中国鉄鋼工業協会のまとめによると、統計対象となった大・中鉄鋼企業の第1四半期における鉄鋼生産トンあたりの総合エネルギー消費は668.35キロ標準炭相当で、昨年の同じ時期に比べて33.64キロ低下し、低下幅は4.79%となっている。鉄鋼生産トンあたりの比較可能エネルギー消費は632.9キロで、前年同時期比54.06キロ低下し、低下幅は7.87%。工程別のエネルギー消費から見ると、会員企業の第1四半期における製鉄エネルギー消費は25.86%低下し、転炉エネルギー消費は4.72%、電気炉は14.75%、圧延は7.36%の低下となっている。これと同時に、鉄鋼生産トンあたりの水消費量は6.85トンで、前年同時期比1.89トン低下し、低下幅は21.62%。これらの指標は、今年第1四半期において、中国の大・中企業の省エネ、節水の面で新たな進展が見られたことを示すものである。
指摘しなければならないのは、エネルギー原単位、用水原単位がトータルで低下している状況のもとで、大・中企業の第1四半期におけるエネルギー消費総量は4654.13万トン標準炭で、20.1%増となっている。鉄鋼生産トンあたりの電力消費は452.82キロワット時で、前年同期比8.76キロワットの上昇となり、上昇幅は1.97%で、業界全体において省エネ、節水の課題が依然としてかなり重いものであることが浮き彫りになっている。
鉄鋼工業は中国のエネルギー消費の最も多い業界で、企業のエネルギー消費は国全体の15.18%を占めている。現在、中国鉄鋼工業のエネルギー消費は世界先進レベルと比較して約20%の差が存在している。主に、産業集中度、プラントの大型化では先進諸国と比較して明らかな開きがあり、省エネ、環境保護関連の先進技術の普及率も低く、エネルギー資源の再利用率も低いなどがその理由であるとされている。
このため、専門家たちは、産業構造の最適化、科学・技術革新の推進、企業再編や立ち後れている生産能力の淘汰の加速、循環型経済の発展、経済成長方式の転換などこそ、省エネ、節水や資源有効利用率の向上、環境保護で大きな成果を挙げるキーポイントであるとしている。
「チャイナネット」2006年5月23日