中日関係で難しい局面が続く中、日本に留学経験の有る全国政治協商会議の潘慶林委員(52歳)がこのほど、「中日関係はまだまだ交流が足りない」と、私的な意見を発表した(写真)。
天津出身の潘委員は、1985年から89年まで日本に留学した。当時の中日関係は、トップから民間に至るまで蜜月ムード。「新聞配達や掃除のアルバイトをしながら苦学したが、日本人の暖かさに感動した」と振り返る。夫人も、留学先で出会った日本人だ。
潘委員は「中日は距離が近く交流の歴史も長いが、非常に異なる国だ。日本に留学し、日本人と結婚した私が身をもって経験している」と話す。両国間で政冷経熱が指摘される今、「アジアの大国である中国と、経済大国の日本は、切っても切れない関係なのに、日中の意思疎通が、まだまだ不十分」と日々痛感する。
潘委員は10日、北京市内で中日の記者を招いた小規模な座談会を開き、中日関係の改善に向けた意見を発表した。内容は以下の通り。
(1) 中日関係が悪化している現在、どうやってこの難局を脱するかが、私たちの緊急課題である
(2) 両国の主流メディアに対し、お互いの良い面を多く報道するよう呼びかける。両国の有識者に、中日両国間の感情の交流がより創られるよう、呼びかける
(3) 中国人の日本に対する研究が、非常に不足している。半世紀前、中国の著名な学者戴季陶氏は、「日本は中国を解剖台の上に載せ、数百回、数千回と解剖した。しかし中国は日本というと嫌悪感を示すだけで、文章を書こうとすらしない」と述べた。歴史は繰り返している
(4) 在中国の日本人留学生と、中国の政治家の対話を行い、未来の中日の架け橋を築く
(5) 中日関係が一日も早く改善するために、中日双方はもっと多くの民間交流を進める
人民網日本語版 2006年3月13日