日本の新首相となった安倍晋三氏が8日と9日、中国を訪問した。安倍首相にとって就任後初の海外訪問は、日本の首相としては5年ぶりの中国訪問となった。胡錦濤国家主席、呉邦国・全国人民代表大会(全人代)常務委員会委員長、温家宝国務院総理がそれぞれ安倍首相と会談した。今回の訪問は、両国関係の希望の窓を開き、行きづまった中日の政治関係を進展させることにつながった。中日両国の政治、経済、外交、文化など、各分野での交流・協力にとって良い影響をもたらすだろう。(新華社記者)
小泉純一郎前首相は過去約5年間にわたって、第二次世界大戦のA級戦犯を祭る靖国神社への参拝を頑固に貫き、中国13億人の感情をひどく傷つけ、中日関係の政治的基礎を損ない、これが両国の指導者の往来を途絶えさせることにつながった。安倍首相は就任後、さまざまな場において中日関係の発展を願う意志を表し、歴史問題についても積極的な態度を示してきた。また、第二次世界大戦中の植民地支配や侵略によって、多くの国々、特にアジアの国々に大きな損害と苦痛を与えたことを認め、極東国際軍事裁判の裁判結果を受け入れるとし、裁判結果に対して異議を示さなかった。中日双方は共同の努力によって、両国関係発展の政治的障害を克服し、両国の友好協力関係を促進させることで意見が一致、安倍首相の今回の訪中が実現した。中日関係が苦境から脱し、改善、発展するための希望の窓が開かれた。
今回の中日指導者による会談の主な成果の1つとして、中日双方が両国関係を改善させ、強めていくことの重要性について新たな意見の一致を得たことが挙げられる。両国は世界に大きな影響力のある国だ。中国は最大の発展途上国であり、国連安全保障理事会の常任理事国。日本は世界で最も発展した先進国の1つであり、G8(主要先進8カ国グループ)のメンバーだ。現在中国は日本にとって最大の貿易パートナーとなり、日本は中国にとって第三の貿易パートナーとなった。会談で中日両国は▽国交正常化以来34年間にわたり各分野での交流・協力関係が絶えず進められ、相互依存関係が深まり、中日関係が両国にとって最も重要な二国間関係の1つとなった▽中日関係の正常で安定した発展は、両国の利益に符合する▽アジアおよび世界の平和、安定、発展のために、共同で建設的な貢献をしていくことは、新時代における両国と両国関係にとっての重大な責任――との考えで一致した。また、両国の戦略的利益となる互恵関係を構築し、中日両国の平和共存、世々代々の友好、互恵協力、共同関係を実現することで合意した。両国は中日関係の重要な位置づけを確認し、関係を改善・発展させるという責任感を強め、両国関係の進むべき道を明確にした。これは中日関係の安定した、持続的発展に向けて強い動力を生み出すだろう。(つづく)
「人民網日本語版」2006年10月10日