今回の「二つの会議」の際、全国人民代表大会新疆ウイグル自治区(以下新疆と略称)代表団のアブラテ・アブドゥリシト主席は記者の取材の人気物となっている。3月8日午後、アブラテ・アブドゥリシト主席はついに時間をさいて、北京にある新疆事務所で小型記者会見を行い、会議に出席した内外の記者に新疆の経済の発展と社会の安定の問題について心おきなく所信を語った。
テロリズム反対について
アブラテ・アブドゥリシト主席は次のように述べた。20世紀に入ってから、国内外の情勢に複雑に入り組んだ変化が生じ、そのため、国内外の反動勢力およびそのテロ分裂活動も複雑に入り組み、めまぐるしく変わる情況を呈している。90年代に入ってから、党中央の正しい指導の下で、新疆は暴力テロ活動を取り締まる闘争の中で著しい成果をあげた。当面の新しい情勢の下で、新疆はテロ活動と分裂主義勢力を引き続き取り締まることになっている。
過去一年間における新疆の社会情勢は全般的に言えばすばらしいものであり、安定したものであり、自治区全域においては重大なテロ暴力行為は発生していない。しかし、一部の小さなテロ暴力行為は従来から停止したことがない。党中央と新疆の各クラス政府はすでに反テロ闘争の複雑性を十分に意識し、そのため、テロ活動と分裂分子に対する取締は長期的なものとなろう。
テロリストと分裂分子の新疆での活動については、2002年元旦、国務院の発表した「東トルキスタン」テロ勢力についての文書がすでに明らかにしているように、中国の解放後、特に新疆の解放以後、さまざまなテロ分裂活動がずっと発生している。特に20世紀90年代に入ってから、さまざまな暴力行為、暗殺行動が最も集中的に起こっている。この間に、新疆では合計200以上のテロ、暴力行為が発生している。テロリストは幹部、従業員を165人殺害し、400余人を負傷させた。
「テロリズム、分裂主義の取締は長期的な闘争である。われわれが「東トルキスタン」テロ勢力を取り締まるのはいかなる民族、いかなる宗教に対するものではなく、暴力テロの違法犯罪に対するものであり、各民族の共通の利益をよりよく守り、正常な宗教活動を保障するためである。昨年一年間に、新疆ウイグル自治区内のテロ暴力活動は一日も停止したことがない。中国は法に基づいて行政を行う国であり、国の安全と人民の利益に危害を加える暴力行為は法に基づいて処理しなければならない。
「新疆にアフガニスタンの反動組織に参加したものがいるかどうか」については、新疆の分裂分子は、国外から来たかそれとも国内のものかを問わず、いずれも国外の一部のテロ極端組織の物質的援助と資金的支持を得ており、特に新疆で発生した暴力行為は、なおさらに国外の反動分子の資金的援助を得たものである。「アメリカのアフガニスタンに対する反テロ闘争の間に、われわれは確かに一部の新疆分裂分子が訓練活動に参加したことを発見しており、中国の警察側はすでに一部のアフガニスタンおよびその他の国のテロ訓練場所で訓練を受けてからひそかに新疆に潜り込んだテロリストを逮捕している。関連国家の警察側もすでに中国側に一部のテロリストを引き渡している。
西部大開発について
西部大開発の過程において新疆の特色のある経済の企画と発展については、「西部大開発は新疆に天地をくつがえすような変化をもたらした」。
西部大開発の過程において、国は西部地区への資金投入、特にインフラ面への投入を大きくしている。昨年、国は新疆に700余万元の特別支出金を割り当てて、道路などのインフラ建設とタリム川流域の生態プロジェクトの建設にもっぱら用いた。
そのほかに、西部大開発の中で、新疆は経済構造に対する調整を増大させ、積極的に特色のある経済を発展させている。新疆は資源に恵まれ、農・畜産業の強みが際立っており、いかにして資源の強みを特色のある経済に変えるか。特色のある経済は主導的なものだと言うべきである。新疆の主要農作物例えば綿花の発展に対し、高品質の、低コストの方法の模索に力を入れなければならない。一部の天山の特色をもつ赤色食品シリーズ、例えば赤い大根、トマトなどの製品は、特色を発展させる面で極めて大きな強みがある。そのほかに、新疆は工業の面で特色のある道を発展させなければならない。「新疆は強みを発揮し、特色のある経済を発展させてこそはじめてみずからの道を探しあてることができる」。
地域間の協力
国の西部大開発計画がスタートした後、新疆とその他の省・直轄市との協力はかつてなく強化されている。まず香港との協力である。ここ数年、香港と新疆との貿易は日に日に頻繁になり、香港の業者の新疆への投資の度合いも次第に大きくなっている。改革開放以来、新疆の累計貿易額は28億4700万jで、そのうち外資利用額は24億7000万j、外国業者の直接投資は4億700万jで、香港の業者の投資は50%を占めている。新疆の500余社の外資企業の中で、香港の業者の企業は約50%以上を占めている。昨年新疆の輸出額は17億7000万jで、香港はそのうちの1億5000万jを占めた。そのほかに、西部大開発以来、香港の業者の経済視察団が新疆を頻繁に訪問し、現在、その投資の興味は観光、サービスなどの業種に集中している。
その次に、新疆と上海市との協力である。新疆と上海市との協力にはながい歴史があり、解放前の日用品の貿易から解放後の綿花、原料、工業製品の交流に至るまで、さらには上海の知識青年の辺境地区支援など、両地区の協力の規模がますます大きくなっている。「西部の天然ガスを東部へ送る」ということは経済、貿易などの分野でさまざまな協力をいちだんと強化することになっている。さいきんの両地区の協力プロジェクトには上海市企業家代表団の新疆訪問、両地区の人材の交流・育成訓練、加工企業の技術協力、プロジェクト協力などが含まれるようになっている。
「西部大開発は新疆の発展のためにかつてないチャンスをもたらすことになった。現在の新疆では、交通、エネルギー、通信、ハイテクの分野でいずれも日進月歩の変化が起こっている」。
WTO加盟後の挑戦とチャンス
中国のWTO加盟は改革開放の必要であり、市場経済をいっそう整備する必要であり、開放の拡大に役立ち、中国が全世界のそれぞれの分野の経済活動に参与することに役立つ。WTO加盟後において、新疆は次の三つの挑戦に直面している。
@ 企業。新疆は製品の競争力かそれともコストから見るかをとわず、大きな
ギャップがあり、挑戦を受け入れることは必要不可欠である。
A政府部門。WTOのルールに基づき、中国のWTO加盟は政府部門の仕事に対しより高い要求を提出し、いかにして政府の機能を合理的に変えるか。いかにして法に基づいて行政、市場行為を規範化させるか。これはいま一つの挑戦である。
B人材の面。新疆が必ず方法を考えて人材を引きとめ、人材を育成訓練し、人材を導入しなければならない。
「新疆にとって、いかにして資源の強みを経済の強みに変えるか、製品の品質を高めることが最も重要な仕事である。農業、工業についても、とどのつまり、発展を加速してこそはじめて市場の競争力を増やすことができる」。
そのほかに、第一は新疆のインフラ建設をいっそう大きくし、第二は石油ガスの資源を開発し、第三は特色のある農業を発展させ、第四は科学教育事業を発展させるという「第10次5カ年計画」の中の新疆の四つの目標について語った。
周辺との関係について
周知のように、新疆ウイグル自治区はカザフスタンと隣接している。カザフスタンとの関係については、カザフスタンは新疆の主要な貿易相手であり、新疆に通商窓口が16あり、そのうちカザフスタンに対するものは6を占める。新疆の輸出入額は17億7000jで、カザフスタンとの貿易額は9億j余りを占め、さらに昨年は11億jに達した。これをみても分かるように、カザフスタンと新疆とは親密な協力貿易パートナーシップの関係にある。
新疆のカザフ族は100余万の人口を擁し、カザフスタンの人たちと同じ言語を使っており、そのため、両地区間の交流と取り引き提携は長期的かつ友好的なものである。イリー川とリース川は新疆とカザフスタンの二本の公共河川であり、経済の発展と需要に従って、二本の河川に対する新疆の適度な開発と利用は河川の生態的環境をいっそう改善し、下流の人民にしあわせをもたらすことになろう。
中央アジア諸国との関係については、新疆と周辺隣国の関係は善隣友好の協力関係であり、上海協力組織加盟国の間の交流はさらにテロリズムを共に取り締まることに役立ち、国の経済の発展と社会の安定に役立つものである。「われわれは、これこそすべての国の最も根本的な利益に合致するものであると確信している」。
「チャイナネット」2002/03/18