中国の環境保全(1996~2005)


三、重点地域の汚染除去



ここ数年来、中国政府は「三河」(淮河、遼河、海河)、「三湖」(太湖、滇池、巣湖)、国の重点工事(「三峡ダム」工事、南部の水を北部に引く「南水北調」工事)、「二つの抑制区」(二酸化硫黄抑制区と酸性雨抑制区)、「一市」(北京市)、「一海」(渤海)を全国汚染防除の重点地区とし、著しい成果をあげている。

――重点流域の水汚染防除。「三河」「三湖」の流域面積は81万平方キロに達し、全国の14の省(市)にまたがり、居住人口は3億6000万人である。国は重点流域の第9次五カ年計画と第10次五カ年計画(1996~2005年)の水汚染防除計画を制定、実施し、汚染物総量抑制制度を実行し、総量削減指標を汚染物排出企業に割り当てて実行させ、汚染物排出許可証管理方式をちくじ完全にするとともに、一部の重点整備プロジェクトを建設した。2005年末現在、重点流域水汚染防除の第10次五カ年計画に組み込まれた2130件のプロジェクトのうち、その65%を占める1378件がすでに完成した。「三河」「三湖」流域に建設されたかまたは建設中の汚水処理場は416カ所あり、1日あたりの処理能力は2093万トンである。流域内にある5000余社の重点的汚染企業のうち、80%以上が排出基準に達した。現在、その流域の水汚染物が大幅に減少し、水環境の悪化傾向が基本的に抑えられ、一部の河川の区間と湖の水質が著しく改善された。国は181億6700万元を投入し、三峡ダムサイトとその上流にあるいくつかの都市と町に汚水とゴミの処理施設を建設し、ダム底の固体廃棄物を除去し、ダムの水質の安全を確保している。

――「二つの抑制区」の汚染除去。1998年、中国政府の認可を経て画定された酸性雨抑制区と二酸化硫黄抑制区は27の省・自治区・直轄市の175の都市と地区にあり、総面積は約109万平方キロである。国はこの「二つの抑制区」内でエネルギー構造調整を行い、クリーン燃料と硫黄含有量の低い石炭の使用を推し広め、大中都市では民間の未加工石炭使用を禁止している。1998年と比べて、2005年の二酸化硫黄抑制区内の二酸化硫黄の年平均濃度が基準に達した都市の比率は32.8%から45.2%に上昇した。2005年の酸性雨抑制区内の二酸化硫黄の年平均濃度が国の3級基準を超えた都市の比率は15.7%から4.5%に低下した。

――北京市の大気汚染除去。1998年以来、北京市は連続して大気汚染抑制措置を実施している。天然ガス、電熱暖房、地熱ポンプ、建築の省エネなどのクリーンエネルギーの利用技術と省エネ技術がいちだんと推し広められ、2005年の北京市の天然ガス使用量は32億立方メートルに達し、都市の熱供給ネットが熱を集中的に供給する面積は1億平方メートルを超えた。自動車の排気ガスを厳しく管理し、使用中の自動車に対し環境保全標識管理を実施し、黄標車(排気ガス排出量が大きく、濃度が高く、排出安定性が低いため、黄色いラベルが貼ってある車)に対し制限措置をとり、旧い自動車を30余万台淘汰し、天然ガスを利用するバスを2800台使用している。2005年に国の第3段階の排出基準(ヨーロッパの三号基準に相当)を繰り上げて実施し、工事現場の環境保全基準を改正、整備し、建築現場管理、道路の機械による清掃、洗い流し、噴水による粉塵抑制作業に対する監督・検査を強化するとともに、市街区の100余社の汚染企業に対し閉鎖、操業停止、移転を実施し、全市のセメント立て窯の生産ラインにすべて操業を停止させた。積極的整備を経て、北京市の大気環境の質が2級と2級以上に達する日数は1998年の100日から2005年の234日に増え、各種大気汚染物の濃度が普遍的に低くなり、空気の質が著しく改善された。

――渤海の汚染除去。2001年、中国政府は「渤海碧海行動計画」を認可した。2005年末現在、各種の渤海汚染除去・環境保全プロジェクトが166件建設され、建設中のものは70件で、投資額は175億元に達した。そのうち、新たに建設された都市汚水処理場が44カ所あり、1日の汚水処理能力は355万3000トンに達した。新たに建設された都市ゴミ処理場が18カ所あり、1日のゴミ処理能力は7000トンを超える。新たに建設された生態農業、生態養殖プロジェクトは89件ある。船用埠頭と石油流出反応プロジェクトは新たに9件建設され、渤海海域の環境が引き続き悪化するすう勢は初歩的に抑制された。