中国国家発展改革委員会(発改委と略)は先般、中国のバイオ燃料産業における3段階発展のトータルプランを明らかにした。「十一・五」(第11次五カ年計画、2006年~2010年)期に技術の産業化を成し遂げ、「十二・五」(2011年~2015年)期には産業の規模化が加速し、2015年以降は急成長期に入る。
2020年までに、中国のバイオ燃料消費量は交通機関用燃料の約15%となり、国際競争力のあるバイオ燃料産業が形成されることが予想されている。
バイオ燃料はバイオ資源から生産される燃料アルコールやバイオディーゼル・オイルのことを指している。これまでのところ、発改委は再生可能エネルギー中長期発展計画の中で、2010年にバイオ燃料の年間石油代替量を200万トン、2020年には1000万トンにするとしている。
「バイオマス・エネルギー資源は、中国では石炭と石油に次ぐ第3のエネルギーで、全エネルギー消費量に占める割合は約15%となっている。唯一の輸送可能で備蓄もできる再生可能エネルギーであり、燃料として利用できれば、発電も可能である」、と中国科学院エネルギー研究所の呉創之常務副所長は話す。バイオマス・エネルギー資源は当面、主に発電、「エコガソリン」と「バイオ石油」への転化に用いられている。
呉創之常務副所長は、中国にはバイオマス・エネルギーとバイオ材料の規模化生産及び産業化の条件が完全に存在しており、2020年には生産規模が1兆元に達することも可能という見方を示した。
「3段階」目標を実現するため、発改委は次の4つの取り組みを急ぐよう提案している。
1、 利用可能土地資源の調査、評価及びエネルギーとなりうる作物の栽培計画。
2、 規模化の非穀物バイオ燃料モデルプロジェクトの立ち上げ。
3、 バイオ燃料流通システムと関連政策の整備。
4、 バイオ燃料技術の研究・開発及び産業システムの構築。
「チャイナネット」2006年4月30日