今年の両大会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)では、内外企業所得税の一本化についての提案が大方の注目の的となっている。民主建国会中央委員会の『内外企業所得税制度一本化の早期実施』の提案は提出当初においても、全国政治協商会議の提案受付グループに今年の第1号提案と確定された。
全国人民代表大会代表、四川省資陽市政治協商会議の楊敏副主席も『企業所得税率の軽減及び統一した企業所得税法の制定に関する議案』を提出しており、この議案は、内外企業所得税を一本化し、税率を24%にする……という内容のものである。
中国政治協商会議委員、首都経済貿易大学の郝如玉副学長は、内外企業に対し二つの異なった税制を実施していることの弊害はますます顕著になっている。1つの国において、企業所得税が二本立てというのは、世界貿易機関(WTO)のルールに反すると同時に、当面世界各国の税制改革の潮流に合致したものでもない、と指摘している。
「市場原理では公平な競争が要求されており、公平な税制は公平な競争を保障する上で極めて重要なことである。既存の国内企業と外資系企業へのそれぞれ税率の異なった税制を実施していることは、本当の意味で国有企業が市場の主役になる面でマイナスとなるものであり、近代企業制度の確立においてもマイナスとなるものであり、国外企業と同じ条件の下での公平な競争ということにおいてもマイナスとなるものである」、と郝如玉副学長は語っている。
内外企業所得税の一本化の提案について、中国財政部の金人慶部長は、両大会の記者発表会において、財政部はこれについて早くからかなり成熟した案があり、またできるだけ早い時期に実施するよう検討を重ねており、これによる財政収入の減少分はその他の面の増収分で穴埋めするという考え方を示した。
企業所得税法についての提案は2006年に最初に審議する法律草案とされている。全国人民代表大会常務委員会の計画では、企業所得税法に関する提案は8月に第一回の審議が始まり、年末前に第3回の審議に入ることになっている。中国人民大学財政学部の張文春副主任は、改正『企業所得税法』は2007年の両大会の期間に全人代で採決されることが見込まれており、その実施は早くとも2008年になる、と言う見方を示している。
「チャイナネット」2006年3月9日