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青蔵鉄道建設における環境保全の課題

青蔵鉄道の建設で、青蔵高原の環境への影響を効果的に抑えるため、着工を前にして、環境への影響に対し、きちんとフィジビリティー・スタディーを行った。予防を主とし、保護を優先させるという原則を貫き、鉄道の設計、建設、運営の中で、環境保護と生態整備を非常に重視し、相応の措置を取った。

(一) 高原、寒冷地帯の地表植生の保護

青蔵高原の独特な植生システムを保護するため、工事は状況に応じて多くの措置を取った。工事用の仮設道路、工事現場、土砂堆積場と建設者たちの露営地の選択も合理的に行い、工事の範囲以外の地区の植生が踏みにじられたり、破壊されたりしないように、工事の範囲と従業員、車の通行ルートを厳格に画定した。工事の範囲内の地表植生に対し、着工する前に、芝生を土がついたまま薄くはがして四角形に切って他の地区に移植して保護し、工事中または完工後に、再びその区間の路床の斜面または工事現場の地表に植えつけた。崑崙山以南の自然条件が許される地区では、工事の中に植生回復プロセスをも組み入れ、地元の高原草種のタネを播き、植生を栽培するやり方と、一部の地元にある芝生の根茎繁殖方式を利用して植生を再生させる方法を採用した。

(二)自然保護区と絶滅に瀕した珍しい野生動物資源の保護

青蔵鉄道沿線の自然保護区と野生動物の生息環境を保全するため、鉄道設計の中で、ココシリ、ツマル(楚瑪爾)河、ソチャ(索加)などの自然保護区テスト区を貫く区間に対し、数種の対策案を提出し、比較したうえで実施案を選定した。環境への影響を減らすため、工事の範囲はできるだけ線路両側の一定の範囲以内に限定した。クロクビヅル自然保護区を保護するため、チベットに入った後の線路工事のルートを羊八井に選定し、オグロヅル保護区を避けた。沿線に生息する野生動物の習性、移動の法則に基づいて、調査研究を行ったうえ、工事区間で野生動物の移動通路と牧畜、人間の通り道を作った。

(三) 高原湖沼、湿地生態システムへの保護

路床工事の地表溢流に対する阻隔と工事用の土砂堆積場が湿地を占用することで、湿地の生態機能の退化、湿地の萎縮を招かないように、設計の中で、鉄道レールの位置と土砂堆積場の取捨を十分に考慮し、場所はできるだけ湿地を避けることにした。どうしても避けようのない場合、湖沼、湿地に対し、橋、道路などを用いる対策案を比較した上、道路よりなるべく橋を選ぶ対策案を採用した。路床の建設で地表の渓流の切断による影響を避け、地表渓流の湿地に対する水資源の補充、湿地萎縮の防止をはかるため、それなりの区間に排水路を増設した。

(四) 高原凍土環境と沿線自然景観の保護

凍土環境の安定を保持し、沿線の原生自然景観に対する影響を避けるため、路床の埋め立てを行う際、表面植生の回復を配慮し、使用するかまたは捨て去る土砂の堆積場はできるだけ線路を遠く離れるところに集中的に設置することにした。掘削区間に路床の下に特別な保温材料を敷設すると同時に、凍結しても膨張しない土を入れ替え、路床に弊害が発生することを避け、路床両側の凍土層の安定性を確保することにした。

(五) 鉄道沿線の環境を保護するため、汚染物の排出を厳しく抑制

駅で排出される廃棄物が環境にもたらす影響を削減するため、高原ではなるべく駅の設置を少なくした。設置すべき駅には汚水処理施設を設け、その駅で発生した生活汚水を処理することにした。処理されて国家基準に達した水は地表水系へ直接排出せず、駅の周辺の緑化に使うことにした。駅に必要なエネルギーはできるだけ太陽光エネルギー、風力エネルギーを利用することにした。工事期間と運営期間に発生した各種ゴミは集中的に集め、定期的に高原の下の方にある都市ゴミ処理場で処理することにした。

「チャイナネット」資料

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