ただし、環境保護において多国籍企業は中国企業よりも全体的に良いというのが1つの共通認識だ。リストを作成した馬氏は「多国籍企業の違反企業は30社余りあったが、これは2700社の違反企業から探し出したもので、残りの2600社以上の中国の違反企業と比べれば、多国籍企業はかなり少ない」と述べる。本紙の取材でも、取材したすべての多国籍企業が、すでに是正措置を講じたとしている。
しかし盧氏は「中国企業は能力上の制限から環境保護ができない面が大きいのに対し、多国籍企業はその意思があるかないかの問題だ。多国籍企業は業界のトップを走っているのだから、平均水準に止まるべきではない」と指摘する。
中国欧州連合商工会議所の、企業の社会責任に関するワーキングチームの代表は「多国籍企業は中国企業の環境保護水準の低さを言い訳にするべきでない。家電といえば、中国人はソニーを思い浮かべる。清涼飲料水といえば、コカコーラを思い浮かべる。中国人に信頼される国際企業として、より多くの責任を負わなければならない」と強調する。
環境保護局の職員は「中国市民が多国籍企業を監視することもとても重要だ」と指摘する。欧米の都市では、一部の生産部門は一般市民が認めなければ操業できない。市民のヒアリングや議会で否決される可能性も高い。中国にも現在、環境アセスメントや市民の関与はあるが、その力と幅にはまだ大きな隔たりがあるのだという。
「人民網日本語版」2006年10月30日