中国は多くの政党をもつ国であり、執政党である中国共産党のほかに、民主党派と総称される8つの政党がある。各民主党派はその発足の時点から、中国共産党と多かれ少なかれ協力関係を結んできた。各民主党派は相次いで中国共産党の提起した中国人民政治協商会議開催の呼びかけに呼応し、1949年9月、中国共産党およびその他の民主人士とともに中国人民政治協商会議第1回全体会議に参加した。同会議において、臨時憲法の性格をもつ「共同綱領」が採択され、中央人民政府が選出され、中華人民共和国はここに誕生した。建国以来、民主諸党派は真剣に国の政治生活にかかわる重要問題の討議と決定に参与し、その代表的人物の多くは各級の人民代表大会代表、政治協商会議委員に選ばれている。各級の人民代表大会常務委員会、政協委員会、政府機関および経済、文化、教育、科学技術などの部門の中でも、多くの民主党派のメンバーが指導的ポストについている。中国の各民主党派は中国共産党と「長期共存、相互監督、肝胆相照らし、栄辱を共にし」、ともに社会主義事業に力を尽くす親密な友党であり、参政党であり、野党でもなく、反対党でもない。
●中国共産党 1921年7月に創立。現在の党員数は6000余万名。1921年から1949年にかけて、中国共産党は中国人民を指導して困難極まる闘争を続け、ついに帝国主義・封建主義・官僚資本主義の支配をくつがえし、中華人民共和国を樹立した。建国後、中国共産党は全国の各民族人民を指導して、国の独立と安全を守り、新民主主義から社会主義への転換を成功裏に実現し、計画的で大規模な社会主義建設を展開し、中国の経済・文化事業が史上かつてない大きな発展をとげた。
1997年9月、中国共産党は重要な歴史的意義をもつ第15回全国代表大会を開催した。第15回全国代表大会は、ケ小平理論を全党の指導思想と確立し、社会主義の初級段階における党の基本綱領を提出し、経済、政治、文化の発展の基本目標と基本政策を制定した。そして、今から次の世紀の最初の10年までは中国の現代化建設のカギとなる時期であり、経済体制と経済成長方式の根本的転換を積極的に推しすすめ、かなり完全な社会主義市場経済体制を確立し、国民経済の持続的で急速かつ健全な発展を保持し、次の世紀の半ばに現代化を基本的に実現するための確固たる基礎を築かなければならないと明確に指摘した。現在、中国共産党は全国人民を指導して、中国の特色をもつ社会主義を建設し、自らの最終目標共産主義を実現するために奮闘努力している。
中国共産党の最高指導機関は、党の全国代表大会(5年に1回開かれる)、およびそれによって選出される中央委員会(毎年総会が少なくとも1回開かれる)である。中央委員会総会は、中央政治局、中央政治局の常務委員会、中央委員会総書記を選出し、また中央書記処メンバーを決定する。中央政治局とその常務委員会は中央委員会総会の閉会期間、中央委員会の職権を行使する。中央書記処は中央政治局とその常務委員会の日常活動を処理する機構である。中央委員会総書記は責任をもって中央政治局会議、中央政治局常務委員会会議を招集し、また中央書記処の活動を主宰する。現在の中央委員会総書記は江沢民氏。
●中国国民党革命委員会 1948年1月に創立。現在のメンバー数は6万余名。現在の中央委員会主席は何魯麗氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として元国民党および国民党と歴史的つながりのある人たちである。
●中国民主同盟 1941年10月に創立。現在のメンバー数は14.4万余名。現在の中央委員会主席は丁石孫氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として上中層の知識人である。
●中国民主建国会 1945年12月に発足。現在のメンバー数は7.8万余名。現在の中央委員会主席は成思危氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として経済界の人たちおよび関係ある専門家、学者である。
●中国民主促進会 1945年12月に発足。現在のメンバー数は7.4万余名。現在の中央委員会主席は許嘉ろ(王へんに路)氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として教育、文化、科学研究、出版に従事している知識人である。
●中国農工民主党 1930年8月に発足。現在のメンバー数は7.4万余名。現在の中央委員会主席は蒋正華氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として医学・薬学・衛生界および科学技術・文化・教育界の知識人である。
●中国致公党 1925年10月に発足。現在のメンバー数は1.8万余名。現在の中央委員会主席は羅豪才氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として帰国華僑とその親族、および海外と関係のある代表的人士、専門家、学者である。
●九三学社 1944年12月に発足。現在のメンバー数は7.8万余名。現在の中央委員会主席は呉階平氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として科学技術・文化・教育界および医学・薬学・衛生界のハイレベルおよび中レベルの知識人である。
●台湾民主自治同盟 1947年11月に発足。現在のメンバー数は1800余名。現在の中央主席団主席は張克輝氏。構成メンバーと支持基盤となっている人たちは主として大陸部に居住している台湾省籍の人々である。
中国には多くの社会団体があるが、主なものは中華全国総工会、中華全国青年連合会、中華全国婦人連合会、中華全国工商業連合会である。
●中華全国総工会 中国の各地域の労働組合組織と産業別労働組合全国組織の最高指導機関。1925年5月に発足。現在、全国のメンバー数は8913万人。現在の執行委員会主席は尉健行氏。
●中華全国青年連合会 中国の各青年団体の連合組織。1949年5月に発足。現在の主席は孫金竜氏。全国青年連合会の団体会員の中で中国共産主義青年団がその核心的組織となっている。中国共産主義青年団は中国の先進的青年の大衆組織で、1922年5月に発足。現在の団員数は6871万人。現在の中央委員会書記処第一書記は周強氏。
●中華全国婦人連合会 中国各民族、各界の女性がさらなる解放をかちとるために連合してつくり上げた大衆団体。1949年4月に発足。現在の執行委員会主席は彭珮雲氏。
●中華全国工商業連合会 中国工商業界の大衆団体、内外連絡を行う民間のビジネス連合会。1953年10月に発足。現在の執行委員会主席は経叔平氏。