23年間にわたる根回し、前後して三十余稿の起草と論証を経た「人口と計画出産法」が2001年12月29日、第九期全国人民代表大会常務委員会第二十五回会議で表決、可決されるとともに、今年9月1日から正式に実施されることになった。これは社会主義現代化を目指す建設の大局と人々の切実な利益にかかわる大きな事柄であり、人々は極めて大きな関心を寄せている。
先般、国家計画出産委員会が開催した「人口と計画出産法」に関する座談会において、江亦曼国家計画出産委員会スポークスマンは、「人口と計画出産法」は法律の形で基本的国策の一つとしての計画出産の地位を確立し、国の現行出産政策を安定させるものであり、いかなる縮小もなければいかなる緩和もないと語った。江氏はこの法律のいくつかの特徴についてさらに次のように説明した。
現行の出産政策は安定を保ち、変わりはない
出産政策は国の計画出産計画の中核的内容であり、公民の出産行為を規範化させ、調節する基本的準則でもある。20世紀の80年代以来、中国では実施の中で効果をあげた出産政策をフルセットのものとして形成するとともに、それを堅持している。つまり一組の夫婦に子供一人ということを提唱し、確実に困難のあるものは計画的に二人目の子供をつくることができるというものである。少数民族も計画出産を実行しなければならない。「人口と計画出産法」はこれまでに国が計画出産の面で作り出したものと参考にした成功した経験を評価し、法律の形で国の現行の出産政策を安定させ、いかなる縮小もなければいかなる緩和もない。
(法律は一組の夫婦に子供一人ということが強制的に規定されるであろうというこの間流布されているうわさについて)法律では、「国は一組の夫婦に子供一人ということを提唱する」とされているが、多くの特定的な状況のもとでは、一組の夫婦に子供二人ということでもよいと規定されている。例えば、夫婦双方とも一人っ子である場合、多くの農村地区では家庭の労働力に対する必要を考えて、初めの子供が女の子であり、そしてすでに4歳を上回っている場合、一人っ子は非遺伝性障害児であり、正常な労働力に成長しえない場合、標高の高い地域と特殊な職種に勤務している場合は、国はいずれも二人目の子供を出産してもよいという政策をとっている。少数民族に対する出産政策は漢族よりさらに緩やかなものであり、一部の地区、例えばチベットでは計画出産についての規定さえ行っていない。
計画出産における公民の合法的権益とその保障を明確に規定
責任主体の権利と義務を決めることはいかなる立法にしても堅持しなければならない原則である。「人口と計画出産法」は公民の計画出産を実行する義務を規定しているばかりでなく、また多くの条項を設けて公民の計画出産の実施における享有すべき合法的権益を規定しており、その内訳は法による出産の権利、計画出産における男女平等の権利、計画出産の生殖保健情報を入手し、同教育を受ける権利、避妊・産児制限の技術と生殖保健サービスを獲得する権利、安全かつ効果的で、適切な避妊方法とサービスを知り、選ぶ権利、法律で規定されている諸項目の報奨、優遇、社会福祉を獲得し、および平等に発展する権利、計画出産の過程において人身と財産が侵害を受けない権利、法律の救済を獲得する権利など八つの側面からなるものである。
国は計画出産を実行する家庭に避妊薬・器具を提供し(主に農村向け)、子宮内に産児制限器具を挿入したり、それを取り出したりし、輸卵管結さつ手術を行い、自由意志による妊娠サービスの打ち切り、いくつかの安全についての検査を行うなどを含む計画出産に関する各種サービスを無料で提供する。
「人口と計画出産法」は国が総合的措置を講じて人口問題を解決する政策を具現するものであり、公民の合法権益を明らかにするほか、公民のみずからの合法的権益を守る方法と道筋を特に明確にし、公民の権益を保障するための国の各関係方面の責任をも規定するものである。政府にとっては、必ず事業発展のための経費の投入を確保しなければならず、同時に各クラスの政府は必ず計画出産を実行した家庭にさまざまな報奨、優遇およびさまざまな社会福祉を与える政策を実行に移し、計画出産と国の経済の発展、貧困脱却を助成する開発、婦人の地位の向上、教育などとをかたく結び付けなければならない。
超過出産世帯が社会養育費を上納し、超過出産者への罰金は取り消す
「人口と計画出産法」が公布される以前においては、一部の地区では超過出産者に罰金を含む形の異なった処罰を行ったことがあるが、これからはこうした法的根拠のない処罰は取り消されることになる。「中華人民共和国計画出産法」には、超過出産者は必ず社会養育費を上納しなければならず、社会養育費を上納してからはいかなる部門も超過出産世帯にそれ以上の制裁を行ってはならないと規定されている。
社会養育費は罰金ではなく、補償性、行政性、事業性の費用徴収であり、公民が経済面から担う法律上の結果である。それは国の公共投入に対する超過出産人口の占用を補完し、補償することに充てられるものである。
社会養育費の徴収基準については、現地の一人当たり収入の一定の比率に基づいて取り立てるべきであり、新たに公布した「人口と計画出産法」の中では、社会養育費に対し原則的な規定しか行わず、具体的な徴収の仕事は国務院が「社会養育費の徴収・管理方法」を制定して規範を与え、同時に取り立てられた資金は全部国の財政に上納されるため、計画出産管理部門と社会養育費徴収の仕事の間の利益関係は根本から断ち切られることになる。実質収入が現地の一人当たり収入のレベルを大幅に上回る一部の人びとに対しては、社会養育費を取り立てる時に具体的な状況に基づいて調整を行わなければならず、決して「金のあるものは子供をたくさんつくることができる」状況を作り出してはならない。超過出産の国家公務員に対しては、さらに法によって行政的処分を与えなければならない。
「チャイナネット」 2002年1月29日