二〇〇一年度国民経済・社会発展計画の執行状況と二〇〇二年度国民経済・社会発展計画案についての報告
──国家発展計画委員会主任 曾培炎
 

(3月6日)

代表のみなさん

 ここに国務院の委託を受けて、二〇〇一年度国民経済・社会発展計画の執行状況と二〇〇二年度国民経済・社会発展計画案を大会に報告し、審議を求めるとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんからもご意見を求めたいと思う。

一 二〇〇一年度の国民経済と

    社会発展計画の執行状況

 二〇〇一年、全国各民族人民は中国共産党の指導の下に、第九期全国人民代表大会第四回会議で採択された国民経済と社会発展に関する諸決議に基づき、改革開放と現代化建設の事業を積極的に推進し、国民経済は高成長、高効率、低インフレの発展枠組みを維持した。国内総生産(GDP)は九兆五九三三億元を達成し、前年度比七・三%増となった。全社会の固定資産投資は三兆六八九八億元で、一二・一%増となった。市場価格は安定し、消費者物価の総体的水準は〇・七%上昇した。対外貿易の輸出入総額は五〇九八億ドルで七・五%増えた。財政収入は比較的速いテンポで伸び、財政赤字は予算目標内に抑えられた。金融は安定した運行を保ち、現金通貨流通純量は一〇三六億元であった。国際収支の状況は良好で、年末時点の国家外貨準備高は二一二二億ドルであった。都市部の登録失業率は三・六%、人口の自然増加率は六・九五‰であった。アジア太平洋経済協力会議(APEC)第九回非公式首脳会議などの重要な国際会議がわが国で成功裏に開催され、わが国が世界貿易機関(WTO)の正式な加盟国となり、北京市が二〇〇八年のオリンピック大会の主催権を獲得したことなどは、わが国の国際的地位がさらに向上し、国際事務における影響力が絶えず増大していることを示している。総じて見れば、二〇〇一年度の国民経済と社会発展の所期目標は基本的に達成され、第十次五ヵ年計画は幸先のよいスタートを切ったと言えよう。世界経済や国際貿易の成長が明らかに減速している状況の下で、わが国が経済発展と社会諸事業においてこのような成績をあげ得たのは確かに容易なことではない。これは、江沢民同志を中核とする党中央が全局を総体的に把握し、時勢をよく見極め、科学的な政策決定を行い、正しく指導した結果であり、各地区、各部門が「三つの代表」の要求に基づいて職責を果たし、着実に仕事に取り組んだ結果であり、全国官民が一体となって努力し、団結奮闘した結果でもある。

 (一)積極的な財政政策と穏健な通貨政策を堅持し、経済・社会発展の促進における国債資金の重要な役割を十分に発揮した。第九期全国人民代表大会第四回会議の承認を経て、二〇〇一年度は長期建設国債を一五〇〇億元発行し、それに承認を経て一九九八年度から二〇〇〇年度までに発行した国債を加えると、累計五一〇〇億元に達し、地方、部門、企業の関連資金や、銀行の貸付及びその他各方面の投資の増大を効果的に牽引し、国債利用プロジェクトの投資総額は三兆元近くに上った。これは経済成長の促進、経済構造の最適化、就業機会の増大、人民生活の改善、銀行資産の質的向上を進めるうえで極めて重要な役割を果たした。とりわけ力を集中して経済・社会発展の全局に関わり、長期的発展に重大な意義を持つ大事業を数多く成し遂げた。それは主に次のようなものである。大型河川・湖沼の堤防を三万キロ補強し、長江沿岸の移転住民のための町作りは二〇〇万人余りの規模に達し、貯水・排水面積を三〇〇〇平方キロメートル近く増加した。「五縦七横」の国道主幹線(南北五本、東西七本)と西部開発における八本のルートの建設を速め、自動車道路の開通距離数は累計二万五五〇〇キロ、そのうち高速道路が八〇〇〇キロで、これにより全国の高速道路は一万九〇〇〇キロに達し、世界第二位に躍進した。鉄道の新規敷設は四〇〇〇キロ、複線化は一九八八キロ、電化は一〇六三キロである。空港の新設、拡張は三七箇所。完工した国家食糧備蓄倉庫の容量は三五〇〇余万トンである。一八九五の県で農村部電力網の建設、改造を行った。ハイテクの産業化、大型重要装置製造の現地化、企業の技術改良などのプロジェクト二〇〇〇件近く、都市の給水、道路、ゴミ・汚水処理のプロジェクト約一〇〇〇件、各種学校の教学、実験および学生の生活施設にかかわるプロジェクト九三〇〇余件を建設している。各地区、各部門は国や人民に対する強い責任感を抱いて、国債資金と工事の質に対する管理を強め、資金の投入方向を正しく把握し、建設プロジェクトをきちんと選定し、基礎建設の手続きを厳しく履行し、前期作業を着実に進め、重要プロジェクトに対する監察を強化し、社会世論による監督をりっぱに行い、国債資金の合理的な運用と工事の質を力強く保証した。

(二)産業構造の調整を鋭意推進し、経済成長の資質と効率の向上を促進した。農業の分布は絶えず最適化に向かって進み、主要農産物の生産は次第に優位生産区へ移行、集中している。特別用途優良小麦と優良早稲の総栽培面積に占める割合はそれぞれ二五%と五〇%に達した。農業の産業化経営は積極的に推進されている。牧畜・水産業は安定した成長を呈している。工業構造の調整は新たな進捗をとげ、ハイテク産業は急テンポで進み、電子情報製品関連の製造業の伸び率は二八%に上った。企業の技術改良はいっそう強化され、更新、改造に用いられた投資は一五・三%伸び、投資全体の伸び率より三・二ポイント高くなっている。冶金、紡績、軽工業などの業種における高付加価値製品のウェートは向上した。都市の軌道系交通施設、五〇〇キロボルト直流送電、環境保護など大型重要装置の自主開発・製造能力は増強した。立ち遅れた工業生産能力の淘汰、過剰な工業生産能力の圧縮は成果を収め、石炭業は全般的な黒字転換を実現した。第三次産業は好調な伸びを示し、新興サービス業は活況を呈し、携帯電話の加入者総数は一億四四八〇万人で世界第一位となった。企業の経済効率は引き続き改善されている。一定の規模をもった工業企業の利潤は四六五七億元を達成し、八・一%増となった。工業企業の経済効率の総合指数は一二二・一で三・四ポイント上がった。

(三)国有企業の改革を中心とする諸般の改革は引き続き推進され、経済・社会発展の体制環境はさらに改善された。国有企業の株式制改革は逐次規範化され、特別困難な企業の改革と調整はいっそう強化された。独占業種の管理体制改革は進展し、電信・電話、電力、民間航空の改革案はすでに完成され、さらにその実施に乗り出している。中小企業を主体とする社会化された信用制度と信用保証システムは確立され始めている。社会保障システムの整備の歩調が速まっている。国有企業における定年引退・退職者の基本養老年金の期日通りの全額給付率は九九・九%、基本生活費を受領した一時帰休者の比率は九九・四%、定年引退・退職者の基本養老年金給付の社会化された比率は九七・八%に達した。遼寧省などの地方における社会保障システムの整備のテスト作業は順調な進展を見せている。東南部沿海などの食糧主要販売地区では食糧の買付市場と価格の統制が解除され、著しい効果を上げている。中央備蓄食糧の垂直管理体制は初歩的に打ち立てられた。綿花の買付は自由化され、その重点は市場秩序の規範化と品質監督・管理の強化に転じた。一部の商品とサービス価格をいっそう自由化し、積極的に価格決定の公聴会制度などの新しい価格管理方法を模索している。国内外市場の需給による石油の価格形成メカニズムは絶えず充実され、水道料金と公有住宅の家賃に関する改革は新たな進展を遂げた。

(四)末端と根本をともに治め、重点を際立たせ、市場経済秩序の整頓と規範化は段階的な成果を勝ち取った。思想教育の強化を法律・規律の引き締めと結び付け、全面的な整備を特定事件の取締りと結び付けることを堅持し、根源から市場経済秩序を整頓し、規範化させることに努めた。力を集中して、密輸犯罪や偽造品・粗悪品の製造・販売、輸出税還付の詐取、外貨の不法な国外への持ち出し、外貨のごまかしなどの特定事件に対する闘いを繰り広げた。商品市場、金融市場、建設市場および文化市場を整頓し、医薬品と医療サービスの価格、農村部の電気料金および農村部電力網改造の費用徴収などに対する特別検査を展開し、重要プロジェクトの入札に対する特別監察を行い、市場環境の浄化を促進した。

(五)開放型経済を鋭意発展させ、経済成長の空間を絶えず広げていった。国際貿易環境が不利な状態にあるにもかかわらず、貿易の輸出入は引き続き成長し、輸出総額は六・八%、輸入総額は八・二%伸びた。輸出品構成は引き続き改善され、機械・電子製品の輸出は一二・八%増、ハイ・ニューテク製品の輸出は二五・四%増であった。国内で至急必要とされる先進技術、カギとなる設備および欠乏している原材料の輸入はかなり迅速な伸びを保っている。外資導入の規模が拡大され、その質も向上している。通年の外商直接投資の実質導入額は史上最高水準の四六八億ドルに達し、一四・九%増となった。外商の集積回路(IC)、コンピュータ、通信製品などのハイテク項目への投資は増え、多国籍企業の対中投資大型プロジェクトも増加した。意欲的に国際経済協力に参与し、さらにまた一群の企業が海外へ進出して、事業を始めた。これは技術と設備の輸出を押し上げ、対外労務提携を促進するうえで積極的な役割を果たしている。

(六)計画を強化し、政策の充実化を図り、西部大開発は新たなステップを踏み出している。西部開発に関する第十次五ヵ年計画のマスタープランと人材開発十ヵ年計画を策定し、西部大開発支援の政策措置に関する意見を公布した。通年で中・西部地区に振り向けられた財政的建設資金は前年度を上回り、西部と中部地区の固定資産投資はそれぞれ一九・三%と一六・三%伸び、東部地区に比べてそれぞれ六ポイントと三ポイント高い値であった。二〇〇〇年度に着工した十大重要プロジェクトは順調に進展している。昨年度も相次いで一群の重点工事が着工し、建設された。それには次のようなものが含まれている。青海=チベット鉄道、電力の西部から東部への輸送プロジェクト、竜灘水力発電所、公伯峡水力発電所、百色水利センターとニルジ水利センター、「五縦七横」国道主幹線の中・西部地区内における重要区間、蘭州から成都を経由して重慶に至る石油輸送パイプライン、淮河臨淮崗洪水コントロール・プロジェクト、万家寨の黄河引水一期工事である。中・西部地区における耕地の林地への復元面積は三年間累計して一二四万ヘクタールに達し、造林に適した禿山・荒地の植林面積は一〇九万ヘクタールを達成した。西部におけるハイテク産業化の特別プロジェクトを立案、実行し、一群の優位資源の転換プロジェクトを助成した。西部の各省(自治区、直轄市)に対して省ごとに大学一校の建設を助成し、小・中・高等学校の老朽化した校舎の改造、貧困県の職業教育センター、貧困県の病院、採血所、末端の文化施設およびラジオ・テレビ受信範囲の拡大などのプロジェクト建設を実行して積極的な効果を収めた。

(七)科学技術・教育による国家振興戦略と持続可能な発展戦略をあくまでも堅持し、諸般の社会事業は全面的な発展を遂げた。基礎研究は重要な成果を収め、ハイテク研究は一部の分野で新たな突破を得た。わが国の科学者は率先してヒトゲノム計画における「中国の担当部分」の解読作業を完了し、初めて独自にイネゲノムの概略図とデータベースの構築を完成したため、わが国は生命科学分野の研究で先端をゆく世界の仲間入りを果たした。スーパー・サーバー曙光三〇〇〇の研究開発に成功し、その全般的機能は世界の先進的水準に達し、クラスター・システムは世界トップレベルに躍進した。なお一三四の開発型の科学技術研究院・研究所は企業化への体制転換を遂げた。教育事業の発展は加速している。資質教育は進展を見せた。「二つの基本」(九年制義務教育の基本的普及と青・壮年の非識字者の基本的一掃)基準達成の検査にパスした地域はさらに拡大した。教育への投入は引き続き増加している。一九九九年から大学生募集拡大政策を実行して以来、一般大学の在校生数は倍以上になった。大学の運営条件は絶えず改善され、大学における生活・サービス部門の社会化改革は実質的な一歩を踏み出した。

生態整備と環境保護にいっそう力を入れている。天然林資源保護、重点防護林システムの建設、北京・天津周辺における風砂発生源の防除対策、天然草原の復元と建設などの重点生態整備プロジェクトの進展は順調であった。三峡ダム地区における水汚染対策プロジェクトは全面的にスタートした。水土流失の改善面積を五三〇万ヘクタール新規増加した。工業汚染防除の成果は定着し、都市の環境総合整備対策は絶えず強化され、農村と鉱区の環境保護活動は積極的に展開されている。

文化・芸術や報道・出版、ラジオ・映画・テレビ、社会科学、計画出産、医療・衛生、スポーツと文化財保護など諸般の事業の発展は加速している。ラジオ・テレビの人口総合カバー率はそれぞれ九二・九%と九四・一%に達した。ケーブル・テレビのユーザーは八八〇三万世帯で、一一%伸びた。計画出産活動は引き続き強化された。都市部における職員・労働者基本医療保険制度、医療・衛生システムおよび医薬品生産・流通システムの改革に著しい進展が見られた。社会主義精神文明と民主・法制の建設は一段と強化されている。体育事業は勢い良く発展し、国内外の多くの試合において優れた成績を勝ち取り、全国民の健康維持・増進活動は一層広く展開された。

 (八)都市・農村住民の収入は引き続き増加し、人民大衆の生活はたえず改善されている。消費需要は持続的な成長を保ち、社会消費財の小売総額は三兆七五九五億元に達し、一〇・一%増となった。観光業のインフラ建設が強化され、観光収入は四九九五億元に達し、一〇・五%増えた。個人の住宅、自動車購入の消費は著しく増加している。都市部住民の一人当りの可処分所得及び農村住民一人当りの純収入の実質伸び率はそれぞれ八・五%と四・二%に達している。農村部の貧困人口は四〇〇万人減少した。都市部住民の最低生活保障制度のカバーエリアは明らかに拡大された。

われわれはこれらの成績を確認すると同時に、経済・社会生活面においてなおゆるがせにできない矛盾と問題がいくつか存在していることも冷静に見て取らなければならない。第一に、農民の収入は回復的増加の兆しを見せたが、基礎は依然として強固なものでなく、農民の収入の増加に不利な影響を及ぼす根源的な要因がまだ残されており、農民の収入増加を妨げる困難が増大していること。第二に、かなりの国有企業は自己の改革、メカニズムの転換、技術進歩及び現代的管理などの面において不十分な点がまだかなり多いこと。第三に、就業及び社会保障におけるプレッシャーが増大していること。昨年末までに国有企業ではまだ五〇〇万余りの一時帰休者が再就職を果たしておらず、全国の都市部登録失業人口は六八一万人に上っている。第四に、デフレ傾向がまだ完全に解消しておらず、昨年から経済成長率が四半期ごとに鈍化しつつあること。第五に、国有企業の固定資産投資の増加の内的メカニズムがまだ不健全であり、民間投資を取り巻く政策環境にはなお改善の必要があること。第六に、科学技術、教育への投入及び人材の構成が経済発展の需要に適応できず、生態環境の問題が依然としてかなり際立っており、持続可能な発展能力を引き続き増強すべきであること。第七に、輸出の増大において不確実な要因がかなり多いこと。第八に、市場経済秩序が依然としてかなり混乱していること、である。これらの問題に対して、われわれはいま積極的に対策を講じて真剣に解決しているところである。

二 二〇〇二年度の経済・社会発展の

規制目標と主要任務

 二〇〇二年はわが国の歴史において非常に重大な意義を持つ年であり、引き続き改革開放と現代化建設を前へ推し進める大事な年でもある。経済と社会の安定を保つため、われわれはケ小平理論と党の第十五回大会の精神を指針として、江沢民同志の「七・一」重要講話と党の十五期五中全会、十五期六中全会の精神をよりいっそう着実に貫徹し、「三つの代表」の要求に従い、複雑で変化の多い世界の政治経済情勢を正しく把握し、前進途上における様々のリスクを防ぎ止め、幾多の困難を乗り越えていかなければならない。内需拡大の方針の実施を堅持し、引き続き改革を深化させ、開放を拡大し、構造調整を速め、市場経済秩序を整頓し、規範化させ、経済成長の質と効率の向上をはかり、国民経済の持続的でテンポの速い、健全な発展と社会の全面的進歩を促進する。精神文明の建設、民主・法制および党の建設を確実に強化して、政府の機能を転化させ、団結奮闘し、勤倹の精神で建国し、改革開放と現代化建設の新たな成果をもって党の第十六回大会の開催を迎える。二〇〇二年度国民経済と社会発展の主要な所期目標を次の通りに定める。

――経済成長率は七%前後とする。

 ――全社会の固定資産投資の伸び率は一〇%前後とする。

 ――住民消費者物価の総体的水準の上昇率を一%〜二%とする。

 ――対外貿易輸出入総額をいくらか増加させる。

――中央財政赤字は三〇九八億元以内に抑制する。

 ――広義のマネー・サプライ(M2)と狭義のマネー・サプライ(M1)の伸び率は一三%前後とする。現金通貨の流通量は一五〇〇億元以内に抑える。

 ――都市部の登録失業率は四・五%前後に抑える。

 ――人口の自然増加率は八‰以内に抑える。

 上述の目標を実現するには、次のような活動に力を入れなければならない。

 (一)農業と農村のインフラ建設を強化し、あらゆる方法を講じて農民の増収のための条件を作り出す。今年度、農民の収入が四%伸びるように努力しなければならない。引き続き農業のインフラ建設への投入を増やし、節水灌漑や人間・家畜の飲用水、郷村道路、農村の水力発電、メタンガスおよび牧草地の柵などの小・中型公益施設の建設を重点的に助成する。洪水防御・干ばつ防止、老朽化した危険なダム補強作業への投入の度合いを大きくする。農村における租税・費用徴収改革のモデルテストの範囲を約三分の一の省に拡大する。被災地区において引き続き農業租税・費用の減免を実行する。特別用途農産物基地の建設と組み合わせ、優良品種、特別用途品種、無公害農産物の発展に大いに力を入れ、農業の地域的配置を最適化し、耕地を確実に保護する。世界貿易機関(WTO)のルールに合致する措置を講じて、国の農業に対する支援保護システムを調整し、充実させ、農業科学技術への投入を増やし、農業生産者に対する助成方式の検討を急ぐ。種子プロジェクトや家畜・家禽の優良品種プロジェクトの建設を推し進め、優良品種の導入、繁殖育成およびその普及に力を入れる。農産物の品質基準と認証システム、検査測定システムと市場情報システムの建設を確実に強化する。特定の動物疫病の無発生地域の設立と家畜・家禽の疫病防除システムの整備を加速し、牧畜業の発展を促進する。農産物の加工業を発展させ、付加価値の増大をはかる。優れた企業や有力企業を助成し、先導企業を育成し、農業産業化の経営レベルを引き上げる。地方小都市における経済の総合的開発のモデルケースの建設にしっかり取り組む。開発型貧困扶助の方針を堅持し、多ルートを通して貧困扶助の投入を増やす。今年度、中央は財政的貧困扶助資金として一〇六億元を計上する。公共事業引き受けによる救済の規模を拡大し、貧困地区および少数民族地区のインフラ建設を強化し、その自己蓄積、自己発展の能力を向上させる。生存環境が劣悪で生態系の脆弱な貧困地区では、移住による貧困扶助プログラムの住民移転のテスト作業を立派に進める。

 (二)引き続き長期建設国債の運用・管理を立派に行い、経済の持続的で、テンポの速い成長を促進する。昨日、朱鎔基総理は政府活動報告の中で今年は積極的な財政政策と穏健な通貨政策の実行を堅持し、引き続き一五〇〇億元の長期建設国債を発行することを提言した。これは国民経済の持続的かつ安定した成長を達成し、デフレ傾向に歯止めをかける上で非常に必要なものである。目下、銀行の資金にゆとりがあり、金利レベルは比較的低く、市場価格は安定しており、重要製品の生産能力もかなり大きいので、長期建設国債を発行する条件は依然として備わっている。重要なポイントは投資の方向を正しく把握し、経済および社会の効率を重んじ、国債資金を適切に使用し、管理することである。今年の国債資金の使用は次の通りである。まず長江中・下流の主要堤防の補強や農村部電力網の改造、都市インフラ、中央直轄の食糧備蓄倉庫など建設中の国債利用プロジェクトを一日も早く完成させて使用を開始し、その効果を発揮させるように確保すること。次に、引き続き資金の投入を中・西部地区に傾斜させ、すでに着工した西部開発プロジェクトをうまく運営し、一群の必要なプロジェクトの新規着工に取り組むこと。それには、「西気東輸」(天然ガスの西部から東部への輸送)や渋北のガス田の開発、ゴルムド空港、「西電東送」(電力の西部から東部への輸送)の北ルート(山元発電所と黄河上流水力発電の電力を華北地区と山東省へ輸送する)、西部の国道主幹線と省クラスの自動車道路の重要区間などが含まれる。第三に、既存企業の技術改良を速め、計画に組み込まれた重要プロジェクトの着工と建設を適宜に進め、教育、医療・衛生、文化、公安・検察院・法院・司法への投入の度合いを大きくすること。「南水北調」(南方から北方への引水)に関する前期作業を急ぎ、その早期着工に努める。それと同時に、サービスの改善、ルートの開拓、分野の開放を通して、各種の経済主体のインフラおよび公益事業への投資を積極的に奨励し、誘導しなければならない。来年、再来年も適切な建設規模を保持できるように、項目の資金準備によく留意し、投資の持続的かつ安定した伸びを保持し、長期的発展のために良好な基礎を築かなければならない。省長責任制を堅持して、関連資金の確保に取り組み、重点を保証し、手抜かりのないようにする。プロジェクトに対する監査を立派に行い、資金管理を強化し、工事の質を確保しなければならない。

(三)就業機会を創出し、収入を増加させ、住民の消費能力を育成し、向上させる。就業問題を立派に解決することをさらに重要な課題として位置づけ、多方面で措置を講じて、今年の都市部の就業者数が去年より八〇〇万人前後増えるよう努力する。一つに、就業ルートを広げ、市場の参入機会を拡大し、参入のハードルを低くし、就業機会創出における非公有制経済や中小企業の役割を重点的に発揮させる。二つに、就業の受け皿を拡大し、比較的優位を持つ労働集約型産業を積極的に発展させ、第三次産業の発展を速め、都市部のコミュニティ・サービスを活性化させる。三つに、就業形態の多様化を図り、パートタイム、臨時雇用やフレックスタイムなどの柔軟かつ多様な就業形態を大いに推し広める。四つに、就業サービスを改善し、労働力の仲介組織と労働力市場を育成し、規範化させ、就業のサービスシステムを充実させ、職業の養成・訓練を強化し、労働者の就業と再就業能力を高める。就労や商売で都会へ流入する農民に対する制限を緩和する。就業の困難な社会的弱者については、就業の場を手配する場合に必要な配慮を与える。

都市・農村の住民わけても低所得層の収入増大に努める。引き続き「二つの確保」(国有企業一時帰休者の生活費と定年引退・退職者年金を期日通りに全額支給することを確保する)の活動を立派に行う。条件に合った都市部貧困住民を確実にあますところなく最低生活保障粋に組み入れる。都市部職員・労働者の基本養老保険制度、失業保険制度や基本医療保険制度の改革を積極的に推し進める。国有企業の収入配分制度を整備し、経営者の年俸制や職能給のモデルテストを行う。政府機関・事業体職員の基本給を適度に引き上げ、政府機関・事業体の定年引退・退職者の年金を増加する。

消費政策を整備し、消費環境を改善する。個人信用制度を確立し、健全化させ、消費者金融の規模を拡大し、リース消費など新たな消費方式を試行する。住民の住宅、自動車、電信、観光旅行、教育、文化、スポーツ、医療保険などの面における消費の拡大を奨励し、新たな消費ホットスポットを育成し、発展させる。

(四)「三化二改」のテンポを速め、工業全般の資質を高める。国民経済と社会の情報化を積極的に推進する。電子行政プログラムを実施する。公共情報データベースの構築を強化する。電子商取引に関する政策粋組みの制定、実施を急ぐ。電子商取引認定システム、企業や個人の信用情報データベースの構築を速める。情報セキュリティシステムの確立を急ぐ。 

引き続きハイテクの産業化を速める。新型電子素子、集積回路(IC)、ソフトウェア開発、光電素子、新素材、衛星の応用および現代漢方薬など重要な特定分野におけるハイテクの産業化を組織、実施する。デジタルテレビ標準体系の制定を急ぐ。新世代の高速ブロード・バンド情報通信網、第三世代(3G)のデジタル移動通信システム、ローカル線用小型飛行機、バイオテクノロジー産業、ラジオ・テレビ放送の衛星中継システム、現代的農業などの重要ハイテク・プロジェクトおよび重要科学プロジェクトを起動する。

大型重要装置の製造の現地化に力を入れる。重要プロジェクトに依拠し、カギとなる技術を重点的に導入することと自主的開発革新を通じて、大型重要装置の設計、製造やプラント化のレベルを向上させる。その重点は、ガスタービン、超高圧直流送電設備、六〇〇メガワット超臨界ユニット、大型石油化学プラント、大型船舶と船舶用関連設備、大型建設機械、数値制御工作機械のカギとなる部品である。

在来工業の再編・技術改良に力を入れる。市場需要を指針とし、ハイ・ニューテクと先進的かつ実用的な技術を積極的に導入し、一連の重点産業や中堅企業で技術改良を行い、製造業の集中度を高め、製品の開発能力を増強する。液化天然ガス、大型エチレンプロジェクト、リン・カリウム肥料、高効能低毒性農薬など、産業のグレード・アップを促進する若干の重要プロジェクトの建設を速める。燃料用エタノール、石炭液化プロジェクトの前期作業や建設を速め、大型・新型乾式法セメント生産ラインを建設し、新型建材のウェートを高める。差別化した機能的繊維など付加価値の高い製品を鋭意開発し、重点的に紡績製品の染色後の仕上げ水準の向上をはかる。食品工業を導きとする農業・副業生産物の深度加工の特別示範事業を実施する。製紙用森林基地の建設を速め、森林工業と製紙業の一体化を推進する。引き続き経済や法律の手段を運用して過剰でかつ製品の質が劣り、資源を浪費し、環境を汚染し、安全施設を備えていない生産能力を圧縮し、淘汰する。

(五)経済体制の改革を深化させ、経済と社会の発展を目指して新たな原動力を付加する。国有企業の株式制改革を規範化し、コーポレート・ガバナンスの構造を健全化させる。一群の国際的競争力を持つ大手企業や企業グループを育成する。多様な形式をとって、国有中小企業の経営の多様化と活性化をはかる。企業の管理を強化、改善し、企業の情報化建設を推し進める。引き続き独占業種の管理体制改革を推進し、指導を強め、丹念に組織し、正常な生産、経営と職員の安定性を確保し、国有資産の流失を防ぐ。

 石油天然ガス、電信・電話、電力、民間航空などの業種における価格形成メカニズムを健全化し、都市・農村住民の生活に必要な電力供給については電力網・電気料金の同一化を全面的に推進する。水供給に関する価格形成メカニズムと汚水処理料金政策をよりいっそう充実させ、都市の生活ゴミ処理料金制を実行し、汚水、ゴミ処理の産業化を促進する。

現代的流通業が生産、消費を促進する役割を重視し、流通体制の改革を速め、物流システムを積極的に育成し、チェーン経営や物流・配送などの社会化、専門化したサービスシステムの発展に力を入れる。引き続き食糧流通体制の改革を深化させ、国有食糧購買・販売企業の改革テンポを速め、綿花流通体制の改革の諸政策措置を真剣に実施する。

 投・融資体制の改革を速め、企業投資に関するインセンティブ及び規制のメカニズムをできるだけ早く確立し、企業の出資で建設するプロジェクトについては、重要プロジェクトと特別な規定のあるものを除き、すべて企業が自主的に決定を下し、自らリスクを負うことになる。国有金融企業の経営メカニズムを充実させ、厳格なプロジェクト融資審査責任制を整備する。企業融資ルートを広げる方法を積極的に模索する。政府投資プロジェクトにおける意思決定の科学化、民主化レベルを引き上げ、政府の投資を立派に管理、運営する。

 (六)対外貿易や外資導入活動をしっかり行い、二つの資源、二つの市場をより効果的に利用する。世界貿易機関(WTO)加盟によって享受する権利を十分に活用し、公約を真剣に履行する。あらゆる方策を講じて輸出を拡大する。輸出税の払戻しメカニズムの改革と充実を急ぎ、生産企業の自営輸出と委託代理輸出について「免除、割引、払戻し」を全面的に実行する。輸出信用の規模を拡大し、輸出信用保険メカニズムを整備し、政策的性格を持つ金融部門の輸出に対するサポートの度合いを強める。通関手続を簡素化し、通関の効率を向上させる。引き続き輸出市場の多元化をはかり、伝統市場を強固にし、広げるかたわら、ロシア、東欧、ラテン・アメリカなどの新興市場の開拓にも力を注ぐ。引き続き対外貿易経営主体の多元化を積極的に促し、引き続き対外貿易体制の改革を深め、対外貿易の経営権に対する規制を緩和する。輸出方式の多元化の実現に努め、「海外進出」戦略の実施を意欲的に推し進め、条件の整った国内企業の国外での開発投資、工事請負を奨励し、それによって国内の設備、材料、労務の輸出とわが国の欠乏している商品、資源の輸入を促す。国内での至急必要とされ、カギとなる設備、技術、重要原材料の輸入を立派に行う。

 引き続き投資環境を改善し、先進技術、管理ノウハウ、優秀な人材の導入に力を入れ、外資利用規模の安定した伸びを確保し、外資利用の質と水準の向上に努める。外商の現代的農業、ハイテク産業、インフラ建設、西部大開発への投資と国有企業の再編・技術改良への参加を奨励する。段取りを踏み、サービス貿易などの分野での対外開放を推進する。引き続き国外からの優遇借款を立派に運用する。外債の管理方法を健全化し、外債によるリスクを防止する。

 (七)西部大開発を意欲的に推進し、地区間経済のバランスの取れた発展を促す。引き続き西部地区のインフラ建設と生態環境建設を強め、科学・技術教育を優先的に発展させ、特色のある産業の発展を速め、資源的優位の経済的優位への転換を促す。西部農村のインフラ建設の強化と、農民の生産・生活条件のさらなる改善を重要な位置に据え、次の項目の達成に努める。第一に、「アスファルト道路を県レベルまで普及させる」。つまりいまだに省都或いは地区(自治州)政府の所在地の都市につながるアスファルト道路のない西部地区の三つの自治州と二八一の県(建設兵団・農場)に対し、アスファルト自動車道路の敷設と道路整備を行う。その総建設規模は二万五〇〇〇キロとし、今年末に基本的に完工させる。第二に、「送配電は郷レベルまで普及させる」。送配電網に接続する条件を備えておらず、しかも電力の供給のない七八三の郷での電力需要問題の解決に力を入れ、多様な形をとり、地元の状況に即して小型の水力発電所や太陽エネルギーあるいは風力による発電を発展させる。第二期農村部電力網改造計画の実施を急ぎ、一年ぐらいの時間をかけて中・西部地区一九一六の県における農村部電力網の改造の任務を基本的に達成するように努める。第三に、「ラジオ・テレビを村まで普及させる」。引き続き村々までに通じるラジオ・テレビプロジェクトと「チベット・新疆プロジェクト」を推進し、新規に給電した行政村にラジオ・テレビの受信施設を設置し、もっと多くの農家でラジオ・テレビの視聴が可能となるようにする。第四に、「耕地の林地への復元作業を家庭単位とする」。家庭請負の形を取り、任務を各世帯に確実に分担させ、補助政策の実施を各世帯にまで具体的に実現させ、林地・草地関連の諸権限を各世帯にまで下ろして、林地復元プロジェクトを全面的にスタートさせる。今年度新規に復元する林地面積は二二七万ヘクタール、造林に適合する禿山や荒地の植林面積は二六六万ヘクタールである。

 西部地区人材開発十ヵ年計画と西部大開発をサポートする諸政策措置の貫徹を目指し、中央機関、東部地区と西部地区間の幹部の交流を強化し、養成・訓練活動を立派に行う。

 中部地区は、東西をつなぎ南北を縦断する地域的優位と総合的資源の優位を十分に発揮し、産業構造の調整と西部開発とを結び付けて、新たな経済成長ポイントと経済ベルト地帯を意欲的に培うべきである。中部地区の迅速な発展を促すために、基本建設投資と技術改良資金の計画・配分の面でサポートする。東部地区は産業構造を最適化し、よりいっそう対外志向型経済を発展させ、国際競争力の向上に力を入れ、中・西部地区との経済技術協力を強め、中・西部地区に対する輻射・牽引の役割をよりよく発揮させる。

(八)財政の支出構造を調整し、最適化させ、金融の経済成長を支える役割を発揮させる。租税の徴収・管理を強化し、財政収入の創出に大いに力を入れる。「まずは食べること、それから建設」という方針を真剣に貫き、財政の支出構造を合理的に調整し、最適化させ、支出管理を強め、あくまで勤倹建国を守り通し、節約の精神ですべての事業に取り組み、派手好みや浪費に断固として反対する。中央と地方の比例による所得税収入配分の制度を着実に実施する。全国の予算では財政歳入は一兆八〇一五億元、歳出は二兆一一一三億元とし、中央財政の赤字は三〇九八億元以内に抑える。

穏健な通貨政策の役割をよりよく発揮させ、金融の経済発展を支える度合いをさらに大きくする。国家全額出資の商業銀行は経営メカニズムの改革を積極的に推し進め、内部管理を強化しなければならない。融資構造を調整し、最適化させ、金融サービスの改善に力を入れ、国債利用プロジェクト対応の融資を確保する。小企業向け融資の信用保証システムを整備し、農村で小口融資を積極的かつ穏当に推し広める。引き続き証券市場を規範化し、発展させ、証券市場システムの建設を着実に推進し、企業債券発行の規模を適宜に拡大する。経済発展の資金に対する合理的な需要に即応させるため、貸付金利、公開市場操作、再割引など多種の通貨政策の役割をよりいっそう発揮させて、マネー・サプライを巧みに調節し、コントロールする。引き続き人民元の為替レートの安定を維持する。金融への監督・管理を適切に強化し、金融資産の質を高め、不良債権の比率を引き下げ、競争とリスク回避の能力を増強させる。

(九)科学技術・教育による国家振興と持続可能な発展のテンポを速め、社会諸事業を積極的に発展させる。科学技術の進歩と創造・革新を大いに推進する。科学技術への投入の度合いを大きくし、基礎研究、応用基礎研究および戦略的ハイテクに対する研究を強化し、自主的創造・革新の能力を高め、国家創造・革新システムの建設を立派に進める。超大規模集積回路(VLSI)とソフトウエア、機能ゲノムとバイオ・チップなどの重要かつカギとなる技術の難関突破および特定分野の産業化プロジェクトの実施を急ぐ。科学技術産業化のプロセスを速め、技術標準体系の建設を推し進める。コア技術で独自の知的所有権を形成し、また知的所有権の保護と管理を強化する。ベンチャーキャピタル・メカニズムと科学技術創造・革新のインセンティブ・メカニズムを確立し、健全化させる。哲学、社会科学を繁栄、発展させる。科学技術体制の改革をいっそう深化させ、部門・地方・大学・企業を連携させた科学技術管理システムを確立する。仕事と生活面で良好な条件を整え、国外のハイレベル人材を誘致し、留学人員が帰国して創業するよう励ます。

教育の適度に先取りした発展を堅持する。引き続き基礎教育を強化し、義務教育を着実に普及し、資質教育の実施に力を入れて取り組む。農村における義務教育の管理において、「県を主とする」という新体制を基本的に樹立し、義務教育への投入を確実に保障する。教育構造を調整し、最適化させ、一般高校の学生募集の規模を拡大し、経済・社会の発展に適応する各種人材の育成を速める。二〇〇二年度は、一般大学の学生を二七五万人、計画として大学院生を一九万六〇〇〇人募集する。貧困地区での義務教育プロジェクトの二期計画を立派に実施し、大学教育の第二期「二一一」プロジェクトを起動させる。一般大学、一般高校の学生募集規模を拡大するためのインフラ建設と小・中・高等学校の老朽化した校舎の改造などのプロジェクト建設に拍車をかける。貧困家庭の学生を経済面で援助する諸政策を実行に移し、完備させる。西部地区における大学の情報化プロジェクトを立派に実施し、教育情報化の建設を推し進める。

生態整備と環境保護を強化する。長江三峡ダム地区の水汚染や「南水北調」東ルートプロジェクトの沿線地区および渤海での汚染の防除を強化し、引き続き「三本の河」(淮河、海河、遼河)、「三つの湖」(太湖、巣湖、滇池)の汚染対策を立派に行い、黄河、松花江の水汚染防除計画の策定と同プロジェクトの前期作業を急ぐ。二酸化硫黄と酸性雨による汚染の防除に積極的に取り組み、鉱区における汚染対策と生態環境の回復をうまく行う。生態系、環境、資源と災害の総合モニタリング体制の建設を強化する。根源からの汚染防止を重んじ、クリーン生産を促進し、廃棄物のリサイクルを重視し、資源の消耗を減らす。『砂漠化防止法』を真剣に貫徹し、草木植栽と水土保持を重点とする生態環境の総合整備プロジェクトおよび天然林資源の保護プロジェクトを引き続き実施し、北京・天津周辺の風砂発生源地域の整備への投入を大きくし、砂漠化防止・整備計画の策定を急ぐ。天然草原の回復と建設のテンポを速める。重点地域の防護林システムと自然保護区の建設を強める。

精神文明の建設を強化し、文化、医療・衛生、スポーツ、ラジオ・映画・テレビ、報道・出版などの事業の全面的な進歩を促す。『公民道徳建設実施綱要』を真剣に貫徹、実行し、大衆的精神文明の創造・建設活動を深く繰り広げる。引き続き低水準の出生率を保ち、出生人口の資質を向上させる。末端の公的文化施設の建設を強化する。国家大劇場の建設と中国美術館の改造を速め、国家博物館と国家電子図書館の前期作業を立派に進める。文化財保護を強め、省クラスの重点博物館の建設をサポートする。「農村部における医療・衛生インフラの建設」、「漢方医病院・専門病院の建設」という特別計画を実行し、医療衛生面のサービス条件の改善に努める。国民の体質モニタリング体制を健全化させ、五輪招致の成功を契機として、全国民の健康維持・増進活動を促進する。

三 社会主義市場経済体制の完備と世界

  貿易機関(WTO)への加盟といった

  新たな情勢の要請に即応させ、引き

 続きマクロ経済の管理を改善する

市場の資源配置における基礎的な役割を十分に発揮させ、経済法則に基づき、国際慣行を考慮に入れて、政府機能を転換させ、マクロ規制を改善し、経済発展のために良好な環境を作り出す。

法制建設のテンポを速める。全国人民代表大会の立法計画を真剣に実行し、法律案の起草作業に取り組む。保険法の改正に力を注ぎ、独占禁止法を検討、起草し、放射性汚染防止法を全国人民代表大会に提出して、その審議を求める。社会主義市場経済の発展の要請に基づき、世界貿易機関(WTO)のルールとわが国の公約に従い、関連の行政法規、規定の制定と充実を急ぎ、地方の法規や規定および地方の規範として作成したその他の公文書の整理作業を積極的に推進する。市場経済秩序の整頓、規範化に関する行政法規、規定を引き続き検討し、制定する。法に基づいて行政をおこなうことを自覚を持って堅持し、厳格に法律・法規の定めた権限と手順にしたがって職権を行使する。

マクロ経済規制の手段を完備させる。政府は主要な力を真にマクロ規制や市場の監督・管理、法律の厳格な執行および公共サービスに置かなければならず、主に政策的指導、情報公表などの形を通じて経済を間接にコントロールし、ミクロ経済活動への直接干渉を減少させる。世界貿易機関(WTO)のルールで認められた手段を活用して市場需給を調節・規制する。重要商品の輸入割当と関税割当による管理を効果的に実行し、反ダンピング、関税相殺及びセーフガードなどの手段を充実させる。国際標準を参考にし、採用し、健康、安全、衛生、環境保全などの面における検査・検疫と疫病のモニタリングを立派に行う。

大幅に行政審査・認可を減らす。マクロ経済規制部門は機能の転換を速め、行政と企業の分離や行政と事業体の分離の要請に合致せず、市場開放と公正競争を妨げる行政審査・認可に対しては、断固としてこれを撤廃しなければならない。確かに保留する必要のある行政審査・認可事項に関しては、その審査・認可の権限を調整し、手続きを簡略化し、手順を規範化し、気風を一新し、効率を向上させ、透明度を高め、根本から腐敗を防ぐべきである。

市場需要に応じて総量均衡を保つ。重要商品の市場需給に対する監督・予測を強化し、経済手段をうまく運用して、総量規制を強化し、市場における総供給と総需要の基本的均衡を保たせる。予算と税収などの手段を利用して、財政の収支均衡を保証する。金利の手段を利用して、銀行の貸付資金の均衡を保証する。価格と物資備蓄などの手段を利用して、重要商品の需給均衡を確保する。

市場経済秩序を整頓し、規範化させる。医薬品、食品、精製油、危険な化学品などの重点市場に対する管理と整頓を強化する。複数の地域にまたがって行われる販売、投資への制限と封鎖を取り消し、禁じる。偽造・劣悪品を製造、販売する違法犯罪活動をよりいっそう厳しく取り締まり、人民大衆の生命や健康に重大な危害を与える偽造・劣悪品の製造・販売行為に対し、重点的に打撃を加える。さまざまの脱税、税金のごまかし、ネズミ講式販売、密輸などの違法犯罪活動を厳しく取り締まる。手形、証憑を偽造し、偽りの帳簿を作る等の違法行為を厳しく取り締まる。金融面での詐欺、不法な資金集め、相場操縦、インサイダー取引、銀行に対する下心をもった債務逃れや債務不履行等の行為を法に基づいて取り調べ、処分する。価格と料金徴収の特別整備を引き続き推し進める。価格の詐欺への闘いを重点として、価格面の不正競争行為を取り締まる。重要建設プロジェクトでの入札秩序を整頓し、規範化させる。良好な社会信用制度を確立する。重点業種における安全面での整備に力を入れ、安全に関わる重大事故の発生を抑える。

 代表のみなさん、今年の経済活動を立派に進めることは極めて困難であるが、重要な意義を有している。人民代表大会の監督と指導を自覚を持って受け入れ、人民政治協商会議の意見や提案を真剣に聴取することは、われわれが諸般の経済活動を立派に推し進める上で重要な保証となる。われわれは江沢民同志を中核とする党中央の周りによりいっそう緊密に団結し、ケ小平理論の偉大な旗印を高く掲げ、「三つの代表」の重要な思想を真剣に実践し、信念を固め、開拓進取に励み、刻苦奮闘し、着実に仕事に取り組んで、経済と社会発展の諸般任務の達成を目指して努力奮闘しよう。

 

 
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