今回の全人代では、各代表団は新農村の建設に注目している。
中国では7億5000万人の農民がいる。中国総人口の80%を占めている農民はわずか20%の富しか持っておらず、中国の都市部と農村部の貧富の差が大きいということが分かった。去年、中国は全国の農業税を廃止したことで、農民の負担はかなり減少した。第11次五カ年計画で、中国は「生産発展、生活富裕、郷風文明、村容整潔、管理民主」(生産の発展、生活のゆとり、文化的な気風、農村の環境整備、民主的な管理)という新農村の建設に力を入れていくことになっている。
山東省の農民代表は、自分の体験で新農村について話した。「新農村を建設するために、農民の収入増を計らなければならない。もともと、農民は広くない土地でわずかな農作物しか作れず、どうしてもお金にならない。私は現在、豚を飼育すると共に豚肉の加工工場を経営している。一頭の豚は数百元だが、現在自分の工場で加工し、一頭の豚肉は千元以上で売れる。だから、多角化農業の発展は非常に重要だと思う。でも、この多角化農業を経営するために農民は政府の指導が必要である」と語ると共に、もっと多くの農民を支援する政策を打ち出すよう呼びかけた。
中国南部の浙江省は古くからいい気候と地理条件に恵まれ、地元住民は豊かな生活を送っている。新農村について、同省の嘉興市の黄坤明市委員会書記は「嘉興市は都市部と農村部の一体化プロセス推進計画を進めている。現在、嘉興市の都市部住民と農民の収入の比率は、2:1である。これは嘉興市の調和の取れた発展にとって、よい比率だとも言える。新農村の建設は、前もって企画しなければならない。この地区の実情を十分に考えてから、その進む道を決めるべきである。」また、黄坤明書記は「現在、生活の裕福さが実現した嘉興市は、これから農民の質的向上に力を入れていく。知識を把握し、総合的に質が向上した農民こそ文化的な気風のある農村が建設でき、農村の民主的な管理を実現することができる。」と強調した。
重慶市第一中学校の代表である魯善坤さんは「新農村の建設には必ず教育を重視しなければなならない。今年、政府は九年間の義務教育実施を強化し、教育への投入も拡大した。これからの5年の努力を通じて、農村の教育情況は絶対改善されると信じている」と述べ、魯善坤さんは農村がその発展に必要な人材を自ら養成していくことを呼びかけた。
「CRI」より 2006年3月8日
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