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論評:靖国参拝に見る誤った歴史観(1)

近年来、中日関係に困難な局面が現れ、両国人民はこれを懸念し、国際社会も関心を抱いている。胡錦涛国家主席は今年3月31日、日本の日中友好7団体の責任者と北京で会見した際に「このようになった責任は、中国側にはないし、日本人民にもない。問題は日本の一部の指導者がA級戦犯を祭る靖国神社への参拝を続け、中国人民を含む被害国人民の感情を傷つけ、中日関係の政治的基礎を損なったことにある」と明確に指摘した。(文:人民日報 国紀平)

胡主席は、中日関係の膠着局面を打開するには、まず日本の一部の指導者による靖国参拝の継続という、中日関係の改善に影響するやっかいな問題を除去しなければならないとの、中国政府の原則的立場を明らかにした。この原則的立場に従い、中国側は多方面にわたり努力してきた。

しかし日本の首相の身である小泉純一郎氏は、中国側の厳正な指摘と善意の忠告に少しも耳を貸さず、日本国内の民衆からの強い反対も、国際社会からの厳しい非難も、中日関係発展の大局も顧みず、「8月15日」という特別な日に再び公然と靖国神社を参拝したのである。これは戦争被害国の国民感情を再び深く傷つけただけでなく、暖かさを少し取り戻したばかりの中日関係に再び暗い影を投げかけた。彼はこの退任前の「花道」にすこぶる得意になっているようだが、実際は自分の政治家人生にまた1つ政治的汚点を増やしたに過ぎない。

(1)「中日共同声明」など3件の政治文書の遵守は、中日関係を改善・発展させる上での政治的基礎であり、その重要な内容の1つが、日本による歴史問題の適切な処理だ。かねてより中国は、日本の軍国主義時代の侵略の歴史を正しく認識し、対処することが、日本がアジア隣国および国際社会の信頼を得る必要条件であり、また中日間の避けて通ることのできない重大な原則問題であると考えてきた。しかし日本の小泉首相は中国政府の強い反対を顧みず、日本政府が歴史問題について示してきた厳粛な態度表明と約束を無視し、6年続けて靖国神社を参拝し、さらに参拝は「心から平和のため」「日本の文化、伝統であり、他者が干渉すべきでない」などと公言している。

靖国参拝問題は、果たして中国が針小棒大に扱っているのか、それとも日本の指導者が独断専行で誤った道を突き進んでいるのか。靖国神社そのものが、一番の答えだ。

1869年に建立された靖国神社は、第2次世界大戦の終結まで日本軍部の管轄下にあり、日本国民に「聖戦」への献身を呼びかける重要な場所であった。現在ここには明治維新以来の各戦争の戦没者だけでなく、東条英機を含む、極東国際軍事裁判で有罪となった14人のA級戦犯が祭られている。この14人のA級戦犯のうち、13人は直接的に中国侵略戦争に参加、または指揮した人物だ。また靖国神社に付設する遊就館は、戦犯の写真や遺品を陳列するばかりか、14人のA級戦犯が獄中で署名した日本国旗を展示し、解説に「日はまた昇る」と書いている。ここでは侵略は「進出」と呼ばれ、日本が発動した侵略戦争は「日本人が日本を守るために戦った戦争」であり、極東国際軍事裁判が戦犯に下した判決は「真実の歴史」の改ざん、「日本人の名誉、誇りと尊厳に対する犯罪」とされている。最近増刷した中国語と韓国語のパンフレットも、処刑された戦犯を、隠すことなく「昭和の英霊」と称している。

このような靖国神社、このような遊就館の、どこが日本人が霊を弔い、身内を追悼する殿堂なのか?歴史を歪曲し、正当な道理を踏みにじり、戦争犯罪人のために記念碑を打ち建て、その無実を訴えて魂を呼び戻す場所であることは明らかだ!

日本人の目からも、中国・韓国国民の目からも、靖国神社は普通の神社ではない。人類の重要な歴史への評価に直接関わり、第2次世界大戦の多くの被害国人民の感情に波紋を広げ、国際正義と公理の受容と転覆に関係する場所だ。従って、日本政府の指導者がここを参拝することは、単なる日本の内政ではなく、中日国交正常化の政治的基礎、日本の戦後復興の出発点、戦後国際秩序に関わる問題だ。同時に、それはすでに日本と中国の問題に止まらず、日本とアジアの戦争被害国、日本と国際社会の問題にもなっている。

「人民網日本語版」2006年8月16日

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