世界で海抜が最も高く、面積が最も広い青蔵(青海・チベット)高原には、数え切れないほどの雄大で神秘的な観光スポットが散りばめられている。営業を間近に控える青海・チベット鉄道は、真珠をヒモで貫くように、これらの観光スポットを一つのコースとして結んでいる。
神なる雰囲気に満ちた宗教・文化・芸術の旅
タール寺
酥油花を製作しているところ
タール寺:内外で広く知られている黄教の聖地・タール寺は西寧市湟中県の宗喀蓮花山にある。本殿と廟などの古い建築物が建ち並び、かなりの樹齢の樹木が高く聳え立っている。数百年前、ラサの「酥油花」(バター細工)芸術がタール寺に伝わり、僧侶たちの絶えることなき改良によりこの芸術の影響力もだんだん大きくなった。毎年の「元宵節」(旧暦の1月15日)になると、大掛かりな酥油花の展示会が行われる。タール寺の「三つの絶品」と見られる酥油花、壁画、堆繍(刺繍の一種)を目の前にして、さまざまな内容を含む奥深いチベット仏教の魅力に感嘆を禁じえない。
ポタラ宮
ポタラ宮:世界遺産に登録されたラサのポタラ宮は、雄大な外観を誇り、細部にも鮮やかな彩色画や華麗な彫刻が施されており、建築物の内部には、空間が迷宮のように曲折し、神秘色に溢れ、大量の精緻な壁画は、巨大な絵画芸術のギャラリーとさえいえる。ポタラ宮は、建築物の芸術と仏教芸術の博物館と見なされている。
昆侖山
昆侖山:「この世の仙境」と言われる昆侖道教の本山・昆侖山の玉虚峰と西王母瑤池は、昆侖神話の影響で、みずからのルーツを探ろうとする数多くの中華民族の子孫たちを引き付けている。
神秘的な雰囲気に溢れる高原文物遺跡を訪ねる旅
青海省楽都県の柳湾村には、黄河上流地域における最大の氏族社会の公共墓地・柳湾墓地があり、ここでは、大昔の絢爛多彩な彩色陶器が出土し、黄河上流の高原地帯でも早くから中華文明とのつながりがあったことを表している。
青海都蘭吐蕃の古墓群からは、近年、数多くのシルクなどの文物が出土され、西アジアへ通じるいまひとつのシルクロードの存在を裏づけている。
雪の高原の景観を満喫できる旅
ココシリ
中国最大の「無人地帯」ココシリは、海抜が平均4500メートル以上であり、いくつかの川が交錯し、湖沼がいたるところにある。チベットカモシカ、野生のヤク、野生のチベットロバなどの珍しい動物が生息しており、「動物の天国」と呼ばれている。
また、塩湖の奇観「万丈塩橋」、「鬼の都」と呼ばれる雅丹地形、6月も雪に見舞われる昆侖山、長江の源の沱沱川、果てしなく広がるチベット北部の草原、神なるナムツォ湖などはいずれも「生き物の生存に適さない地域」なりの心を震撼させる刺激をもたらしてくれる。
少数民族の風情を満喫できる旅
吉祥の祝福の気持ちが込められている純白のハダをチベット族の人々から贈られたり、深い友情が込められている芳醇なハダカムギのお酒を味わったり、聖なる山や湖を歌うチベットの歌を耳にしたり、楽しい雰囲気をたっぷりと醸し出すチベットの踊りを観賞したりして、悠久な歴史と絢爛たる文化を持つチベット族の人たちの習俗に、観光客たちは深くひきつけられ、帰ることを忘れてしまうほどである。
「チャイナネット」2006年6月27日