項懐誠部長、社会保障と給与支給の支出需要を確保
 

財政部の項懐誠部長が6日午前、第9期全国人民代表大会(全人代)第5回会議第2回会議で2001年度の中央と地方予算の執行状況および2002年度の中央と地方予算案について報告を行った。項懐誠部長は報告の中で社会保障と給与支給の支出需要の確保ついて次のように述べた。

ここ数年来、国は所得分配政策を適度に調整し、政府機関・事業体の職員の給与を逐年引き上げ、社会保障適用者への保障水準を高めた。給与調整政策が執行される過程で、一部の県、郷では幹部・職員の給与遅配現象も見られた。地方から報告されたデータの統計によると、2001年の年末まで、国家の統一政策によって決定された年度給与額のうち、地方のまだ支給されていない金額は合計で65億元にのぼり、給付すべき総額の1.8%を占めており、主として中・西部地区の県、郷の機関に見られる。地方の総合的財力から見ると、ここ数年地方レベルの財政収入の伸びはかなり速く、2001年度には前年度より1387億元増え、7793億元に達した。ただ、地区間の収入の伸びや省の下級に対する移転支出の度合いにバラツキがあり、さらに財政によって養う人員の数が過度に膨れ上がっているため、地方財政が給与遅配問題の解決に積極的に努力しているにもかかわらず、一部の県や郷の財政は期日通りに給与の全額支給を保証することはやはり困難な状態にある。ここ数年来、中央財政は地方に対する移転支出をかなり大幅に増やしており、1998年度から2001年度にかけて、中央から地方への補助支出は3321億元から6015億元に引き上げられ、年平均伸び率は21.9%となり、中央レベルの支出の年平均伸び率よりも5.2ポイント高い。2001年度、中央財政は諸方面の支出の圧力がかなり大きい状況の下で、給与支出にのみ充てる移転支出資金を892億元計上した。中・西部未発達地区における県、郷の給与支給の困難を緩和するため、中央財政はこれらの地区が1999年度以降の所得分配調整政策の執行に必要な財政支出の大部分あるいは全部を負担した。2001年十月に打ち出された行政事業体職員の増給政策については、沿海の9つの省(直轄市)を除いて、残りの22の省(自治区、直轄市)はいずれも中央財政が負担した。同時に、中央財政はさらに毎年50億元の予算回転資金を特別計上し、農業の占めるウェートの大きな省における季節的給与遅配問題の解決に振り向けた。

各級政府の共同努力の下で、2001年度県、郷の給与遅配問題はやや緩和され、一部の省では当年度「新たな遅配」を出さないことを保証し、さらに逐次2000年以前から「残された遅配」問題の解決に着手している。2002年度、われわれはいっそう仕事に取り組み、すべての県、郷で当年度の給与遅配問題がほぼ解決されるように一層力を入れる。

近年来、中央の政策決定を貫徹するため、中央財政は社会保障支出を大幅に増やした。2001年度、中央財政の社会保障関連支出は982億元を達成し、1998年度の5.18倍となった。そのうち、養老保険基金への補助支出は349億元、国有企業1時帰休者の基本生活保障への補助支出は136億元、都市部住民の最低生活保障への補助支出は23億元、全国の社会保障基金への補足支出は310億元、公務による死傷者への補償および社会福祉救済への支出は84億元であった。

2002年度中央財政は社会保障支出を860億元計上し(比較可能な基準から見ると、2001年度より28%増える)。そのうち、都市部における低所得者の基本生活保障問題を解決するため、国務院は、2002年度中央財政から都市部住民への最低生活保障の補助金をさらに増やすことを決定し、昨年度の23億元から46億元に引き上げることとした。2001年度企業の定年退職者の基本養老年金の基準が引き上げられ、支出が上昇したことや一時帰休者の規模などを考慮して、2002年度中央財政はひきつづき企業の養老年金補助支出と国有企業の一時帰休者補助支出を512億元計上する。それとともに、経済構造の調整を促進し、一部の国有企業の法による閉鎖・破産を支持するため、2002年度の中央財政は企業閉鎖・破産補助金として110億元を計上する。公務による死傷者への補償金や社会福祉救済費支出を96億元計上する。各レベルの地方財政は中央の政策を真剣に実施し、予算の編成にあたって社会保障支出のウェートを大いに高めなければならない。

政府機関・事業体職員の給与を期日通り全額支給するよう確保することは、各レベルの政府と財政部門の果たすべき職責である。中央は、2002年に政府機関・事業体の職員の基本給を引き続き適度に引き上げるとともに、政府機関・事業体の定年引退・退職者の年金もそれに応じて増やすよう要請した。それにより、中央財政は特別支出を118億元増やし、そのうち、95億元は地方の支出補助に充てる。地方末端の財政難の解決を支援するため、中央財政は移転支出をよりいっそう拡大し、給与支給に充てる移転支出の割合を高め、資金を積極的に調達して末端における季節的な給与遅配問題の解決を支援する。2002年度給与支給を目的とした中央財政からの移転支出資金は1180億元に達し、それを集中的に県・郷クラスの財政補助にあてるべきである。地方財政としても財政体制をさらに完備させ、とくに省から下級部門への移転支出を強化し、困難な状況にある県・郷の給与遅配問題の解決を確実に援助する必要がある。末端財政は予算を合理的に編成し、財政資金を何よりもまず国の定める学校教師の給与が県レベル財政で統一的に管理されるといった措置を引き続き完備させ、給与の正常な支給を保障できるメカニズムを逐次確立する。県・郷政府の機能転換を速め、機構の簡素化や人員の削減を着実に推し進め、県・郷の財政難を根本的に解決する条件を作り出す。

「人民網日本語版」2002年3月14日

 

 
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