北京紙「新京報」によると10日、北京市北西部、延慶県のホテルで、中国初の、農民の投資による映画「僕は警察官」の撮影開始セレモニーがあった。映画は、投資額80万元の低予算映画。これといったスターや有力者は関わっていないにもかかわらず、国内外から50以上の報道機関が取材に訪れた。
投資した耿録さんは、延慶県八里庄村の60代の農民。小さい頃から人民警察になるのが夢だった。長い間身を粉にして働き、小さな作業場を経営し、作物を植え、家畜も飼うなど、この頃は張りのある生活を送っている。それでも、「警察官になりたい」という夢は日々強くなっていった。去年から、耿さんは映画撮影を考え始め、友人の助けを借りて専門的な撮影会社も設立した。そして、大手撮影会社の中国電影集団の協力を取り付け、「僕は警察官」の撮影チームができあがった。
映画の脚本は、耿さんが特に、北京映画製作所で探した。脚本は辛苑子、監督は郭瀛江。同製作所が施設の提供と制作を担当する。作品は93分で、制作費は約80万元という。耿さんは一目で脚本を気に入った。脚本の主人公と、若い頃の自分が同じ理想を持っているからだという。
今回の撮影には、耿さん一家を「総動員」する。耿さんは、出品者と総合コーディネーター。このほか、自宅を、主人公の家として撮影する。耿さんの3人の孫も、学生として出演する。長男は撮影初日、悪役に扮し、自動車の窃盗犯を演じた。息子の2人の嫁は、教師を演じた。
耿さんは「映画の撮影はすべて延慶で行う。必ず延慶で先行上映し、住民に、地元の人が撮った映画を見てもらいたい。その上で、商業ベースでも公開し、映画館のつながりで全国上映したい」と話す。さらに「次は、私たち延慶の人たちの生活を撮影したいと思う。映画が出来上がれば、絶対に面白い自信がある」とも付け加えた。
自宅も重要な現場。撮影の合間をぬって、小道具のピストルを手に取る耿さん
監督の背後からモニターをのぞく耿さん
映画に出演した孫や甥と記念撮影する耿さん
「人民網日本語版」 2006年5月11日
