国務院新聞弁公室、「東トルキスタン」のテロ情勢を紹介

国務院新聞弁公室は1月21日に文章を発表し、豊富な資料と十分な事実に基づいて「東トルキスタン(中国語では『東突』)問題の原因や経緯について紹介し、「東トルキスタン」テロ勢力がここ数年、国内外でテロ活動に関与していることを明らかにし、テロリストに反対する中国政府の立場を再び明言した。

文章の内容は主に次のとおり。

長年にわたり、特に1990年以降、国内外の「東トルキスタン」勢力はいわゆる「東トルキスタン国」建国という目的の実現を目指して、中国の新疆ウイグル自治区や関係国で発生した、一連の爆破、暗殺、放火、毒物投入、襲撃などのテロ事件を計画、組織した。これにより中国の各民族の人々の生命と財産の安全および社会の安定に重大な危害を及ぼし、また関係国家・地域の安全と安定に脅威をもたらした。

6世紀に栄えた突厥(チュルク)は古代の遊牧民族の名称で、アルタイ山脈や中国北方の草原などの地帯で活躍していた。紀元552年、突厥は可汗(かかん)国を設立。その後、東西2つに分裂し、利権獲得のため争いが絶えなかった。8世紀中ごろ、東西突厥の可汗国は相次いで滅亡し、その後末裔はその他の民族と次第に融合していった。11世紀以降国外の一部の歴史書で使用された「突厥」という表現は、本来の突厥人に限定されず、アルタイ語系突厥語を話すすべての民族の総称であった。一部の人がいうようなすべての突厥人により構成された統一国家は、歴史上存在した事実はない。

新疆ウイグル自治区を分裂させ、支配するという目的を達成するために、古い植民地主義者は新疆を「東トルキスタン」と呼び、(これに対応して、中央アジア諸国は「西トルキスタン」と呼ばれる)、新疆は「東トルキスタン」人の庭であるという誤った説をねつ造している。

紀元前60年に漢朝が西域都護府を設置してから、新疆はずっと中国領土の一部分であり、その後も中央政権による新疆支配は続いた。しかし20世紀初頭以降、ごく一部の新疆分裂分子と宗教過激主義者は、古い植民地主義の説をゆがめた邪説に基づき、いわゆる「東トルキスタン理論」を捏造した。「東トルキスタンは古来より独立した国家であり、その民族には1万年近い歴史がある」と吹聴し、「突厥語を話し、イスラム教を信仰するすべての民族が連合し」、「政教統一国家を建設する」と唱え、中国の各民族が共同で築き上げた祖国の歴史を否定し、「突厥民族以外のあらゆる民族に反対しなければならない」、「異教徒を消滅させる」などと叫んでいる。

「東トルキスタン」理論が形成された後、様々な分裂分子は「東トルキスタン」の旗印とともに活動し、「東トルキスタン国」を打ち立てるという妄想の実現を企てている。

20世紀初頭から1940年代末まで、「東トルキスタン」勢力は外国勢力の支持を受けて、何度も動乱を繰り返した。

新疆ウイグル自治区が平和解放されてから、新疆の社会は安定し、経済は発展を続け、人々の生活は急速に改善された。しかし、「東トルキスタン」勢力は国際的な反中勢力のサポートを受け、分裂・破壊活動を行う機会をうかがっていた。1990年代に入ると、国内外の一部の「東トルキスタン」勢力はテロを主要な手段とする分裂・破壊活動へと転向した。一部の「東トルキスタン」組織は、テロにより分裂の目的を達成しなければならないと公言している。警察が摘発した「東トルキスタンイスラム党」、「東トルキスタン反対党」などの組織の綱領には、「武装闘争の道を歩み」、「人口が集中している地区で各種のテロ活動を行う」必要があると明言されている。

彼らが編集・印刷した小冊子「我々の独立に希望はあるか」では、犠牲を惜しまず幼稚園、病院、学校など公共の場所でテロを行わなければならない、とはばかることなく宣言している。

統計では、1990年から2001年までに、国内外の「東トルキスタン」テロ勢力は新疆ウイグル自治区で200件余りのテロ事件を起こし、各民族の人々、末端幹部、宗教関係者など162人を殺害し、440人以上に重軽傷を負わせた。

「東トルキスタン」テロ組織はここ数年、相次いでバザール、公共バス、ホテル、デパートなど人が集中する場所で罪のない一般市民を狙った爆破事件を起こしている。「東トルキスタン」テロ勢力は民族の団結を損なうことを目的に、漢族の人々に矛先を向けるだけではなく、ウイグル族幹部、一般大衆や国を愛する宗教関係者も標的とし、彼らを「異教徒」として殺害している。

「東トルキスタン」テロ勢力は幹部を養成し、テロ組織を拡大するために、新疆地域内、特に辺境地区で秘密裏に訓練基地を建設している。訓練内容は主に、宗教過激主義とテロリズム理論、爆破、暗殺などのテロ活動の技能、身体能力訓練などである。訓練だけでなく、武器、弾薬、爆破装置なども製造している。

「東トルキスタン」テロ勢力は国外でもテロ事件を起こしており、銃撃または爆弾で関係国にある中国大使館、領事館を襲撃し、中国の企業家、政府人員および外国の警察官を殺害している。

新疆ウイグル自治区内で発生した大多数のテロ事件は、国外の「東トルキスタン」組織による直接的な計画・指揮に、国内の一部の者が呼応して起こしたものであるということが、大量の証拠により明らかにされている。このように「東トルキスタン」テロ勢力は、国際テロ勢力と密接につながっている。

南アジアで活動する「東トルキスタン」テロ組織はビン・ラディンの多大なる支持を受けているだけではなく、またビン・ラディンのテロ勢力の重要な力にもなっている。ビン・ラディンは中央アジア、西アジアのテロ組織のリーダーと何度も秘密裏に、「東トルキスタン」テロ勢力が新疆で行う「聖戦」を援助し、中国の新疆に標準的な「イスラム」の政教統一国家を建国しなければならないと謀議した。ビン・ラディンのテロ勢力は「東トルキスタン」テロ勢力のために大量の活動資金や物資の援助を提供しただけではなく、さらに「東トルキスタン」テロ勢力のために直接人員を訓練した。訓練後、一部の「東トルキスタン」テロ勢力幹部は、秘密裏に中国国内にテロ組織を発展させるため派遣され、テロ活動を計画し、これに従事した。アフガンタリバン武装勢力に参加した者がいれば、ロシアのチェチェンのテロ勢力活動に参加した者もおり、また中央アジアのテロ活動に参加した者もいる。

各民族人民の生命・財産の安全および共同の利益を保護し、中国の新疆およびその周辺地区の安定を維持し、国家の統一、社会の安定、現代化建設を維持するために、中国は「東トルキスタン」テロ勢力が関与した暴力的なテロ活動を取り締まる。

「東トルキスタン」テロ勢力に対する中国政府の取り締まりは、ある民族やある宗教を対象としたものではなく、暴力的テロという犯罪活動に向けられたものであり、各民族の共同の利益をより保護し、正常な宗教活動の運営を保証するためである。

中国政府はいかなる形式のテロリズムにも反対し、反テロ問題におけるダブルスタンダードに反対する。「東トルキスタン」テロ勢力を放っておけば、傷つくのは中国と中国人民だけではない。全世界のすべての平和を愛する人々に対して、民族や宗教の壁を越えて、地域と国を区別せず、政治および社会制度の差異にかかわらず、「東トルキスタン」テロ勢力の本質およびそれがもたらす重大な危害を十分に認識し、共にそのテロ活動に対抗するよう呼びかける。

2002/01/23