「中華人民共和国外資系銀行管理条例」では、海外銀行が中国で登録を行い法人資格を備えた銀行を設立する、あるいは海外銀行の支店がこれらの手続きを踏まえて法人資格銀行に移行することを積極的に奨励する。また海外銀行支店のリテール業務について一定の制限を設けており、たとえば中国国内の個人向け定期預金は一口100万元以上と定めている。これは主に国内預金者の利益を保護するための措置だ。
経済グローバル化の下で、国際銀行はさまざま地域・業務分野におけるリスクを特定の支店に集中させることができる一方、当該支店所在国の監督管理当局はその銀行に対してリスク回避を実施することができない。しかし現地で登録された法人資格銀行であれば、監督管理当局は自己資本比率や損失引当金、大口与信の集中度などを通じてのリスク回避が可能で、自国の金融システムの安定と預金者の利益を最大限保護することができる。
法人資格銀行への移行奨励策は、慎重の原則と国際的に通用する方法に合致している。自国民を対象とした自国通貨業務の開放は、国の経済と国民の生活に関わるものであり、実施国の監督管理当局は十分慎重でなければならない。国際的には、現地で登録を行った外資系法人資格銀行に業務の全面的展開を認め、同行支店には主に企業向け業務を行わせるという方法が一般的だ。監督管理当局は個人向け預金業務の取扱金額の下限を設定することで、(国内行と外資行との間で)顧客を区分する。
「人民網日本語版」2006年11月17日