(「六五」計画)の策定期は比較的長いものとなった。最初は「1976~1985国民経済発展十年計画綱要」草案の一部とし、1975年の「政府活動報告」の提議に基づいて策定に着手したものである。1980年2月に、国務院は中長期計画を新たに策定に取り組み、再び「六五」計画を検討、討議することを決定した。その後、国家計画委員会と関連部門は「六五」計画の策定をめぐり、大量の調査研究と測定・計算を行い、さらには専門家を招いて、科学的な論証を行った。1982年の全国計画会議では「六五」計画草案を重点として検討を重ねた。1982年12月、第5期全国人民代表大会第5回会議で「六五」計画が正式に採択され、さらに全国の人々に働きがけ、この計画目標を達成するため、奮闘する特別決議も承認された。

「中華人民共和国の国民経済と社会発展第6次五カ年計画」は中国共産党第12回大会で打ち出された、今世紀末までの経済建設の戦略的配置に基づいて策定されたものである。「一五」計画以来のかなり完璧な五カ年計画であり、調整の中で、国民経済を安定発展の健全な軌道に乗せるための五カ年計画であった。

「六五」計画の具体的要求は次の通りである。

①工農業総生産額は年平均4%の伸びとするが、実行の中で、5%の伸び率に達することを目指す。②消費財供給の量と質は社会購買力の伸びおよび消費構造の変化にほぼ適合するように努め、市場における物価水準の基本的な安定を保つ。③物資の消耗、とりわけエネルギー消費量を大いに減少させ、生産財の生産と消費財の生産の基本的なバランスを保つ。④既存の企業に対する技術改造を計画的かつ重点的に推し進め、省エネを主要な目標とする技術革新を幅広く繰り広げると同時に、必要な資金を集中し、エネルギー、交通などの重点分野の建設に力を入れ、第7次五カ年計画期の発展へのドッキングを円滑に進めるようにする。⑤全国の科学者・技術者を上手に組織し、科学の難関突破に参加させ、科学の成果を広範囲に応用する。教育・科学・文化事業の発展に努め、社会主義の物質文明と精神文明の建設を促進する。⑥国防の建設と国防工業の建設に力を入れ、国防・戦闘能力を強化する。⑦生産を発展させ、経済的効率を高め、資金を適当に集中し、国家財政収入を減少から増加に転換させ、経済の建設と文化の建設の支出を逐次に増やすよう努め、財政収支と貸付収支の基本的バランスを確保する。⑧経済貿易を拡大し、外資を効果的に利用し、国内建設の需要に応じて先進技術を導入し、国内の経済技術の発展を促進する。⑨人口の増加を厳しく抑制し、都市部の労働力の就業問題を適切に解決する。生産の発展と生産効率を高めた上、都市・農村の人々の物質生活と文化生活を引き続き改善する。⑩環境汚染の悪化を防ぐため、環境保護を強化する。

「六五」計画はきわめて注目すべき成果を収めた。一、国民経済が全面的かつ着実な成長を遂げた。工農業総生産額は年平均11%伸び、国民総生産は1985年に7780億元に達し、1980年に比べ、価格上昇の要素を除いて、年平均10%の成長となった。

第二に、重要製品の生産量が大幅に増えた。1985年と1980に比べ、粗鋼生産量は26.1%増、石炭は37.1%増、発電量は35.8%増、原油は17.9%増、食糧生産高は年平均21・4%増、綿花は92.8%増となった。

第三、基本建設と技術改造は大きな成果を収めた。全人民所有制部門の固定資産投資総額は5300億元に達し、新規増加固定資産は3800億元で、完工して操業に入った大・中型プロジェクトは496件、革新・改造された項目は20万件に上った。

第四、財政状況が年ごとに好転している。財政収入は年平均159億元増加し、毎年12%ずつ増え、財政収支のバランスが実現した。

第五、科学技術、教育、文化事業には繁栄が見られる。

第六、対外経済貿易と技術交流には新しい局面が切り開かれた。わが国の輸出額は世界的順位で1980年の28位から1984年の10位に上昇した。

第七、全国の住民収入は大幅に増加し、人々の生活も目に見えて改善された。

「六五」計画期において、国民経済発展の中にいくつかの難問と問題が現れた。特に「六五」計画の後半には、経済情勢は好転したが、固定資産投資規模が大きすぎ、消費基金があまりにも急激に増え、貨幣発行があまりにも多くなったため、経済の安定成長にマイナスの影響をもたらすことになった。

「チャイナネット」資料


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